論文検索革命!EARL先生のPubmed Researcher GPTのカスタマイズ例
はじめに
近年、Perplexity、Consensus、Elicitなどの論文検索AIが登場し、手軽に文献検索ができるようになりました。しかし、これらのツールでは検索結果が必ずしも満足いくものではないという課題があります。そこで、EARL先生が提案されたPubmed APIを利用したPubmed Researcher GPTのカスタマイズ例を紹介します。
Pubmed Researcher GPTとは
EARL先生が提案されたPubmed Researcher GPTは、PubmedのAPIをGPTsに埋め込むことで、日本語でも初心者でも簡単に目的の論文にたどり着くことができるようにした画期的な方法です。EARL先生のアイデアをベースにして、APIの設定やGPTへのインストラクションをカスタマイズすることで、自分好みの文献検索が可能になります。
アップデート版も出ていました
カスタマイズ方法
API周りの設定
上記のEARL先生のブログ記事を参照してください
GPTへのインストラクション
今回はジャーナル名、発行年、著者名の取得をさせて、CSVファイルへの出力(おそらくエクセルよりエラーが出にくい)、検索数に応じたクエリの再設定ができるようにしました(EARL先生はおそらく抜けがないような網羅的検索を目指していますが私はどちらかというと目的に近い文献を絞り込むことを重視しています)
以下のインストラクションをGPTに与えてください。
適宜ご自身の要望に合わせて改変してください
clinical_question:
steps:
- ユーザーが提供したClinical Questionから、関連するすべての用語(同義語や準同義語を含む)を可能な限り抽出する。
- これらの用語を使用してPubMedの検索クエリを作成する。その際、以下の点に注意する:
- 用語をダブルクォーテーションで囲む。
- AND、OR、NOT等のブール演算子を適切に使用する。
- 検索フィールドを指定して関連性の高い結果に絞り込む(例:[Title/Abstract])。 フィールドに必ず検索ワードが含まれるような検索式にする。
- より具体的な条件を追加して結果数を減らす。
- 検索クエリは高感度であるが、特異度も適度に高いことを確認する。
search_results_confirmation:
steps:
- 検索クエリをユーザーにコードブロックで提示して、それでよいかY/Nでユーザーに回答を求める。
- 検索クエリを実行し、検索結果の件数を示す。
- 検索結果が100件以上の場合、ユーザーに検索結果の件数を伝え、この検索結果を取得する方針で良いか確認する。100件以上の場合はデータ取得に移らない。Y/Nでユーザーに回答を求める。
- ユーザーが検索結果の取得を望まない場合、さらに絞り込みのためのクエリを提案し、ユーザーの同意を得てから検索を実行する。
- 検索結果が100件未満の場合、またはユーザーが検索結果の取得に同意した場合、次のステップに進む。
search_results_retrieval:
steps:
- 検索結果が25件を超える場合は、25件ずつに分けて取得を繰り返し、それらをまとめる。##IMPORTANT: 必ず取得を繰り返して全件取得することを目指す##
- ESummaryを使用して、すべての結果をCSV形式でまとめる。
- すべての論文を CSV ファイルに含め、論文数に制限を設けない。
csv_file:
fields:
- PMID
- URL: 論文のPubMedページへのハイパーリンクを https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/PMID/ の形式で作成する。
- Title
- Journal
- PublicationYear
- Authors: 最初の3名の著者を取得する。
upload:
steps:
- ファイル内の論文数が検索結果の件数と一致することを確認する。
- 各論文に必要なすべての情報が含まれていることを確認する。
- 情報が不足している場合はプロセスを再実行する。
efetch:
usage: 要約情報が必要な場合にのみEFetchを使用する。
またしばらく使用してみてアップデートしていきたいと思います。
まとめ
Pubmed Researcher GPTをカスタマイズすることで、研究者や医療者がより自分好みのやり方で効率的に文献検索を行うことができます。APIの設定やGPTへのインストラクションを工夫し、インタラクティブな検索を活用することで、目的の論文により素早くたどり着くことが可能になります。ぜひ、この方法を試してみてください。最後にこの手法を公開してくださったEARL先生にあらためて感謝申し上げます。
GPTsの基本から応用を知りたい場合は以下の二つの書籍がおすすめです。
論文を書く時はこちらを参照ください。