IELTS対策 総論

IELTSとは英語の資格試験の一つであり、世界各地で受験可能です。似たような名前のものとしてTOEICがありますが、これはほぼ日本と韓国でしか行われておらず、国内の就活などでは有用なものの、海外に留学・就職するとなるとほぼ無意味です。

IELTSには、Reading, Listening, Writing, Speakingの4セクションがあります。Reading、Listening、Writingに関してはコンピューターまたは紙の受験で(問題自体は同じ)、Speakingは1対1の対面の面接です。スコアは1.0~9.0の間で4セクションがそれぞれ採点され、OA (over all)という、各セクションの平均という形で、総合スコアが算出されます。

どのような人がIELTSを受験しなくてはならないか、に関してですが、日本を出て海外で就職、就学する際に、何らかの英語力の証明が求められた場合です。日本では比較的無名な試験ですが、世界的にはひょっとしたら最も有名な試験かもしれません。英語力の証明を求められた場合には大抵の場合IELTSのスコアを使用することができると思います。

求められるスコアに関してはもちろん、用途によって異なるのですが、留学の場合は大学のレベルによってOA(総合スコア)が6.0~7.5程度のことが多いようです。大学・大学院の留学であれば、OA(総合スコア)が基準値を上回ることが条件となる場合が多いようですが、資格職のライセンス変換(医師の臨床留学での現地ライセンスの取得や、現地の看護師免許への書き換え)などでは、すべてのセクションが一定の得点以上(7.0のことが多い)です。

難易度は一般的な日本の教育を受けた人に関しては非常に難しい試験だと思います。例えば日本でメジャーな英検1級に受かってすぐの人であれば、6.5点くらいの点数になることが多いのではないでしょうか。ReadingやListeningに関しては、大学受験の英語の問題形式とさほど変わりませんが、SpeakingやWritingはだいぶ初見殺しで、対策せずに受けると何もできずに玉砕する可能性があります。You Tubeなどでスピーキングの模擬ビデオがたくさんアップロードされていますので、見てみると雰囲気がつかめるかもしれません。

IELTSの対策としてはまず自分が今何点くらいなのかと、必要な点数は何点なのかを把握することが非常に重要だと思います。IELTSも所詮はビジネスです。かれらも多くの場合必要スコアが6.0、6.5、7.0あたりにあることを知っていますので、人力で採点されるWritingとSpeakingこのあたりのスコア帯の採点が非常に渋く、多くの人がこのあたりのスコア帯で足踏みします。一方ReadingとListeningは基本的に選択問題なので、演習量をこなすことでこのスコア帯でスタックするということがあまりなく、勉強・演習はもちろん必要ですが素直に上がってくれる場合があります。

また、全世界の平均点をみても、ReadingとListeningよりもSpeakingとWritingがそもそも低くなるようにできています(少なくとも2020年代前半~この記事の執筆辞典では)。そのため、例えば必要なスコアがOverallであり、それが7.0の場合、Reading 8.0、Listening 8.0、Writing 6.0、Speaking 6.0で平均7.0みたいな達成のしかたも実際には不可能ではないと思います。

一方で、必要なスコアが各セクション7.0のような場合は非常に厄介です。なぜなら、ほとんどの受験者(そもそもwritingとspeakingな日本人受験者に限らず)はwriringとspeakingの点数が低くなる傾向にあるため、これは事実上Reading 8.0-8.5 Listening 8.0-8.5 Writing 7.0 Speaking 7.0のようなスコアを要求されていることと同義であり、実質Overallでは7.5や8.0のレベルを要求されていることになります。

このため、もし各セクション7.0を要求されている場合は、他の英語の試験で代替できないかを一度模索してみるのもよいかもしれません。例えば医療系の場合はOETという医学英語の試験で代替できる場合が多く、こちらの方が個人的には圧倒的に達成しやすいと思います。

時間があれば、各論の対策も書いていこうと思います!

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