黒幕、登場……!?~『ピークアウト』第7話感想~
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■前回のピークアウトは!
レム様は最高です……
Mピーク選考大会準決勝。初めての放送対局に臨むユキトだが、カメラの向こうの視聴者にカッコ悪い所を見られたくないと萎縮してしまい、どうも調子が出ない。挙句の果てに、フリテンに気づかずロン和了しようとする姿をカメラの前で晒してしまう。
さすがに意気消沈、自信を失いかけたユキトであったが、自分がカッコつけるべき相手は他の誰でもない「ファン第一号」リス子しかいないことを思い出し復活。カメラの前でも焦らず清一色の一番広い待ちを選択しリーチ一発ツモで和了、見事決勝進出を決めるのであった──。
■DIE YOUNG
「なんだって城丸!!」
「決勝戦を辞退するだと!?」
決勝戦を目前に控え、さぞかし意気込んでいるかと思いきや……逆に尻込みしているユキト。
プロになったばかりの自分がアスラズに入っていいのか。
本当に入りたがってる人に譲るべきなんじゃないのか。
まだまだ人生は長いんだし……。
辞退する理由ならいくらでも並べられるが、そんなユキトの顔面を霧子はひっぱたく。無理もない、彼女の妹……リス子は、若くしてその命を終えてしまったのだから。「人生はまだ長い」のか、そんなことは誰にもわからないのである。
「プロなら大事なことは卓に座ってから決めなさい」
霧子の言葉が、ビンタより重くユキトの胸に響く。
■辛いぞ! 男悟
決勝戦に参加する決意を固めたユキト。対局に向けて、自分が卓を囲む対戦相手3人の情報を棒太郎に求める。
1人目は因縁の金時勝。
2人目は「裏々セレブ」こと裏瀬レム。
そして3人目──
大河男悟(たいが・だんご)はMピーク入りしていないのが不思議だと言われるほど人気と実力を備えた麻雀プロ。その打ち筋は棒太郎曰く「普通」であり、弱点らしい弱点もなさそうだ。所属団体では赤無しルールしか打っていないと聞き、そこがウィークポイントだと指摘するユキトであったが、
「それはないよ」
「だって大河さん ネット麻雀かなり打ちこんでるし」
なんとネト麻で赤入りルールにも慣れているのだという。
……関係ないがネト麻というフィールドが登場すると『麒麟児』シリーズのことを思い出してしまう。鈴司と同卓してたりもするのだろうか。
さておき、赤入りルールで打つ大河を研究したいユキトはネット麻雀で深夜まで待ち伏せし、その対局を観戦することに成功。自分の発想にはないその打ち筋に目を輝かせつつ、棒太郎にはエロ動画を見ていると誤解されながら研究を続ける。
■決勝戦、開幕!!
そしていよいよMピーク選考大会・決勝戦当日。
解説には東京アスラズのリーダー、高原星二。
そして今回は特別ゲストとしてもう一人が解説席に呼ばれているそうだが……?
……ああ、えーとアレでしょ?
「冥府の跡を継ぐ翼、それが舞い上がる刻をこの目に焼き付けに来た……」
とか言って鴉将太が来るんでしょ。知ってる知ってる。
『東京アスラズ監督! そして』
『Mピークの立ち上げ人 八岐財閥会長 八岐不二子さんです!!』
や…
や……
や……!?
やまたぁ~~~~!?!?!?
八岐財閥といえば『キリンジゲート』の黒幕、八岐鱗が会長だったあそこじゃないですか!? あの婆さんが前作で御用された結果、代替わりしたってこと……!? まさか麻雀が強い男のエキスを吸うことで永遠の美貌と若さを維持できるようになった鱗だったりはしないよね!?!?
……そう、この八岐不二子、魔人にご執心だった前作の会長と同じく、麻雀が強い奴こそ至高という思想の持主らしい。それゆえ高原が勝手に決めた「Mピーク選考大会」に不満を持ちつつも、結局は開催を認めたというわけだ。
本来ならドラフトで実力派プロ、大河男悟を獲ろうとしていた不二子。ということは、東京アスラズの選手はこの麻雀至上主義者・不二子のお眼鏡にかなったプロであるわけだ。
それはつまり。
……鴉将太はか な り の トッププロだということじゃないか!!
何もしてないのに株が上がる漢、鴉将太。まったくもって油断ならないぜ……。その割には慰留された様子がないのだけど、不二子さんは「これで大河さん獲れるぅ~♡」とウキウキでそれどころじゃなかったんだろうな
というか前回のレム様でさすがに俺好みの女性キャララッシュは一息ついたもんだとばかり思っていたのに、ダメ押しでクール系美女が参戦するとは予想すらしていないので俺は今回も無事性癖に致命的なダメージを受けた。しかも裏で高原星二を踏んでそうな傲慢美女である。しかし女性にドつかれても「ちょっといったん! いったん待って!」とヘラヘラリアクションをしそうな高原が、不二子には無言でムッとした表情を見せるにとどまっているのが気になる……もしかすると霧子さんとの仲がこじれた原因が不二子だったりするのか!? ええいもう辛抱たまらん高原星二が不二子と霧子さんに挟まれてあんなことやこんなことをされてしまうDSKBな薄い本を早く誰か描いてくれ!!!!!
……ふぅ。
決勝戦に話を戻そう。
全4回戦のトータル戦績を競う第1回戦、膠着した点棒状況から大河が大物手をツモりダントツのトップに。それを追う金時は次局、ダマテンで大河からの直撃を狙うもテンパイ気配を察知されて和了ならず。
攻撃力も守備力も抜群の男・大河。ひとたび点棒を持たせてしまうと、そこから逆転を狙うのは困難だ。そう、悠然と流れる大河を逆流させることが不可能であるように……。
そしてオーラス。大河がダメ押しでかけてきた早いリーチに、金時も裏瀬もなかなか立ち向かえない。しかし3着目のユキトだけは、果敢に危険牌を切って向かってゆく。
3着を受け入れられない無謀な押し?
それともラス落ちのリスクを考えない浅慮な選択?
……否。ユキトの脳裏に浮かんでいたのはそんな子供じみた、自分勝手な思考ではなく、生前リス子と交わした何気ない会話だった。
「えっ 俺が麻雀プロになるかって?」
「無理だべ俺 頭悪いし」
「そんな勇気ないもんよ」
「でもいつか」
「いつか俺が麻雀プロになってたら」
「その時は自分をめっちゃ褒めてやりてえな」
大河はトップ目でも好形なら即リーチをかけてくる打ち手。
その大河が、リーチ前に見せた一瞬の逡巡を、ユキトは見逃していなかった。恐らく足止めが目的の威圧リーチ……そう読めたからには、押し返す一手しかない!!
気分の盛り上がりだけで決勝戦まで来てしまったとはいうけれど、ユキトだって麻雀プロとして、ひとつひとつ積み上げてここまで登ってきたのだ。他の誰が褒めてくれなくたって、リス子に、そして何者でもなかったあの日の自分には胸を張って「俺を見てくれ」と言えるから──。
歯を食いしばり押して押して押し抜いて追いついたユキトのリーチに、一発でアタリ牌を掴む大河。Mピーク選考大会決勝戦・蓋を開けてみれば第1回戦は大本命の人気プロをオーラスで逆転し、無名の新人がトップをもぎ取る波乱の幕開けとなった。
「あの子…名前なんだっけ?」
「ユキト」
「城丸雪兎ですよ」
……麻雀が強い奴にしか興味がない女に存在を認識されたユキト。
次回、第2回戦ではいったいどうなってしまうのか……!?
興味を持たれたユキトが不二子からあれやこれやされてしまうDSKBな薄い本もブ厚くなってしまうのか……!?
今から続きが待ちきれない!!