映画「過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい」先行上映大入り御礼とレインダンス映画祭選出について~監督日記番外
特別先行上映が行われました
9月12日・13日・19日・20日の土日4日間、
恵比寿・東京都写真美術館ホールにて
作品の特別先行上映が行われました。
朝10時半から各日1回限り。
昨年11月、
パリのグランパレでワールドプレミア上映を
行って以来の上映です。
コロナ禍により夏の公開が延期となったことで
事実上、日本のお客様には
今回初めてお披露目することとなりました。
前の晩は緊張して眠れませんでした。
皆さまにどうご覧いただけるのだろう。
森山大道さんの姿はどう映るだろう。
映画を楽しんでいただけるだろうか。
…というのはもちろんですが、
それ以前に
お客様はいらっしゃるのだろうか、
という不安が頭をもたげ、
恐怖でいっぱいになってしまいました。
当日…まさかの雨。しかし…
果たして、翌朝。
その日は、雨でした。
うわぁ…よりによって雨か。
この映画よ、生まれよ。
祈るような思いでいる僕のもとに
朝9時、
杉田プロデューサーから連絡がありました。
「監督!もう行列が出来始めて、
お客様が並んでくださっていますよ」
いつもは冷静な
杉田プロデューサーの声が弾んでいました。
彼から送られてきた写メを見て、
僕は胸がいっぱいになりました。
早朝からこの映画を見ようと
多くの方々が開場を待っていらっしゃいます。
感染予防の観点から
客席を半分にしての上映でしたが、
開場後、
あっという間に埋まっていったそうです。
そして菅田将暉さんが担当してくださった
4分間の特別オープニングに続いて
110分間の本編上映。
上映後、客席から拍手が沸いた、
とあとから聞きました。
その知らせを聞いて
僕はまたしても胸がいっぱいになりました。
上映後、いろいろなお客様がTwitterで
こんな風に口々に呟いてくださっていました。
「すごい熱量。
何故だか涙が溢れて止まらない。
これは説明してもわからない。
ひとりでも多くの人に観てもらいたい映画」
「観客全員が大道さんの一挙手一投足を
固唾をのんで見守るような、
不思議な一体感に包まれた2時間でした」
「森山さんのファンならずとも感動ものです」
ありがたくて、涙が出ました。
その後、特別先行上映は
日を追うごとにお客様の行列が伸び、
ご覧いただく方の数は
右肩上がりで増えていきました。
お客様一人一人に
握手したいくらいの気持ちでした。
まさに大入り御礼で、
この4日間の先行上映を終えることが出来ました。
悪天候の中、朝早くから
恵比寿まで足をお運びくださった皆さま、
本当に本当にありがとうございました。
映画は、
お客様がご覧になることで
初めて「命」が吹き込まれ、
ようやく本当の産声を上げることが出来る…
と僕は思っています。
この映画はそういう意味では
まさに産声を上げたばかりです。
これから皆さまに育てて頂きたい
まだまだ小さな赤ん坊です。
これからもお力を貸していただけると本当にありがたいです。
イギリスから届いた吉報
さて
先行上映も終わった9月末、
思いもかけないニュースが飛び込んできました。
本作が、
イギリス最大のインディペンデント映画祭である
第28回レインダンス映画祭に
正式招待されることが決定したのです。
ロンドンで開催される
このレインダンス映画祭は、
いわゆる「尖った、独創的な映画」が集まる
伝統ある映画祭だそうです。
そこに選出され、正式招待を受けて
公式上映されるというのは
とても光栄なことです。
また、
ヨーロッパの方々にこの映画を届けられるのは
望外の喜びです。
芸術や文化を切り取った作品が並ぶ
Arty部門で選出され、
ロンドン現地時間11月3日と5日に上映されます。
当日は
オンラインインタビューも行われるというので、
今から緊張します。(頑張ります)
今回は、皆さまへの御礼の気持ちを込めて
いつもの監督日記から少し離れて
こうしてnoteに書かせて頂きました。
これからも
引き続きご支援ご声援のほどを
どうかよろしくお願い申し上げます。
感謝の言葉にかえまして。
映画監督 岩間 玄