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生徒の準備ができたとき

春先に鉄のフライパンで殴られるような出来事があり、起き上がるまでに時間がかかって、前回の配信から2ヶ月半たってしまいました。

人間、生きていればいろいろありますよね。

自分にはフライパンの音が「軸はどうしたんですかぁ?」という、かなり大音量のアナウンスに聞こえました。

軸についての過去記事↓

そしてまた、ちょうど4年前の、コロナ禍が始まったころに戻ったような感覚、を覚えました。

人生ゲームというボードゲームが昔ありましたが、それで「振り出しに戻る」を引いてしまい、スタートのマスに呆然と立ち尽くしている、そんな感覚です。

しばらくして我に返り「ひょっとしてこれは、4年前と似たような状況を今度は軸を持って通過できるかどうかの、再チャレンジなのかもしれない」と目が覚めました。

そんな矢先に

Kan.氏出版記念セミナー『縁の扉をひらく』

があったわけです。

会場でたくさんの波動調整®受講生を見かけました。

彼、彼女らにとって、どのような時間だったのでしょうか。

わたしにとっては稀に見る “熱い” 時間となりました。



セミナーは3回目なのですが、過去2回は正直、何だかなぁ…という感じでした。

ひろ子さんから話を聞いても、受講生が次々にワークショップに参加しても、さして心が動かず、Kan.さんの何がそんなに良いのか分からない…。

何年も、ひとりで置いてけぼりを食ったように感じていました。

それが今回は、途中胸が熱くなり、涙が滲むような瞬間もありました。

直接言葉を交わす機会はありませんでしたが、3度目にして初めて、少しだけですが、ちゃんと、Kan.さんに「会えた」ような気がしました。



生徒の準備ができたとき、師が現れる

という格言がありますね。

今回わたしは、フライパンのお陰で「Kan.さんに、ちゃんと会う」という意識満々でセミナーに臨みました。

波動調整®で謳っている「在り方が変われば世界が変わる」と同じことで、何の不思議もない現象です。

結果として「生きなさい」と大きな手で背中を押してもらったような、そんなセミナーになりました。



そして日常でも、これもまだ少しだけですが、ただ在ることができるようになってきた気がします。

今までは、波動調整®セッション以外の時間では、ときたまそういう状態が訪れることはあっても、どうしても難しかったのです。

個人的に嬉しいのは、勤務時間中にもその兆候が現れ始めたことです。

時間に追われる仕事なので “つい” 乱暴になりがちな一つ一つの動作に、しなやかさが生まれてきたように感じます。

波動調整®講座4thのワークのような状態を、ようやく、本当にようやく、職場にも浸透させられるかもしれない。

その一方でまた、決してしなやかさを共有できない人、繋がれない人がいることも、認めなければいけない。

繋がれない悲しさを感じなければいけないことにも、気付きました。

そういう人がいると、いつも怒って、非難して、嫌っていた。

そうではなくて、自分が、ちゃんと、悲しまなければいけない。



10年以上振りに、岩波少年文庫の『ゲド戦記』を読み返しています。

対象年齢中学生以上と表記されていますが、こんな深い話を中学生が読むのだとしたら凄いな、と改めて思います。

第2巻『こわれた腕環』の訳者あとがきで、訳者の清水真砂子氏は次のように読者に語りかけます。

私はこれを書きながら、今、こうしている時も、より人間らしくあろうとして、自分に対しても愛する人々に対してもより誠実であろうとして、それと知りつつ困難な道を自分の意志で選び取っているであろう数多くのテナーのことを思います。
年齢も、性別も、国籍もさまざまに異なるテナーのことを……。

※ テナー
第2巻の主人公の1人。
アチュアンの墓所を守る大巫女の少女。
ゲドと共に墓所を脱出し、アースシーの平和に貢献する。

仮にこれを読んだ中学生がいたとして、その時点でなんだかわからなくても、いつか “とき” が来たら、その人が真実を生きようとすることを静かに支えてくれる、そんな物語なのかもしれません。

わたしが、Kan.さんから背中を押してもらった、と感じたように。



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