
一之輔と宮治の落語会。
取れない。
取れない。
チケットが取れないぞおおおおおおおおおおおお!!
人気者である春風亭一之輔と桂宮治のお二人、仲が良いことと引きの多さもあって、2人会は数多く開催されていますが、全然取れない。
東京近郊で、東京駅以西方面で行われる会であれば、大体取ろうとはしてますが、全然取れない。
というわけで丸2年ぶりの一宮入魂。
席はよみうりホール2階のほぼ1番後ろだ!遠い!!

宮治の時そばは2回目ですが、お見立ての時も感じたけど「他の演者がいじるようなことのない細部を徹底的にほじくり返しながら繰り返し、そこだけで世界を作っていく」っていうのは宮治ワールドならではの味ですね。
俺の後ろに座っていた小6くらいの女子、ずっと、ヒーヒー言ってた。
俺の好きな落語家は、一様に皆つよいアドリブ力を持っていて、前座さんや前に出た人の話やマクラを秒でいじって笑いに変えますね。
当然、一之輔さんも、そのアドリブテクニックを使いまくるわけですが、そのぶっ飛んだ面白さよ。
宮治=一之輔と続いてやった前半の2席を見て、「ああ、これドリフの全員集合だよな」って思ってました。
私はギリ10才くらいの頃まで「8時だよ!全員集合」をリアルタイムで見ていた世代ですが、あの爆笑コントを2人とも1人でやっている。
もちろんリアルタイムで見ていたのはテレビなんですが、あれは毎週どっかの劇場で客を入れてやっていたのを生放送していたわけで、あれを劇場で生で見ているのと同じような臨場感と面白さを、いま、一之輔と宮治の落語を聞きながら感じられているんだなあって思ってみてました。
2人とも前半の1席ずつでたっぷりやりすぎたので、19時開演で中入りで20時45分くらいになり、後半はサラリ。
サラリなんですが、15分やってない一之輔の加賀の千代、見事すぎた。
たぶん、寄席の15分用のネタをサラッとやったんでしょうが、あの短い時間でキッチリ物語として表現し、爆笑を取る凄さ。
私は、寄席にはあまり行かないのですが、理由は面白くない芸人がたくさん出てくるからであり、その15分が苦痛でしょうがないから。
けど、一之輔さんにしろ、宮治さんにしろ、三三師匠、喬太郎師匠、白酒師匠なんかも、どんなに短い時間でもキッチリとストーリーのある話をやってくれるし、話によってはきっちり爆笑を取る。
最後は宮治さんで、「もう半分」か・・・って思って聞いてたら、まさかの改作アンパンマン仕立て。
ああ、ってことは、三遊亭白鳥師匠が作ったやつなんかなって思いつつ、帰りの電車で検索したら、白鳥師匠のは「もう半分」の登場人物をムーミンの配役にした改作らしい。
ってことは、宮治さんの新作なんかな?
検索しても、宮治さんがやってる情報しか出てこないので、そうなのかもしれない。
一之輔さんも宮治さんも基本古典しかやらない方々ですが、お2人共、古典を完全に自分のワールドに作り上げた新作にしていると言っても良い。
古典落語っていうのは、数十年、100年、数百年という年月にさらされてきた強度のある物語ベースなので、当然、それだけの時代と年代に生きた人々みんなに愛されてきましたよっていう歴史の証明の果てにある確かな物語なわけです。
その強い芯と骨を持った物語を現代風にわかりやすく、とっつきやすくする物語構成の技術と、笑いのセンスと、諸々をアドリブ化するインスピレーションを持っているんだから、並の落語家で勝てるわけがない。
一之輔と宮治の落語に関しては、「全員集合とかドリフ大爆笑とか、志村けんの舞台みたいな感じ」って言ったほうが、同世代の人にはわかりやすいのかもしれない。
ほんとね、みんなにオススメしたいんだけど、チケット取れないw
取れたら、また行きます!