王者への挑戦、リーグ最終節
2024年5月25日、浦和駒場スタジアムを会場に、
2023-24WEリーグ第22節
浦和レッズレディースvs日テレベレーザ
の試合が、14時03分キックオフで開催されました。
試合前
駐車場探し
高速道路は順調、予定よりも少し早く浦和に到着。
しかし、ここからが大変な駐車場探し。某家電量販店隣のコインパーキングは満車。公園周辺を回るも満車。ならばと前回(昨年のクリスマスイブ、浦和vs長野)使った1km先の駐車場は、空いてた!(電光掲示がないので目視)と思って入ったら月極スペースかよ!残念!!
結局、そこから更に少し離れたコインパーキング。まだ4台ほど空いてました。駐車してある車から、レッズレディースサポさんが続々。そりゃあ優勝報告に清家選手の海外挑戦挨拶に、タダの最終戦ではないですもんね。でも、ウチの鈴木陽選手が途中加入したベレーザも、INACの結果次第では2位浮上の可能性も残る試合。負けられません。
浦和駒場スタジアム
何度か来ている上に、実は仕事で年イチ必ず近所まで来るので、特に迷わずスタジアム到着。いきなり何かの待機列があり、とりあえず最後尾に。
入場待機列ではなく、展示コーナーで写真を撮る為の列でした。
すったもんだの末、決勝が日本開催となったAFC WOMEN'S CLUB CHAMPIONSHIPの優勝トロフィー。中東勢が全滅して日韓対決となり、AFCのやる気ゲージがなくなったのかトロフィーもメダルも地味。翌年から開催予定の女子版ACLのプレ大会だから仕方ないのか。だとするとこの名称の大会は今回だけで、実は貴重なのかも。
溶鉱炉に落としたWEリーグのガラスのトロフィー。レッズレディースは昨シーズンに続く連覇。
夏にレッズレディースがキャンプを行っている北海道北斗市の公式キャラクター「ずーしーほっきー」。ホッキガイの寿司をイメージしてるようですが、なかなかグロい個性的。我々世代だとゲゲゲの鬼太郎に出てきそうなんて思います。
改めて入場待機列の最後尾へ。入場時刻に出来た長い待機列の、真ん中くらいに入れました。私が入る入場ゲートは、メインスタンドとホームゴール裏。メインは全面アウェーグッズ禁止なので、念の為緑系の服装や装飾品も控え、目立たぬよう刺激せぬよう静かに試合を観ます・・・。25分くらい並んで、中に入るとほとんどの人はゴール裏&浦和ベンチ側に座りたい方で、アウェーベンチの後ろ(メインの入って右側)は静か。後から一緒に観戦する方の合流も含め、この時間に入れば席は余裕がありました。
ピッチでは、小学生年代の埼玉県U12トレセンメンバーが、ブルーとホワイトに分かれ練習試合。見ていた人から、最近の子は巧いしデカいという声が多く聞かれました。
先日、負傷離脱が発表された池上選手には、応援のメッセージが。
スタグル
先週の西が丘で最後に食べたのが「常温の焼きそば」という残念な記憶しかないので、この日はベレーザの試合でも出店していたmahanaさんの「あいがけカレー」。このカレーを食べるのは多分3回目ですが、その内2回はアウェー(ギオンス、浦和駒場)でした。何度食べても旨いものは旨い。
試合前練習
日差しを避けてメインスタンド最上段から席が埋まっていきましたが、練習前には多くの観客が入りました。公式記録では気温28.6℃。暑かったですが前の週の西が丘の地獄(34℃)に比べればまずまず、上空は時折強い風も吹いていました。
メインスタンドにレッズレディースへの声援を強制促すレディア。まあベレーザベンチの後ろも、8割方浦和の応援だもんなあ。時々隠れキリシタンのように、ベレーザ応援の人がいました笑
GK先行で練習開始。
両チーム、フィールドプレーヤーも登場。
両チーム、良い雰囲気の中練習。
ベレーザとしては勝ってINACの結果を待ちたいところですが、浦和としても優勝セレモニーなどに加え、ホーム無敗と14連勝が掛かった試合。激戦の前の束の間、引き上げる時には両チームの選手が談笑する姿もありました。
リフティングをしていた鈴木陽選手が、慌ててダッシュしたその先にいたのは、子どもの頃からの憧れ、浦和の菅澤選手。
対戦相手として相見えるのは、多分2019年9月の長野Uスタジアム以来、4年半ぶり。
選手入場
センターサークルバナーを持っているのは、レッズレディースJrユースの皆さん。浦和の育成育ちの選手だけでなく、鈴木陽選手も中学時代はここに所属していました。
ベレーザのスタメン。GKは野田選手の可変式3-5-2。前の試合は後半からだった鈴木陽選手はスタメン、土方選手との2トップ。藤野あおば選手は、前節の負傷交代の大事を取ってだろうけどこの日はメンバー外。
王者を後押しするレッズレディースゴール裏。この試合引き分け以上ならシーズンホーム無敗を達成します。
シーズン中盤で猶本選手と安藤選手が離脱しても、勢いは衰えるどころか更に強さを増し、この試合まで13連勝中。
選手入場。
高橋はな選手と鈴木陽選手。Jrユース時代から仲が良かったそうです。
ベレーザは池上選手のユニと共に。
キャプテン同士の握手。浦和の柴田選手の方が2学年上かな?
前半
ベレーザのキックオフで前半開始。
メインから見て左から右に攻める浦和、右から左に攻めるベレーザ。ベレーザが風上です。
上空は風が強く、浮き球はかなり影響を受けていました。
風上に立ち、試合の入りが良かったのもあり、序盤はベレーザが押し気味の展開。
唐突なゴール
9分。ベレーザの鈴木陽選手が浦和DF高橋選手からボールを奪い、そのままシュート。GK池田選手も間に合わず鋭いシュートが突き刺さり、ベレーザ先制。油断してカメラ下ろしてて、慌てて撮ったのでシュートシーンは全てピンボケでした・・・。
ただ、何か見たようなシーンだなと思ったら、2022-23シーズンの開幕戦、浦和vs長野。3-1でリードはしていましたが、同じように高橋選手が長野の稲村選手にボールを奪われ失点しました。ボールを持てるだけに狙われるのか・・・。
一方の鈴木陽選手は前線からの守備も得意。2023年のオルカ鴨川FCでは何度もDFやGKからボールを奪い、カウンターの起点になったり自ら得点していました。
連勝中の王者相手に、ベレーザが先手を取りました。
追加点
先制後もベレーザは前からのプレッシャーを継続。浦和はなかなか中盤から前に効果的なパスが繋がらない上に、風の影響で大きなクリアやゴールキックが戻ってきてしまい、自陣内に押し込められます。
23分、ベレーザのコーナーキック。
木下選手が蹴ったボールに合わせたのは、キャプテン村松選手!浦和DF遠藤選手のマークをすり抜けるようにして、矢のような弾道のダイビングヘッド。今度はちゃんと撮れてた笑
村松選手がベンチまで走ってきて喜んでいる時に、大興奮の関ヘッドコーチが自分の帽子を投げ付けたら、跳ね返って戻ってくる様子がDAZNの中継にギリギリ映っていました笑
そして、関ヘッドコーチが帽子を被り直して、村松選手とハグしていると。
アシストの木下選手も関ヘッドコーチとハグ・・・
の直前に急降下。ずっこけた?笑
皆に心配されていました笑。こちらもDAZN中継で急降下まで映ってました。DAZNのフル動画は1週間でハイライトのみになってしまうのが残念。
そのまま給水タイム。ベレーザとしてはここまでほぼ完璧に近い会心の試合運びだったと思います。
赤い稲妻
2点ビハインドとなった浦和。「赤い稲妻」と愛称も付いた、18ゴールで得点王の座をほぼ確実にしている清家選手を中心に反撃を試みます。
村松選手が肩を痛めますが、プレー続行。
セットプレー守備時、高さとパワー対策でもキーマンとなった鈴木陽選手。
38分、ベレーザの木下選手が塩越選手を後ろから倒し警告。さっき転んだ影響ではないと思いますが、これが試合の壮大な伏線になるとは思いませんでした。
稲妻一閃
40分。浦和FW島田選手から中央前へのスルーパス。村松選手がスライディングでクリアしようとしますが届かず、抜け出した清家選手の独走状態に。
これを落ち着いて決め、浦和が1点差に詰め寄ります。
技あり
この1点で浦和も息を吹き返し、ベレーザのゴールを脅かす場面が増えます。が・・・。
43分。ベレーザがGKから右に展開。浦和CB石川選手のマークを避け右に流れた鈴木陽選手に、山本選手から絶妙なスルーパス。これに抜け出した鈴木陽選手は、右サイドからダイレクトで中央へのクロスを選択。浦和CB高橋選手が足を懸命に伸ばすも、触ったボールは浦和GK池田選手とベレーザMF菅野選手の中間に。菅野選手は左足のリフティングでGKをかわし、無人のゴールへシュート。
このゴールシーンで驚いたことがふたつ。
ひとつは、ベレーザのゴールまでの過程。鈴木陽選手が右に開いて、もうひとりのCF土方選手も真ん中より右に移動。ボールサイドの右に密集を作り、これに対応する為に浦和のCBも同サイド(浦和から見れば左)に移動。空いた中央へ菅野選手が走り込む形。
文章にしてしまうと簡単だけど、こういう攻撃ってあんまりベレーザのイメージにないし、菅野選手のリーグ戦の得点はほぼ2年振り。そして、ポストプレーでのアシストが多いだろうと思っていた鈴木陽選手がクロスでのアシスト(高橋選手触ったから記録的にはカウントされないかもしれないけど)。何試合か前もエリア内のワンツー連発みたいな攻撃の途中に入ってた記憶があるし、ベレーザのパス回しに慣れてきた感がありました。
そしてもうひとつは、再び突き放されたこの状況で、浦和の選手の何人かには笑顔が見えたこと。普通13連勝もしてるチームは、こんな状況で慌てたりするもんだと思っていたけど、この状況を楽しんでる余裕さえ見えて、あ~あと45分ちょい、ベレーザにとっては大変(後半は風下なのもあり)だろうなってのは余計感じました。
前半ロスタイムの4分は両チーム得点が動かず、前半終了。
ハーフタイム
本当はサブメンバーの練習も撮りたかったのですが、この時間になると暑さも厳しく、スタジアムを一旦出て自販機へ。飲み物を追加購入してきました。
出島で声援を送るベレーザサポの皆さん。
両チームで一番早くピッチに戻ってきた、鈴木陽選手と菅野選手。
両チームの選手がピッチへ。
浦和が先に3枚替え。
16水谷選手→4佐々木選手
14角田選手→6栗島選手
19塩越選手→2長船選手
長船選手と佐々木選手が最終ラインに入り、高橋選手がCBからCFへ。基本フォーメーションが4-4-2に変わります。
鈴木陽選手と高橋選手。高橋選手が前線に出ることでマッチアップはここまで。高橋選手にとって前半にボールを奪われた借りは、得点に絡むことで返したいところです。
後半
追加点…にはならず
後半始まって早々、ベレーザのカウンターが鈴木陽選手→土方選手と繋がり、中央でパスを受けた山本選手が左足で強烈なシュート。
クロスバーに当たった跳ね返りを菅野選手がヘディングで押し込んでこの日2点目!かと思いましたが、これはオフサイドの判定。
54分、浦和に決定機。
右サイド深くから遠藤選手が上げたクロスに中央で合わせた高橋選手がシュート。しかしこれをベレーザGK野田選手が足で防ぎ、こぼれ球も押さえるビッグセーブ。
65分、ベレーザが最初の選手交代、6宮川選手→18岩﨑選手。
広島戦での骨折が全治3ヶ月というアナウンスだったのに、1カ月半ほどで戻ってきた宮川選手、最終戦はここまで。恐らく満身創痍の状態だと思いますが、神出鬼没、偽WB(CBにもアンカーにもなってる)としてこれほど万能な選手はいないと思うだけに、ベレーザにとっては痛い。
両チームのリザーブ選手のアップも慌ただしくなってきます。
大ベテランの大仕事
しばらくベレーザ陣内での攻防が続き、浦和が数分の間に左、右、右とコーナーキックを獲得した3本目。
伊藤選手のコーナーをニアで高橋選手がヘディングですらし中央へ。これを長船選手が決めて遂に浦和が1点差に。そのままボールを持ち帰る赤い稲妻笑。お見事。
大ベテランの長船選手。ベレーザは13年前に所属した古巣でもあります。
WEリーグ発足後はケガもあり、3シーズンで出場は7試合。その7試合目に大きなWE初ゴールが決まりました。
直後に給水タイム。
総力戦
ベレーザは77分、2回目の選手交代。
8菅野選手→33岩清水選手
32鈴木陽選手→9神谷選手
CF同士の交代はいつものパターンなんですが、疑問だったのはもうひとつの交代。岩清水選手の起用は、替えの効かない村松選手の負担軽減の為だと思うんですが、交代が前半得点を決め、後半早々にもオフサイドとはいえネットを揺らした好調の菅野選手。前半警告を貰っている木下選手ではないの?と思いました。
79分、浦和が2回目の選手交代。
15島田選手→9菅澤選手
すがさーさん登場。相変わらずカッコイイ。今シーズンは16試合出場したものの、先発は2試合。ここ3試合はメンバー外だったのですが、大一番の1点ビハインドで登場となりました。
84分、浦和に再び決定機。
菅澤選手のポストプレーから栗島選手がコントロールシュートも、クロスバー直撃。跳ね返りをダイレクトで放った清家選手のシュートは、味方の遠藤選手に当たってしまい、混戦のこぼれ球をベレーザGK野田選手がキャッチ。
86分、浦和は3回目(5人目)最後の選手交代。
1池田選手→21鈴木選手
GK同士の交代。試合そのものには重要性の薄い交代だったかもしれないけど、Jrユース(鈴木陽選手や高橋選手の1学年上)、ユース、早稲田、大和シルフィードを経て2022年に浦和に戻り、試合の数日前に引退を発表していました。長船選手のゴールと同じように、レッズレディース(や育成年代)を長く見ている人ほど、この交代は胸に来るものがあると思います。
この時点でまだ負けているんですが、GK2人の笑顔と交代アナウンスに、場内から万雷の拍手。
退場と同点ゴール
記録では90分。
ベレーザ木下選手のタックルが石川選手の足に入ってしまい、警告。足裏を見せるような悪質なものではなかったものの、ほぼ間に合わないだろう遠い位置から勢いつけてタックルに行ったのは、ああ警告だと見ていて感じました。
前半の警告と合わせ2枚目、木下選手は退場。正直、こんなセンターラインより少し浦和側の場所で1枚警告貰ってるような選手がするプレーじゃないです。疲労からなんでしょうけど、ここに来てベレーザの交代策にはやはり疑問符が付きます。まだ交代回数1回(人数は2人)残っているのに、警告貰っている木下選手を引っ張ったのは何故。粘り強い守備も出来るようになった松永選手入れれば少なくとも退場は防げたと思いますし、何なら退場後でも、前線で孤立している上に一人少なくなったんだから神谷選手に代えて松永選手とか、DFの西川選手入れて逃げ切りを図るとか、色々策はあったと思うんですけど。
ベレーザが1人少なくなった上に、後半ロスタイム7分の表示でスタジアムは大盛り上がり。
で、このFK。
佐々木選手のロングフィードを石川選手がヘッド。伊藤選手が繋いで、最後は赤い稲妻清家貴子選手!今シーズン20得点目は同点ゴール!!
一回転しながら決めた後の清家選手の雄叫びと、会場のボルテージ。ベレーザ側で見てる私でも鳥肌立ちました。
その後もベレーザの交代は無し。枠まだありますよ。私は頭にきて正確な交代回数をこの時は把握してなかったんですが、交代の話を現地でした時、一緒に観戦していた方は即座に回数と人数教えてくれました。他の人も交代の件は疑問に思っていた人多かったのかも。
試合を通じて見応えがあった、ベレーザFW陣vs浦和の石川選手。でかい速い強いは大正義。あの時の恨みは忘れてないけど笑、早く代表でもレギュラーになっておくれ。アメリカとかスペインとか海外のデカい奴にも石川選手なら負けないでしょ。
それでもピッチに残った10人は懸命に戦い、反撃に転じる機会もありましたが、そのまま3-3で試合終了。
浦和にとっては連勝は途切れたもののギリギリで追い着いてホーム無敗は達成。ベレーザにとっては浦和との対戦2引き分けで、浦和に負けなかった唯一のチームとして三強の面目は保ったような形です。展開次第では勝てましたけどね(ボソッ
試合終了後
私も含めた鈴木陽応援団御一行、本人に気付いてもらってたけど・・・。
あ、顔が虚無モード笑。怒ってる時だ。
浦和サポさんに、席を前の方にどうぞとのアナウンス。優勝セレモニーなどは浦和サポさんに良い席で見てもらえばいいので、私たちは場外へ。浦和さんは埼スタの時もだけどスタグルが試合終了後にまだあって本当にありがたいです。手前の旗があるコーヒー屋さんで、アフォガードやクラフトジンジャーエールをいただきながら今日の感想戦。
まったりしてたら結構時間過ぎていたのか、ベレーザのバスが出発。お見送りしてたら左側の座席の選手が反応してくれましたが、カツオさん危ない笑
昔、長野が遠征帰りのバスで某選手がこれやってた時に、恐らく悪戯大好きのあの方が窓を閉めて、通り過ぎた直後に「痛っ!」って声が聞こえました。懐かしいアウェー遠征の思い出。
この日は最終戦なのでベレーザの選手の中には現地解散も結構いました。長いシーズンが終わり、激動のオフを経て、数か月後にはWEリーグ2024-25シーズンが始まります。王者浦和は、復権を目指すベレーザは、そしてこの日、ノジマステラに大逆転劇を許し有終の美を飾られた、私の地元長野は果たしてどんなシーズンを迎えるのか。楽しみなような、不安なような。
(蛇足)
長野に関しては不安より不満か笑。強いとか結果も大切だけど、長野にはそれ以上に大切な色々が欠けています。ここ5年くらい特に。過去最低の成績、減り続ける観客、意味不明の采配、全く盛り上げる意欲が感じられないクラブ、選手たちの温度差。とりあえず次のシーズン、年間駐車場権利(ダイヤモンド会員)とシーズンパスは購入しないことを検討中です。