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初めての発表会は昨年6月

月に2回のレッスンを続けていましたが、子どもたちに混ざってへたっぴな大人の私が発表会に出るのは、申し訳なくて、ずっと発表会には出ないと決めていました。

その間に、プライベートではいろいろなことがありました。
突然、片目が見えなくなり脳腫瘍が見つかって手術(息子が小学一年生になる直前)その数年後に突然の離婚、専業主婦からの仕事復帰、数年後にリウマチ発症で体中が痛くて休職しながらも仕事を続け、、、あっという間に、息子は中学三年生。
そんなガタガタな毎日でしたが、息子と私の二人っきりの生活の中にはいつもピアノがあって音楽が流れていました。

手術の後も、仕事復帰してからも、リウマチになってからも、ピアノを辞めようとは思いませんでした。息子も、ピアノが好きで、どんどん上達していました。先生は、そんな私の生活の変化に取り立てて驚く様子は見せずに、静かに、寄り添ってくれていました。
入院手術の時も、息子がピアノが好きなことを誰よりもご存じでしたので、「休む必要はないですよ」と、なんと、私の両親が無理な時には、レッスンの送迎をして下さったり、退院した後は、夜ご飯のおかずを持たせてくださるときもありました。(先生は料理も素晴らしくて、何かを極めている方はすべてに通じるものがあるのかなあ、凄いなあと思いました)

リウマチ発症後、とにかく指が痛すぎて、ピアノの鍵盤が押せない、絶望的で本当に泣きましたけど、弾けない時は、リズムの練習だけ、体操だけのレッスンの時もありましたし、その時の手の状態に合わせて、曲を選んで下さり、たくさん弾けなくても、先生と話をして、その曲を深く読み込む豊かな時間を頂きました。

その間にも息子は、ピアノをいつも楽しそうに弾いていました。仕事から帰ってクタクタで台所に立ち夕飯を作っているとき、息子のピアノの音を聴くと、一日の疲れがす~っと軽くなり、気持ちが楽になりました。

発表会について、先生は、以前から「音楽は人前で弾いてこその部分がありますよ」と言ってくださっていたのですが、私は、その言葉の意味を深く考えようともせず、「恥ずかしくて絶対に無理です。来世の課題にします」と頑なでした。

ある日のこと、リウマチとはこれからもうまく付き合っていかないといけないし、それ以外にも、人生何が起こるか分からないし、いつまでもピアノを弾けるとは限らないんだなあという思いが湧いてきました。よっしゃ!恥をかいても何かを失うわけでもないし、次の発表会は、出てみよう!と、早速、先生に「今年は、私も発表会に出てみたいです」とお伝えしました。
先生は、「良いですね!」とおっしゃってとても喜んで下さいました。
息子に伝えると、「お!いいと思うよ!そうだよ、出た方がいいよ!」と普通の顔をしていました。
大人の生徒は私だけでしたし、母親が一緒の発表会に出るなんて、恥ずかしがるかなと思ったのですが、意外とそんなことないんだなあと、少し拍子抜けしたのでした。


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