野良猫が亡くなってしまった話

数年前にあった出来事をパソコンに書き留めていたものが出てきたのでアップしてみます。
おそらく3年ほど前の12月ごろに書いたもの。

~~~最愛のラインちゃん。~~~

何年か前から白キジのオス猫が庭に来るようになった。

目の周りがアイラインを引いたみたいになっていたのでラインちゃんと母と一緒に名前を付けた。

しばらく自宅周りに住み着いて生ごみをあさったり、猫のカリカリをあげたりしていた。

(本当は野良猫に餌付けをしてはいけないのだけど。。)

新しいオス野良のシャム(毛並み的にはラグドール)が来るようになってしばらくはお互い付かず離れずでいたが、いつの間にかラインちゃんは姿を見せなくなった。

数か月後、あれってラインちゃんかな?と時々姿を見せたりしていた。

その薄汚れた白キジ猫は、あのラインちゃんだった。

かろうじてラインちゃんと分かるくらい痩せて弱っていた。

これから寒くなるのに。

それからまた家のまわりに住み着き、カリカリをたまに食べていた。

オペラちゃんにと作っていた寝床はいつの間にかラインちゃんの寝床に。

※オペラちゃん:野良のメス猫

でもしばらくして使わなくなった。どこで寝ているのかは分からない。

でも朝昼夕、いづれかに姿を見せてご飯を食べに来てくれるだけで安心だった。

疥癬かなにかをわずらっているのか、毛並みがおかしかたのでネットで液体の薬を注文してみた。

2日後に届く予定だった。

仕事から帰って来て母に何かの用事でLINEをしたら、その返事とともに

『ラインちゃん死んだよ』と・・・

『え? どこで?』『隣の畑で、あんたの家の窓から見えるよ』

雨戸を閉めるとき気が付かなかった。数時間信じたくないので見るのが怖くて確認できなかったが、そっと雨戸をあけると、すぐ目の前の畑の畝の間でラインちゃんが横たわっていた。

昨日のお昼過ぎ、西の物置場で箱すわりしていた時カリカリをあげたら食べていたのに。

こんな暗い寒いところでかわいそうすぎる。

ダンナさんに連絡をして、箱とタオル、ブランケットを準備して一緒に入れた。

敷地内にそのまま埋葬しようかと話したが、やはり火葬して見送ってあげようということになった。

公営の火葬場では小動物は合同火葬になり収骨はできないとのことだった。費用は3,000円。事前予約等はいらず、直接お越しくださいと書いてあった。

一応、役場や斎場に聞いておこうと思い、まず斎場へ電話をかけた。

「ノラでしたら、役場に連絡して道路に出しておいてもらったら回収に行きますよ」とのこと。

『ノラちゃんの遺体はゴミと同じ扱いって聞いたんですが…』

『いやいや、ちゃんと火葬場へ連れてきて火葬しますよ! ゴミと一緒にはなりませんよ』との返事で少し安心した。

役場へ連絡し、はやり同じ内容でした。

『敷地内だとはいれませんので、箱か何かに入れて道路に出しておいてくれたら回収の連絡をしますので』とのこと。

でも、道路に放置して去ることを想像するだけで耐えられなくなって

『いや、やっぱり自分で火葬場へ連れて行きます。』と返事をした。

お金かかりますけどいいですか?と言われたが、お金とかじゃなくて、最後に手を合わせてあげたかったし自分で連れて行きたかった。

翌日、小さい花束を買ってきた。ラインちゃんのための薬も届いた。悲しくて開けれなかった。

13日夕方に亡くなり、15日の午後に火葬場へ連れて行った。箱を空けて花を入れた。

私が連れていく! と、ラインちゃんの入った箱を運び斎場の動物専用受付へ。

受付後、動物専用の火葬炉へ行き、最後のお別れの台に乗せて手を合わせた。

我慢していた涙が止まらなくなった。対応してくれた方に『お願いします』と言ってお任せした。

帰りの車ではほとんど会話は無かった。

後日母にラインちゃんの最後の様子を聞いた。

昼間、我が家の玄関の前で座っていたらしいのだが、夕方トコトコと畑へ歩いてきて、畝と畝の間で丸くなったので『雪がふるのにあんな寒いところで寝てるわ、と思って見てたら、すーっと体の力が抜けるように見えて、死んでもたなって』

『助けてあげたいけどどうすることもできひん。ノラの運命や』と。

私が見た時には丸くはなっていなくて伸びていた。

もっと暖かい場所を作ってあげれば良かった。もっとおいしいご飯を上げれば良かった。後悔はたくさんある。

14日の夜中だったか、ラインちゃんの遺体が目の前にあってじっと見ていたら前足が少し動きだし、体も生前のように動きだして私がだっこをすると

ゴロゴロいいだした。そこで目が覚めた。

野良猫は人目につかないところでひっそりと死ぬとか、死ぬ姿を見せないと聞くが

ラインちゃんはうちの敷地内で亡くなった。

だから火葬して、手を合わせることができた。

次生まれ変わったらまたうちにおいでと言いたい。

     

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