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先代(10代目)桂文治師匠の「羽織」の噺
3か月前に投稿した「お墓でお酒を。大好きな大先輩」と言う記事でもお話したのですが、日本橋界隈の明治〇〇年創業の老舗のお店に勤めていた。
私が50代で大好きな大先輩(チャキチャキの江戸っ子)は80代でした。
そこに先代(10代目)桂文治師匠がお取引(毎年11月初め頃)でお見えになられた時のお話です。
和装のコートを着られたままで(この日はかなり寒い日でした。)お話が始まりました。落語家がよく着ている羽織の件でした。
昔は、羽織の紐が付いている位置が、今より拳一つ(二つかもしれない)くらい上にあったとのこと。
私が「何故ですか?」と聞くと、今では本当かどうかは確かめようがないが、「それは、ドス(短刀)を出しやすくするためだよ!」とやさしくおっしゃった。この文章には書き表せない、表情、話し方、動き、間の取り方、短い時間で虜になってしまう。
この場面が記憶に残っていたシーンです。
noteに投稿を初めてから、「単語」「文章」「写真」「映像」を目にした瞬間に、ポップアップのように過去の画像か映像が浮かんでくることが多くなった。
調べてみると、実際の歴史的な証拠はないようだが、江戸時代には町人(町人も護身用として)や武士が帯に短刀を差していたので、ありえない話ではないようです。
ひょっとしたら、文治師匠のユーモア・洒落を含んだお話をされたのかもしれない。
しかし目の前でこのようなお話を聞かせてもらったものだから、本当の話のように聞こえていた。
大先輩はどうかわからないが、私は高座で小噺を聞いているような感じだった。
そう言えば一度大先輩が、文治師匠の高座に招待された時に私もご相伴預かり、隼町の国立劇場に行ったことがあった。
大先輩は楽屋にお邪魔してご挨拶されていたようだった。
この夜は半蔵門駅まで二人で歩いて家路についた。
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最後まで読んで頂きありがとうございました。
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