心化粧6

ドー、ドー。 それは寒い冬の日であった。 四方が山で囲まれて、来訪者は無き。 この山深き雪に埋もれた山に、村に一人男が佇んでいた。 男は背を向けて走り、その姿はまるでウサギのごとく、走ることをやめないことをやめなかった。 助けて、助けて、子供の声が聞こえる。 それはまるで延長線だった。 やはりこの雪の中はダメなんだ、男はそう呟いた。 白銀の世界に希望はない。 しかし、白銀の世界に希望はある。 白き魔物は伊手立ちを纏い、シューベラッハの後を追う。 なりと、おめえのことは絶対に言わんけ。 安心せい。 老爺は言う。 老婆死んだがら、あなたのことを大切に思っている。 狂気の先に道はない。 ああ、この村は既に無くなっていたんだ。

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