見出し画像

団塊ジイさん五拾三次旅日記 第4話。

口絵写真は、
浜松宿から見付宿(磐田市)に向かう道中に見た
金原明善(きんばら めいぜん)翁の生家。
ひたすら美しい。
翁は、明治初期、私財を投じて
「暴れ天竜」と恐れられた天竜川の治水に尽力したそうだ。
街道を歩くと、こういう人徳の士を知ることができる。

ローソンの案内看板さえなければなあ。
(浜松市安間町にて 10月11日10時3分)

10月10日〜10月12日。秋の旅を始める

第4話は、
舞坂宿〜掛川宿間、2泊3日。

空前の猛暑だった2024年の夏が過ぎ、
ようやく秋めいてきた10月10日。
舞坂宿から旅を再開した。
年内の日本橋到着を目指して。


ギョ、ギョ、ギョ! ギョーザの首都、ハママツ宿。

舞坂宿を立ち、
京都から25番目の宿場町、浜松宿に着いた。
さすが、ギョーザの首都ハママツ。
世界初のバナナ入りの餃子「バナギョ」。
看板のコピーにも自信と力が漲る!
美味いだけじゃないぞ。ヘルシーなんだぞと。

餃子を食べずに浜松宿を去ることは、
市条例で禁じられております。

(浜松市大蒲町にて 10月10日16時11分)

白玉の 歯にしみとほる 秋の夜の     

     酒は静かに 飲むべかりけり (若山牧水)

どうして呑兵衛は、もっきりが好きなんだろう。
なみなみとグラスにつがれた酒が枡にこぼれる。
グラスに、すぼめた口をつけて啜る。
枡にこぼれた酒をグラスに戻して
ちびちびと飲む。
この、一連のしみったれ感が、たまらん。

(浜松市田町の居酒屋「六文銭」にて 10月10日18時37分)
出てくるもの全部うまかったです
(浜松市田町の居酒屋「六文銭」にて 10月10日18時27分)
貼ってある標語の、特に最後の2行に学びがありました
(浜松市田町の居酒屋「六文銭」にて 10月10日18時37分)

餃子愛が半端じゃない! 浜松宿の夜。

ほろ酔い気分で町なかをブラブラしていたら、
とんでもないヒーローを見つけた。
「空を見ろ!」「鳥だ!」「飛行機!」
「いや、餃子マンだ!」
そうです。浜松宿の平和を守る餃子マンです。
その正体は、ふだんはここ、
「大衆酒場GYO the MAN」に勤める
サラリーマンなのです。

「ぼくの頭は餃子。食べてごらん」
「カイゼル髭もお洒落でしょ」と餃子マン
(浜松市田町の「大衆酒場GYO the MAN」前にて 10月10日20時9分)
(浜松市田町の「大衆酒場GYO the MAN」前にて 10月10日20時9分)

「今日はアタシ、男餃子にするわ」と、浜子は言った。

上の写真。
「餃子男」と書いて「餃子マン」と読ませる。
やるなあ。熱いなあ。
店内の表札「男餃子」には、ニラやニンニクが
たっぷり入っている。
一方「女餃子」はニンニク抜きだそうな。

「おれ、警察官になろうかな」と、浜男は言った。

下の写真。
交番に「警察官募集」の貼り紙。
JR浜松駅構内で朝ごはんの後、撮った。
浜松中央署の署員には
書道の達人がいる、と見た。
水茎の跡麗しく警察官を募集されると、
美人さんのいる職場かな、応募しようかなと
50年昔にかえったぼくは、一瞬、不埒な気分になる。

(JR浜松駅前交番前にて 10月11日7時46分)
ほとんど顧みられることのないだろう尋ね人の案内だけど
一枚一枚にそれぞれの一生が滲んでいる
(JR浜松駅前交番前にて 10月11日7時47分)

角打ちはやってないだろうな。ゼッタイ。

浜松宿から見付宿(磐田市)に来た。
歴史の重みと、ただならぬクオリティを
訴えかけてくるロゴマークを見付けた。
1877年、明治初年の創業というと
150年近く前だ。
見付宿で通りすぎた酒屋「大橋商店」。

(磐田市見付にて 10月11日14時1分)
見付宿から袋井宿への道中でこんな石像を見つけた・・・
(袋井市木原の遠州トラック本社にて 10月11日15時22分)

挨拶がハキハキできる子どもたちがいる町は、いいなあ。

見付宿を出て袋井宿にさしかかった。
京都からも江戸からも27番目の宿場。
五拾三次のちょうどどまん中。

だから袋井市は「東海道どまん中の町」をアピールしている。
学校正門の銘板にも、観光案内所の看板にも
そう大書してある。

でも、どまん中なのは、地理的なだけじゃない。
下校時にすれ違う小学生たちが
「こんにちは」と、とても明るく気持ちよく
挨拶してくれる。
ぼくの心のどまん中をあたたかく浸してくれる。
すれ違うぼくも負けずに
「こんにちは」を返す。
ありがとう。

袋井市立袋井西小学校のみなさんに、(心の中で心から)
「挨拶が気持ちいい子どもたちの町・どまん中大賞」を贈ります!

(袋井市川井の袋井西小学校前にて 10月11日15時51分)

歩くのは、思いがけないサービスに出くわすため、ってか?

あまた他のビジネスホテルには申し訳ないが、
「くれたけイン」のウエルカムサービスは
半端ない。
チェックインしたのは「くれたけイン磐田」。
カレーライスも酒類も
セルフでいただける。
ちょっとしたおつまみもある。

物価高騰の折、庶民には
嬉しいじゃないか!
太っ腹じゃないか!
タダだから、よけいに旨い。
ただし、一杯限り、お代わり禁止。
なのに、こっそりおかわりしてしまった。。。
(反省も後悔もせず)

サービスもどまん中!
確信を持って、くれたけインには
「ベスト・ウエルカム・サービス大賞」贈呈だ。

(磐田市中泉の「くれたけイン磐田」にて 10月11日18時36分)
くれけケイン磐田の朝バイキング
よそより鮭が2㎜は厚いな、ゼッタイ!
(磐田市中泉の「くれたけイン磐田」にて 10月12日8時7分)


袋井宿から掛川宿へ向かう道中、
この写真の観光案内所
その名も「どまん中茶屋」に立ち寄りました。
ボランティアで詰めておられる女性に
熱いお茶でもてなしていただきました。
「袋井の小学生の挨拶はすばらしいですね」と言ったら
「大人になるとねえ・・」とポツリ。
我もまた然り。。

(袋井市袋井の観光案内所「どまん中茶屋」にて 10月12日10時48分)
袋井宿はずれの松並木も見事でした
(袋井市国本にて 10月12日11時14分)
袋井宿から掛川宿への道中の松並木
ここも見応え、歩き応えがありました
(袋井市国本にて 10月12日12時3分)

努力は人を裏切らない、とは言うけれど。

掛川宿に入るあたり、
「少しがんばって生きていこう」。
こう呼び掛ける標語を、民家の玄関先に見つけました。
生きているだけでいいんだよ。
と、背中をさするようなひと言。

がんばるか、がんばらないか。
いやまて。
あいだを取って、少しだけがんばるか。
さてどうしよう。
立ち止まって考えてみるか。

(掛川市二瀬川の民家軒先にて 10月12日15時11分)

以上、第4話は、舞坂宿〜掛川宿間、2泊3日の旅でした。

(延べ9泊23日)

三か月ぶりの街道歩きでしたが
秋の東海道、滑り出しは、天候にも恵まれ快調でした。
次回第5話は、延々と東西に長い静岡県の
中央部を歩きます。

第4話。10月10日〜10月12日(3日間)の行程

第5話は、2025年1月25日土曜日公開予定です。
以下、11話まで各話一週間ごとに公開します。


いいなと思ったら応援しよう!