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記録から記憶に残る写真へ:レタッチのすすめ

写真を撮るだけではなく、レタッチを施すことで写真が「記録」から「記憶」に残るものへと変わります。今回は、エゾユキウサギを撮影した一連の写真を例に、レタッチの流れとポイントについて紹介します。


RAW撮影とLightroomでのレタッチ

まず、レタッチの基礎となるのがRAW撮影です。RAWデータは画像情報を多く保持しているため、後で露光量や色合いを調整しても画質の劣化が少ないという利点があります。RAWの種類も各カメラメーカーなどで少しの差はありますが、ここは、大枠のRAWとして進めます。
私はAdobeのLightroomを使用して、RAW画像のレタッチを行い、ただの「記録としての写真」を「記憶に残る写真」に仕上げています。

撮影時の設定と暗めの写真

道東で撮ったエゾユキウサギ(撮って出し)

エゾユキウサギのように素早く動く被写体を撮るには、シャッタースピードを高く設定する必要があります。そのため、撮って出しの写真は暗めの露出になっていますが、これは被写体ブレを防ぐための設定です。ここから、Lightroomを使って徐々に調整を加えていきます。

基本的な露光とシャドウの調整

明るさなどを少し修正するだけで綺麗な色合いに

次に、写真の露光量やシャドウ、ハイライトを調整して、ウサギの姿がしっかりと見えるようにしました。暗くなりすぎていた部分を明るくし、背景とウサギのバランスが取れるように、ディテールがきれいに映るように意識しています。これだけでも、元の写真からずいぶん印象が変わります。

トリミングと角度調整

画角を整え、色を鮮やかに

ここで、ウサギをよりクローズアップして印象的に見せるため、トリミングと角度調整を施しました。構図を整え、余計な背景をカットすることで、ウサギが引き立つ写真に変わります。一度はこの形で「完成」として保存しましたが、レタッチはここで終わりではありません。

さらなる色合いやディテールの調整

細か〜い修正をしています

レタッチの面白いところは、時間を置いて見返したり、他の人の写真を見てインスピレーションを得たりすることで、「さらに良い写真に見える!」と感じるポイントが生まれることです。最終的には上記写真のように、色合いやウサギの毛並みのディテールをさらに調整し、写真全体のバランスを整えました。
もしかすると3枚目の方が良いと思う方もいるでしょう。私は、1xと言うスウェーデンの審査制写真サイトで世界中から集まる写真を見て、日本のSNSで飛び交うカラフルでふわふわの写真より、落ち着いた色合いを好むようになりました。このレタッチで1xでの審査通過も一気に増えました。
こんな違いも楽しめるようになりました。
参考に私の1xのリンクも貼っておきます。

レタッチの醍醐味と注意点

レタッチによって写真にオリジナリティーや自分らしさを出すことができるのが大きな魅力です。しかし、過度なレタッチは写真自体を不自然にしてしまい、逆効果になることもあります。適度に加減をしながら、写真が持つ本来の魅力を引き出すことを意識しましょう。

写真のレタッチは、撮影後のもうひとつの「創作活動」として楽しむことができます。ぜひ、皆さんも自分の写真をレタッチして、記録を「記憶」に残る作品へと変えてみてください!

写真撮影方法やレタッチの方法などお気軽にご質問ください!
また、写真教室なども行いますのでぜひご連絡ください。


作者について

私のポートフォリオサイトでも過去の作品を公開しています。写真に興味のある方は、ぜひチェックしてみてください。

また、「世界一厳格な写真投稿サイト」と言われる1x.comのサイトにも撮影した写真が多数掲載されています。よかったら覗いてみてください。

そして、自己紹介記事もNoteに投稿していますので、私の活動やこれまでの経歴にも興味があればそちらもお読みいただけたら、そして、よかったら「スキ」していただけると嬉しいです!!


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Photographer Go Nagai
撮影機材や旅先での経験、ちょっとした裏話までシェアしています。カメラの設定や撮影テクニック、風景写真のコツなど、写真をもっと楽しんでもらえる内容をお届け中です!サポートしていただけると、さらに深いエピソードやここだけの情報もお届けできるので、ぜひ応援をよろしくお願いします!

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