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GUNNA初期キャリアからスニッチ疑惑、完全復帰までの軌跡

Gunnaことセルジオキッチン

柔らかく優しい声と聞き心地の良いスムーズフローでアメリカ国内のみならずヨーロッパや世界中にファンベースを獲得しているGunna。
幼少期からスニッチ疑惑を振り切り復活までの軌跡を解説していきます。

幼少期

1993年ジョージア州アトランタカレッチパークに5人兄弟末っ子として生まれました。
ごく普通の家庭環境で育ったGunnaは、14歳ぐらいからすでに地元ではオシャレで有名でした。洋服屋でアルバイトしていてこともあってファッションが大好きでした。カルティエの時計やrick owens、PRADAのパンツなど流行を作ってきたGunna。
現在ではHIPHOP業界だけでなく、ファッション業界でも影響力のあるファッションアイコンの1人です。

しかし、アトランタではストリートライフから逃れることは難しく2011年にはドラック関連で起訴されました。14歳くらいから趣味程度にラップを始め、大学に進学するも中退し本格的にラップし始めました。

Young Thugとの出会いYSL

Gunnaは共通の知人を通してYoung Thugと出会い、2016年にYoung Thug,Travis Scott,Gucci Mane 早々たるメンバーと「FLOYD MAYWEATHER」に参加。当時無名だったGunnaでしたが、Young Thugのファン達で話題となり少しずつ知名度を広げていきました。その後Young ThugのレーベルYSLと契約。2018年3枚目のミックステープ「Drip Season3」以降は常にアトランタのみならずHIPHOPシーンの中心として活躍していきLil baby とのディオはアトランタを代表するアーティストとなり世界的なヒットを連発していきました。

Lil babyについての記事もありますので是非ご覧ください。

Drip Season3

本格的に活動し始めてからコンスタントにミックステープを発表していき2018年に3枚目のミックステープ「Drip Season3」を発表。

Drip Season3


この印象的なジャケ写は日本でも話題になりました。
そしてこのアルバムの客演には、当時勢いのあった若手Lil Uzi Vert,Lil Durk, NAV が参加しビートメイカーにMetro Boomin, Turbo など豪華なミックステープとなりました。
「Drip Season3」の代表曲、Oh Okay (feat, Young Thug&Lil baby)

Gunnaと同じメロディーラインをYoung ThugとLil baby繰り返すとても心地よい楽曲でこれぞGunnaといった印象を受けます。

1st アルバム「Drip or Drown2」

1st アルバム「Drip or Drown2」

3枚のミックステープを発表し確実にファンベースを築き待望の1st アルバム「Drip or Drown2」をリリース。客演はYoung ThugとLil babyに加えPlayboi Carti のみとデビュー作としてGunna自身をアピールしていきました。
プロデューサーもWheezy,Turboによるものがほとんどでコンパクトに仕上げ、自身のブランディングに徹しています。またこのアルバムからWheezy,Turboという最強コンビがメインストリーム浸透していきました。


ミックステープやアルバムタイトルにも使われる「Drip」とはGunnaがよく使うスラングで、"水が垂れる"つまり、iceが垂れるほど身につけていたり水が滴るなどとにかくイケてるというスラングで、ラップーがよく使うスラングとなりました。

2ndアルバム「WUNNA」

「Drip or Drown2」リリースから約1年後に2ndアルバム「WUNNA」をリリース。自身初の全米アルバムチャートの1位を獲得。

「WUNNA」はWealthy Unapologetic Ni*gga Naturally Authentic(金持ちの悪びれもしないニガー、生まれながらのホンモノ)の頭文字もとってつけられました。

「WUNNA」のリード曲ARGENTINAはGunnaの優しい歌声とスムーズなフロー。THE GUNNA。

アルバムのタイトル曲である「WUNNA」

髪色が変わり、フローやスタイルがさらに洗練されたGunnaが表現されています。これを当時聞いたとき今後の活躍がさらに楽しみになりました。日本でもかなり話題になりGunnaっぽいファッションの人をよく見かけるようになりました。

リリースから約2ヶ月後にはdeluxe版をリリースと驚異的なスピードでこの年のHIPHOPを牽引していきました。この年のHIPHOPはアトランタとGunnaなしでは語れません。

DS4Ever

2022年1月3枚目のアルバム「DS4Ever」をリリース。前作に続き全米アルバムチャートの首位を獲得しました。

ミックステープ「Drip Season3」の続編でDrip Season4として最後のシリーズとなり客演にはFuture、Young Thug、21 Savage、Drake、Kodak Black、Chlöe、Lil Baby、G Herbo、Nechie、Chris Brown、Yung Bleu、Roddy Ricchと濃いアルバムとなりました。

「DS4Ever」の収録曲「pushin P」がかなり話題となりました。

このが曲がリリースされた当時は”pushin P"というフレーズを口癖のように呟いていました。またSNSでも”pushin P","P",の文字が大流行し「Drip」に続き「pushin P」がスラングとして使われるようになりました。
Pは「プレイヤー」や「paper」(お金)を意味し、イケてる人気者、行動してお金を稼ぐ人というニュアンスがあります。
メインストリームど真ん中を走り、「DS4Ever」をリリースしラップ界のトップに上り詰めたGunnaですが、事態は一転。
Gunna はYoung Thugとともに人生のどん底に叩き落されます。

スニッチ疑惑

2022年5月レコードレーベルであるはずのYSLは警察の主張によるとその裏の顔は犯罪組織ギャングチーム。YSLのメンバー28人はRICO法に反しているとされ収監されました。RICO法とはギャングチームを取り締まる法律です。

監修され半年が過ぎた2022年12月Gunnaは懲役5年のはずが、司法取引に応じ執行猶予4年と減刑され釈放されました。仲間を売る行為がNGとされるストリート界と密接にあるHIPHOP界でもこのGunnaのスニッチはかなりのバッシングをくらいました。
その後メンバーの数人も司法取引に応じ釈放。しかしリーダーのYoung Thugらは未だに裁判を受け続けジョージア州で最長の裁判を更新し続けています。

Gunnaは釈放された当時強烈な向かい風を受けて、相方のlilbabyからInstagramのフォローを外され、lildurkは「口を閉じるべきだった」と語り。
地元アトランタのクラブでGunnaの曲がかかると静まり返る様子などが拡散されました。
ですが、司法取引に応じた事によってYoung Thugら YSLが不利になることはないという。実際この行為がスニッチに当たるかどうかは未だ解明されておらず、YSL裁判資金調達の為司法取引に応じたとも噂されています。

「Bread and Butter」とアルバム『A Gift & A Curse』リリース

釈放後初のシングル「Bread and Butter」をリリース。この曲のリリックでGunnaはスニッチ疑惑を否定しています。

Never fucked a nigga, always stayed solid Kept it real with niggas, never lied and always stay honest Love my bro so much
(一度も裏切ったことはなく、常に仲間を大切にしてきた 仲間に対しては本気で接してきたし、嘘をついたこともなく、いつも正直だった 兄弟をすごく愛している)

Never gave no statement or agree to take no stand on 'em
(俺はなにも話してない、仲間に対して無関係であると同意したことない)

そして、釈放後初のアルバムは『A Gift & A Curse』はApple Musicのアルバムランキングでは1位を獲得。

A Gift & A Curse

このアルバムは全15曲フューチャリングゲストなしで構成されGunnaは1人スニッチ疑惑と戦い抜く覚悟の表れがみえます。

「back to the moon」のMVでは以前より絞り切った肉体で登場するGunna。

「rodeo dr」はこのアルバムの中で個人的に1番好きな曲で、とにかくオシャレ。rick owensのパンツがとても似合っていてスタイリッシュな雰囲気がとても好みです。ファッションだけでなくサウンドも落ち着いていて夕方散歩しながら聴くと気持ちいいです。

Gunnaに対する風当たりも落ち着いてきました。そして2024年5月からアメリカ国内16ヶ所を回るツアーを行いました。そしてツアーファイナルとなる6月11日地元アトランタで復帰後初のライブを行いました。


最新アルバム「ONE OF WUN」と地元アトランタ超満員ライブ

アメリカツアー中の5月10日に5枚目のアルバム「ONE OF WUN」をリリース。今作ではRoddy Ricch、Offset、Normani、Leon Bridgesがフューチャリングゲストとして参加。offestの参加によりアトランタ内でも徐々に風向きが変わっていきました。

アルバムのリード曲「whatsapp」では、過去の成功と現在の変化そして再びの成功について歌い、さらなる挑戦への覚悟が見られます。

そして、地元アトランタでの復帰ライブを行いました。このLive後には自身のインスタグラムで"Bac n Tha A"とアトランタに戻ってきた事を表し、超満員の映像をPost。
復帰後初のアトランタでのライブは大成功となりました。

"Bac n Tha A"

まとめ

無名からYoung Thugのフックアップによりメインストリームへ一気に駆け上がったGunna。スニッチ疑惑により低迷していたキャリアを一気に上向きに取り戻しこれから更なる活躍が期待されています。

スニッチをしたかどうかよりGunnaを聴くことがダサいかどうかをSNSは気にしすぎだと感じます。
Gunnaの楽曲は素晴らしくアトランタのみならずHIPHOPシーンを牽引していく彼を邪魔するSNSのレッテル。このレッテルは少しずつ剥がれてきた今、今年7月よりインターナショナルでツアーを開催し10月27日には再びアトランタでのライブが予定されています。

数年後にまたYoung Thugや lilbabyとともに活躍していく姿を願っています。

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