【婚活道】①ゴリオ

〜出会った男シリーズ〜
KY消防士ゴリオ君の話

彼とはたしかペアーズで出会ったという記憶。
アプリの写真は消防士らしくゴリラ系で歳は同い年。
アプリでの印象がゴリラだったのでゴリオ君ということにする。
マッチングして早々、ゴリオの身長も顔もまあ悪くないということで会ってみることにした。
アプリ特有の当たり障りのないメッセージのやり取りをするのが面倒なので、とりあえず会ってどんな人かチェックすることに。
私の行きつけの渋谷の飲み屋で合流することになった。
待ち合わせ場所に到着すると、なんかそれっぽい人がいる。
雰囲気なんか違うけど、多分ゴリオだ。
うーん、　アプリの写真と違う…
ゴリラ系マッチョだと思っていたのに、チンパンジー系マッチョ。
それから、白い先の尖った靴。
なんか、嫌な予感…と思いつつ、話したこともない人を見た目で決めつけるのはよくないのでとりあえず様子を見ることに。
ゴリオにそれとなく声をかけると、100パーセントの声量で
「あっっっ！！！きゃりーさんですか！！！初めましてえええぇ！！！」
でっ、、、、、、でかいんだよ。
声がでかすぎるし、元気すぎる。
頼むから渋谷の駅でそんなに目立つことしないでおくれ…と思いながら、私の行きつけの居酒屋へ行くことに。

私の行きつけのお店は大衆居酒屋みたいなところで、仕事帰りによく職場の人と飲みに行っていたところだ。

職場が近い時はしょっちゅう行っていたので、お店のマスターが私の名前と顔を覚えてくれて、より一層愛着があるお店だった。
お店ののれんをくぐると、「お！きゃりーちゃん、いらっしゃい！」とマスターが声を掛けてくれた。

結構久々に行ったけどマスターは覚えてくれていて嬉しかった。
席に着いてお酒を注文すると、ゴリオは何を思ったか「はじめまして、きゃりーちゃんとはマッチングアプリで出会いました！！」とまた100パーセントの声量で、謎のカミングアウト自己紹介を始めた。

行きつけの店で、仲良しのマスターにいきなりマッチングアプリで出会ったとでかい声で言われ、恥ずかしすぎて、私はすぐにこの場から消えたくなった。
マスターは私の気持ちを察してくれて、
「きゃりーちゃんは、めちゃくちゃ可愛いし良い子だからよろしくね！」
とKYゴリオに言ってくれた。
私は「やっちまった・・・・。」みたいなしてたんだと思う。

しばらく、飲み食いして、ゴリオの話を聞いていたが、顔から火が出るほどの辱めを受けたので、この時ゴリオが話した内容なんて全然覚えていない。
唯一覚えていたのは、三兄弟で仲が悪いことだけ。
家族仲が悪いのはよろしくないな〜と思っていた記憶。

私がトイレで席を立った時にマスターが、そっと来てくれて、
「きゃりーちゃん、あいつ（だめだめ！）」
と人差し指でばってんをつくってジェスチャーしながら私に警告をしてくれた。

私も分かっております…と思いつつ、マスターも端から見ていてダメだと思うくらいの男だったということで、ゴリオとはその後連絡が来ても会うことは無かったのでした。

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