10.7のハマスのテロを支持しちゃってる人々に向けて ~ファッキンイスラエルのサヨクとして思うこと~



1.いまだに続くジェノサイド

 殺人鬼集団イスラエル国防軍(以降:IDF)によるパレスチナ自治区ガザでのジェノサイドが始まって間もなく1年が経つ。この吸血鬼野郎どもはガザのみでは飽き足らずレバノンまで攻撃し始め、更には戦線をイランにまで広げようとしてやがる。いや、この記事を公開するころにはイランでも虐殺の限りが繰り広げられているかもしれない。他にもテロ組織モサドによるものと思われる、ヒズボラ構成員を狙った卑劣な爆弾テロもあった。殺人鬼集団IDFとテロ組織モサドを抱えるイスラエルはもはや「テロ国家」と呼ぶにふさわしい。
 しかし、おれがこの文章でメインとして扱うのはこのテロ国家によるパレスチナの人々や周辺国家に対する悪行三昧のことではない。むしろこのジェノサイドのきっかけとなった、レジスタンス組織ハマスの主導による2023年10月7日のイスラエルに対する大規模越境奇襲攻撃に対してだ。

2.これはあくまでテロである

 2023年10月7日の午前6時半ごろパレスチナ自治区ガザからイスラエル領内へ多数のロケットが撃ち込まれ、それと前後してレジスタン組織ハマスが率いるパレスチナ武装集団がイスラエル領内へ侵入。この攻撃により、イスラエル側では約1,200人が死亡。そのうち815人が一般市民とされている。そして、イスラエル側の治安部隊員を含む251人がガザ地区に連行された。
 この「誰」が「何」をされたかを鑑みるにこの攻撃は「一般人を狙った卑劣なテロ」と結論付けざるを得ない。
 ああ、わかってるさ。この「テロ」の背後にはイスラエルによる度重なるパレスチナへの抑圧の歴史があるってことは。京都大学の岡真理名誉教授の著書「ガザとは何か~パレスチナを知るための緊急講義~」では鬼畜外道国家イスラエルのパレスチナに対する悪行三昧の一端が語られている。
 だからと言って一般人を殺したり、さらったりレイプまがいの行為に及ぶのは許されることじゃないだろう。この「テロ」に対する非難も、イスラエルの過去の抑圧や現在進行形で行われているガザ・ジェノサイドに対する非難も矛盾なく両立するはずだ。
 だが、このことをわきまえずハマスの「テロ」に対する非難をイスラエルの悪行三昧への擁護と短絡的に結びつけるバカ野郎が少数派ながらいる。それも普段は「反戦」や「反差別」、「人権擁護」や「憲法9条擁護」を高らかに叫ぶ側にな!
 そのバカ野郎の名は「中核派」と「日本労働党」だ。で、奴らへの簡単な批判を展開する前におれの思想的立場を明らかにしておく。

3.おれのスタンスはあくまで「ファッキンイスラエル」

 おれは副題にもある通り、「ファッキンイスラエル」のサヨクだ。そして「ファッキンUSA」で「ファッキンロシア」、「ファッキン帝国主義」、「ファッキン資本主義」、ついでに「ファッキン自民公明」で日本国憲法第9条の崇拝者でもある。
 そう、この文章で批判の俎上となる「中核派」と「日本労働党」とは基本的には同じイデオロギーの持ち主だ。

4.ハマスのテロに正義を見出しちゃってる残念な人達

その1 日本労働党

 まずはこいつらから。この団体の詳細は省くが、まぁ「日本共産党が右派政党に見えるレベルの極左」と考えておけば間違いはないだろう。
 彼らは自らが発行する機関誌「労働新聞」で「イスラエル・ネタニヤフ政権こそ衝突の元凶 パレスチナの反撃はまったく正当だ」と題する記事(http://japanlabor.party/syasetu/231015a.html )でこう書いている。

”ハマスは今回の攻撃について声明で、「イスラエルによるパレスチナ人への犯罪に対抗するため、戦略的決断を迫られた」などと主張しているが、これはまったく正当なものであり、道理がある。”

 わぉ。たまたま襲撃地点に居合わせただけの一般市民への攻撃を「犯罪に対抗するためのやむない処置」とか言っちゃいますか。「国際人道法」って知ってますか、あんたら?「国際人道法」って内容は乱暴に言っちまうと、要は「一般市民を攻撃すんな」ってことなんだけど、今回のハマスの攻撃はそれに違反してるって随所から指摘されている。そいつを無視するその神経には共感できんわぁ。
 そしてこの人たち、「戦い『そのもの』の正当性」と「戦い『方』の正当性」を(恐らくは意図的に)ごっちゃにしちまってる。そりゃパレスチナにはイスラエルの占領に抵抗する権利がある(国際法的にも認められてたはず。勘違いだったらごめん)が、だからと言って何をしても許されるわけじゃないだろう。
 でも、この人達はまだマシな方かもな。彼らがハマスのテロを支持する言説は出したが、それだけなんだから。おれが問題視するのはこの後の中核派の方なんだ。

その2 中核派

 この団体を一言でいうと「日本共産党が親米右翼政党に見えるレベルの極左」ってところか。この「SNSが登場する以前からエコーチェンバーに飲み込まれていた」ような連中の書くことはもっとひどい。ここではその一例として機関誌「前進」の「民族解放に敵対する共産党 「イスラエルの生存権」擁護」と題するこいつ(http://www.zenshin.org/zh/f-kiji/2024/09/f33640303.html)を挙げよう。

”日本共産党はパレスチナ人民の民族解放の闘いに一貫して敵対してきた。昨年10月10日の志位和夫委員長(当時)の談話は「ハマスの無差別攻撃と民間人の連行は、国際人道法の明白な違反であり、いかなる理由があっても決して許されず、強く非難する」と述べ、パレスチナ人民の民族解放・革命戦争に真っ向から敵対した。”

 だとよ。うへぇ。記事のタイトルからしてイカれてやがるが、ハマスのテロが「国際人道法違反」だと指摘しただけで、パレスチナの敵扱いかよ。短絡的にもほどがあるでしょ。

”このイスラエルに対する抵抗の闘いは圧倒的に正義であり、全世界の人民が連帯しなければならない闘いである。志位は「いかなる理由があっても……」と言うが、パレスチナ人民が何万人殺されようと、何十年抑圧が続こうと、武器を取ってイスラエルと戦ってはならない、黙って服従せよと言っているに等しい。”

 開いた口がふさがらん。助けてくれ。イスラエル万歳の人々が時折口にする「イスラエルは黙って殺されろというのか!」みてぇな物言いと同じじゃん。自分たちの不法行為を咎められたら即座に「反ユダヤ」のレッテル張りをしてくるイスラエルと同じマインドになっちまってる。
 日本労働党が(あくまでおれが確認できた範囲で、だが)ハマスのテロの支持の表明に終始してるのに対し、中核派はその批判者(というか日本共産党に対してだが。彼らは日本共産党と敵対関係にある)を「パレスチナの敵」とレッテルを貼って攻撃してるからより質が悪い。

ハマスのテロを支持しちゃってる言説の問題点

この2団体の、とりわけ中核派のこういう物言いにはいくつか問題点が見出だせる。

  1. 人種差別的である

  2. イスラエル的である

  3. 「目的の正しさ」と「手段の正しさ」の混同である

  4. 国際法軽視である

  5. 陣営主義である

  6. 信念、理念の放棄である

  7. 国家と個人の同一視である

  8. つかおめぇら、実はアメリカ好きだろ

ってところか。この一つ一つを解説しようとすると、ただでさえまとまりのないこの文章がクソ長くなってしまうので、今回は列挙に止めておく。詳細は次の機会(そんな根性がおれにあればの話だが)に譲るとしよう。

5.何故ファッキンハマスなのか

国際人権NGOのレポート

 おれが決定的なファッキンハマスになった契機は国際人権NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ(以下:HRW)」が出したこのレポートを読んでからだ。

10月7日のハマスらによる人道に対する罪と戦争犯罪(https://www.hrw.org/ja/news/2024/07/17/october-7-crimes-against-humanity-war-crimes-hamas-led-groups )

 ここにはハマスの軍事部門であるカッサム旅団を始めとするパレスチナ武装集団が起こした戦争犯罪の数々が語られている。
 おれがハマスの奇襲攻撃「アル・アクサの洪水」を「一般人を狙った卑劣なテロ」と結論付けたのもこのレポートに出会ったからだ。

HRWもパレスチナの敵なのか?

 中核派はハマスの攻撃が国際人道法違反にあたるという日本共産党の指摘を、「パレスチナ人民の戦いに対する敵対」と見なすが、その理屈で行くとHRWのこのレポートも「パレスチナへの敵対」ということになっちまうけど、それでいいの?
 つか、ハマスの攻撃を国際人道法違反だって言ってる団体、無数にあるぞ?国連とか、アムネスティ、ヒューマン・ライツ・ナウetc…
 いや、それ以前に国際人道法がパレスチナの敵、という話になっちまうんですけど。

「一方の残虐行為が、もう一方による残虐行為を正当化しない」

こいつはHRWのアイダ・ソーヤー危機・紛争局長の言葉だ。このレポートに書いてある。パレスチナにもイスラエルにも当てはまる原則だ。日本共産党や国連、人権NGOはこの原則を適用してるに過ぎない。
 「対立する一方の不法行為に対する指摘=もう一方の不法行為を免罪」と短絡的に結びつける中核派の方が間違っているのだ。

6.「ノアがいない私たちの家は大きすぎます」

 10月7日のハマスの攻撃の対象の1つとなった音楽フェスに参加していて、ハマスに攫われたノア・アルガマニさんの父、ヤコブさんの言葉だ。
 共に暮らしていた1人娘が突然いなくなり、妻リオラさん(末期の脳腫瘍に冒され、死が間近に迫っていた)と2人残された彼の心情がよく表れている。
 「BRING THEM HOME ノア・アルガマニの物語」という漫画(https://www.tanamako.com/portfolio-collections/my-portfolio/bring-them-home-%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%AB%E3%82%99%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%81%AE%E7%89%A9%E8%AA%9E )の中で出てきている。
 おおっと、わかってるぜ。こいつがイスラエルのプロパガンダコミックだってことは。なにせこの漫画は駐日イスラエル大使館で行われた式典で来賓者に配られた代物だ。しかもイスラエル政府が制作をめちゃくちゃバックアップしてる。そもそもこの漫画の作者である田中マコトさん自身、ガチのイスラエル万歳の人だからな。
 この漫画自体はハマスに対する悪口はほとんどなく、ヤコブさんにとっていかにノアさんが大切か、そして妻のリオラさんには時間があまり残されていないという切実な状況をメインに描いている。まあ、だからこそ巧妙なプロパガンダとも言えるわけだが。
 しかしそれとは別に、この漫画の中で描かれている、アルガマニ夫妻の1人娘に対する深い愛情や一刻も早く会いたいという切実な思いにウソ偽りはないだろう。
 その後、ノアさんは他の3人の人質と共に救い出され(ガザのたくさんの罪なき人々の死を伴ったがな!)両親との再会を果たす。
 こうしてアルガマニ一家はそのあるべき家屋の大きさを取り戻すが、それも長くは続かない。
 程なくして今度は妻リオラさんが死を迎え、彼らはまた「大きすぎる家」で暮らすことを余儀なくされてしまった。
 リオラさんが死の間際に娘と再会できたこと自体はよかった。しかし、ハマス率いるパレスチナ武装勢力がノアさんを攫われなければ、リオラさんは晩年を娘ともっと長く過ごせたのだ。ノアさんも母の死に備える時間を持つことができたのだ。ヤコブさんは妻や娘と共に「ちょうどいい大きさの家」のまま、それを意識せずに妻の死を受け入れることが出来たのだ。

"ノアはあなたであり
あなたの家族だ
そしてあなたの友人でもあり
あなたの恋人でもある"
 前述の「ノア・アルガマニの物語」の最後のページに描いてある言葉だ。ハマス達パレスチナ武装勢力はあの時、この沢山の「あなた」を奪った。
 おれはファッキンイスラエルのサヨクとしてハマスを嫌悪する。

7.イスラエル万歳の人達へ

ハマスのテロの支持する人なんてほとんどいないよ?

 不出来な文章ながらハマスや奴らが起こしたテロを支持する人々を叩いてきたが、実際のところ奴らを支持する人なんて少数派に過ぎないのが実態だ。多分イスラエルを万歳する人より遥かに少ないだろう。おれがこの文章で日本労働党や中核派しか取り上げなかったのも、別に彼らを特別嫌悪してるからじゃなくて、あんなあからさまなテロ擁護の文章があれぐらいしか見つけられなかったからだ。
 ハマスのテロに対する賛否を曖昧にして、その背景にあるイスラエルの抑圧に対する批判を展開する文章にはそこそこ出会ったが、おれはその手のものを「ハマスのテロへの擁護」としては扱わない。それは拡大解釈になりかねないからね。
 旧ツイッターことXでは出会える可能性はあるだろうが、あれは文章とはいえない代物だからなぁ。まぁ、知名度の高い人であれば取り上げる可能性はあるかも。
 いずれにせよ、イスラエルに批判的な人々の大半はハマスの10月7日のテロも非難してるはずだよ。

イスラエルに批判的な人も「ノア・アルガマニの物語」は読んでるよ?

 おれはこの漫画、10回くらいは読み返したよ。おれに限らず、イスラエルに批判的な人ほど結構読んでるもんだよ。
 そう、例えばあなた方が蛇蝎以上に嫌うあのエルサレムのフリー記者やTBSの記者、ミリタリー愛好家の彼とか恐らくおれなんかより遥かに多く読み返してるだろうね。
 案外、「ハマスの手先」に対する攻撃に夢中になってる人の方が読んでないものさ。

目の前の「ハマスの手先」は別の人からは「パレスチナの敵」扱いされてない?

 日本共産党なんかいい例だね。あなた方から見れば彼らは「ハマスの手先」になるんだろうが、中核派は「パレスチナの敵」とみなしているだろう?
 こんな話はよくあるもんだ。NHKとかある時は「ハマスの広報機関!」と呼ばれ、また別の日には「イスラエルのジェノサイドに加担するな!」なんて言われたりする。これが何を意味するのか少し冷静に考えた方がいいよ。

8.Bring Them Home Now and…

 前述の「ノア・アルガマニの物語」はこの言葉で締めくくられる。

"どうか耳を
かたむけて欲しい

彼らの声に

そして…
共に声を
あげて欲しい

Bring Them Home Now
彼らを今すぐ家に返せ と…"

 ああ、もちろんおれも声を上げるさ。ただし、ハマスに対してだけでなくイスラエルにも、だ。イスラエルはハマスの比ではないくらいパレスチナ人を拉致してるからな。

ハマスと、そしてネタニヤフへ

Bring Them Home Now!
彼らを今すぐ家に返せ!

そして

Stop gaza genocide!

後書きのようなもの

 ハマスのテロが起こった日には公開したくて大急ぎででっちあげたものの、何の計画性も方向性もなく書き始めたもんだから、めちゃくちゃな文章になっちまった。
 なので、ハマスのテロに関しては改めて自分なりにもう少しまとまりのいいのをリメイク的なものとして、書くつもり。今のところだけど。
 後、ここで槍玉に上げたハマスのテロを擁護する言説の問題点も深く掘り下げたのを書ければとも思ってる。
 そんじゃ、出来の悪い文章でしたが、こんなところまで読んでくれてありがとう御座いました。次に文章を上げることがありましたら、また読んでくださると幸いです。

2024年10月7日 俺様のツイート



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