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すべては本物になる ー 「十年一刷舎」のこと
noteにこの十年一刷舎というアカウントをオープンして、1週間が経ちました。
このアカウントの簡単なご紹介は以前にも書かせていただいたのですが、改めてもう一度、十年一刷舎のコンセプトや思いをもう少し丁寧に書かせていただきたくて、筆を(スマホを)とりました。
お付き合いくださると嬉しいです。
1.noteの街の片隅で
さて、改めましてこのたび、「十年一刷舎」というアカウントを新しく立ち上げました。
このアカウントのイメージは、手作りの工房。
この工房で作るものは、小説や音楽やエッセイや絵や、そんな形のないものたち。
自分たちが本当にいいと思うものだけ、長く大切にしていただけると思うものだけを、作る。
締切もなければノルマもなし、思うさま自由に、たっぷりと時間をかけて、好きなだけ作る。
作り手にとってはまさに夢のように居心地の良いそんな場所を、素晴らしいクリエイターのひしめく大好きなnoteの街の片隅に作りたい。
そんな思いで、小さな看板をひっそりとひとつ、からんとかけました。
2.作り手は、ふたり
先ほど「自分たちが」と書きましたが、この工房には今のところ、作り手が二人います。
Jagaと、さち。
Jagaは主に音楽と絵を、さちは主に文章を作ります。
◇ Jagaからのご挨拶
こんにちは、Jagaです。初めましての方、はじめまして。
幼少期から習ったクラッシックピアノをベースに曲作りをしています。ピアノコンクールで賞をいただいたりしながら、5年ほどギター片手にストリートミュージシャンをしていたこともあります。絵を描くことも好きです。音楽と絵と文章との間を自由に飛び回りながら、みなさんとやさしい世界を作っていきたいなと思ってます。
◇ さちからのご挨拶
本を読むことと、ものを書くことが好きです。
たくさんの優れた物語に、生きることを助けてもらってきました。
超インドアで、スポーツはてんでできません。
小説やエッセイのほか、読んだ本の感想や、ときどき音声配信などもしていきたいなと思っています。
昨年は第1回有吉佐和子文学賞に入賞させていただきました。
今年も少しずつ、文学賞に挑戦してみたいなと思っています。
3.十年一刷舎で作るもの
十年一刷舎の作品は、二人で一緒に作るものもあれば、別々に作るものもあります。
◇ 一緒に作るもの
十年一刷舎では、音楽と小説がセットになった作品づくりをしています。
「小説と音楽」というと、きっと誰もがまず思い浮かべるのが、yoasobiさん。
代表作のひとつ『夜に駆ける』や、直木賞作家4人とのコラボ作品『はじめての』など、素晴らしい作品がたくさん発表されています。
十年一刷舎ではどのように作り上げていくのか、詳しくは下記の記事をお読みいただけると嬉しいです。
音楽と小説が合わさるからこそ見ることのできる風景。
そういう風景を、お届けしたいと思っています。
◇ 別々に作るもの
小説にエッセイ、音楽に絵、音声配信。
十年一刷舎では、共に作るものだけではなく、こういったものをそれぞれがのびのびと、好きなように好きなだけ、作っていく予定です。
そうやって別々に作るものは、それぞれ別の色彩を帯びるはず。
根底に流れる価値観は同じでも、現れてくる表現は、きっとカラフル。
ここを訪れてくださる皆さまには、そんなカラフルな作品やコンテンツの中から、お好きなものを自由に味わっていただけたら嬉しいです。
どこを見たらいいのか迷ったら、どうぞこちらの案内図(サイトマップ)を参考にしてください。
いまはまだがらんとした、十年一刷舎の案内図。
十年一刷舎が進んでいくにつれ、これから少しずつ、増えていく予定です。
4.約束ごとはひとつだけ
締切もノルマもない十年一刷舎。
好きなものをのびのびと作る自由な工房ですが、ここにはたったひとつだけ、約束ごとがあります。
それは、「手触りのある作品をつくること」。
子どものころ思わず腕に抱いた道端の仔猫の毛の柔らかさと、てのひらに伝わってきたあたたかなあの震え。
繋ぎたくて伸ばした手をさりげなく振り払われた日の、体の芯がつめたくなるような寂しさ。
自分はこのままでいいんだと知った日の、体の奥から吹き上がるあたたかな風。
そういう形のないものの感触を、ありありと感じていただけるようなものを作っていく。
それがわたしたちの約束です。
5.すべては本物になる
村上春樹さんの長編小説『1Q84』の扉部分に、こんな文章があります。
ここは見世物の世界
何から何までつくりもの
でも私を信じてくれたなら
すべてが本物になる
It's a Barnum and Bailey world,
Just as phony as it can be,
But it wouldn't be make-believe
If you believed in me.
これは、“It's Only a Paper Moon”というジャズの歌詞の一部です。
タイトルの ”Paper Moon” というのは「紙の月」、つまりハリボテのこと。
ハリボテであっても、あなたが信じてくれるなら、すべては本物になる。
すべての創作は、つくりもの。
でも、受け取る人が信じてくださるのなら、それは本物になる。
それは魔法そのもので、すべての優れた作品はそういう魔法の力を持っていると、わたしたちは信じています。
十年一刷舎は、そんな魔法の場所にしたい。
ここを訪れてくださったかたに、想像の世界に浮かぶ月の輝きをありありと感じていただきたい。
そしてここを出ていくときに、現実の世界がこれまでよりほんの少し、優しく見えたらいい。
つくりものの世界の魔法は、そのとき初めて、本物になる。
そんな場所を目指して、十年一刷舎はスタートしました。
創作の魔法を信じるあなたが訪れてくださることを、心込めて、お待ちしています。
(文責:さち)