どうしたら自分のために生きれるの
夫は私にとって父であり母である。
私は夫を異常に大好きだと思う。
一言で言うと依存している。
最近は「授乳してよお」と床で駄々をこねることにハマっている。
夫がまあまあぽっちゃりなのも良くない。母性が出ている。
夫に「まったくしょうがないねえ」と笑われると何らかのホルモンが分泌されるのを感じる。私は犬の動画が好きで良く見るが、犬が撫でられているときの表情を見るに同じホルモンが出ているのではないかと思う。
私は結婚するまで「どうしたら生まれてきてしまった辛さから逃げられるのか」と考えていた。
なのでプロポーズされた時は驚いた。この人私と長く一緒にいて何かメリットあるのか…いやない(反語)と思ったが、嬉しいの感情が勝ってしまって受け入れた。
因みに夫からの私への唯一の結婚の条件は「今後死にたいって言わないこと」だった。
私にとってはなかなか難しいことだったが、最近は言わずに済んでいる。
今までいかに刹那的に生きてきたのかを思い知らされ、健康に無頓着で自分をすり減らすような仕事のやり方をしてきたことも反省した。
夫とおいしいもの食べたいから働く、旅行したいからお金貯める、たくさんいろんな話をしたいから勉強する。
生きるって楽しい!と思えるようになった。
ここまでは美談である。
ここで新たに大きな不安ができた。
夫が先にいなくなったら私に生きる価値がまたなくなってしまうと言うことだ。
私は友達がほぼいない。自分の考えを気負わずに話せる相手となると1人もいない。一番付き合いが長い友人でも年3回くらいしか連絡を取らないし、自分でもよく分からん気を遣うもので会うとドッと疲れてしまう。
実家の家族は基本皆善人だと思うし嫌いではないが、正直関わり方がわからない。
親が望んでいる私像を常に意識して会話をしている。
つまりどこでも嘘つきの私は唯一夫の前だけ素の私であり、生きている状態なのだ。
根性がねじくれた、意地悪な本当の私を認めてくれるのは夫だけのような気がしている。
この話を当の夫にして、「あなたが先にいなくなったら私は何をして生きたらいいのか途方に暮れる」と言ったら夫は「自分のために生きたらいいでしょ」とこともなく言った。
「私が先にいなくなった時何して過ごすの?生きられるの?」と訊いたところ、「そりゃ生きるよね。わからないけど、ゲームとかしてるんじゃない?」だそうだ。
夫よ、なぜそんなに地に足がついているんだ。
羨ましいしそこにしびれる憧れる。授乳して欲しい気持ちに拍車がかかるね。
しかし私も頭ではわかっているのだ。
いつか私も本当の意味で自立しなくてはならない。
さて、この文章を書きながら夫は家で好き勝手に振る舞っている私のことをどう思っているのか不安になっている。
特に今年になって夫がリモートワークで一緒にいる時間が増えたのをいいことに、私は死ぬほど甘え散らかしているのだ。
本当は嫌になりつつあるがこいつすぐ死にたくなるから言えねーな…とか、思っているのかもしれない。あり得ることだ。
数時間後には起きてくる夫に確認せねばならない。
また鼻で笑ってくれるといいけど。