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読みきかせ
息子の学級で、読みかせだった。
私自身が緊張して、「お話し折り紙」は、最初の麦わら帽子のくだりを飛ばしてしまった。『しってるねん』のアニマシオンは、二回目にお話しに出てくるお店を確認しながら読んだ後に、「花屋の名前は何だったでしょう?」と、子どもたちに聴くのを忘れてしまった。
息子の前で読みきかせをするのは、初めてだった。多くの子どもたちが、笑い声をこらえきれない中、息子は、笑っていいのか迷っているような微妙な表情だった。一番前に座っていた男の子が、屈託のない笑顔で、間を空けるたびに笑っていたのとは、対照的だった。息子に参観されているような、見守られているような、不思議な時間だった。
読みきかせは、子どもたちのリクエストに応える活動である。ただ、「ねえ、おもしろい本読んで!」という要求というより、「ねえ、何読むの?」という距離感を測るような、子どもからの問いかけだった。教室に入り子どもたちと向き合って感じたことである。読み手の働きかけに子どもが応答するという関係から、聴き手である子どもたちの働きかけに読み手が応答する関係にどう転換できるかが、自分自身に問われた。
読みきかせを通して成長するのは、親の方である。子どもたちにとっても、読みきかせはいろいろな人に読んでもらう体験だという意味にとどまらない、子どもたちにとって読書活動とは何かを考える機会となった。