#6 AI活用「まずは使ってみよう」3
こんにちは。前回は朝礼テーマや内容をChatGPTに考えてもらうために、より自分の意図に合う回答をしてもらえるように、ChatGPTの「役割」を設定してみました。ChatGPTは莫大なデータを学習しているため、しっかりと回答に向けての方向性を固めてあげないと、的外れな回答が出てきてしまい「なんだこれ、役に立たないな」で使わなくなってしまうケースもよく耳にします。
一方で、回答の方向性を上手く制御できるようになれば、より強い、有難い味方になってくれます。今回は、効果的な役割設定をどのように考えればよいかの基本をお伝えできればと思います。
ChatGPTに役割を設定することとは
1. 対話の焦点が明確になる
役割を設定することで、ChatGPTがどのような視点や立場で応答すべきかが明確になります。例えば、スタートアップの参謀として役割を与えると、回答が企業経営、戦略、リーダーシップの観点から行われるようになります。これにより、汎用的な回答ではなく、質問に対する特化した、的確な情報を提供してくれるようになります。
効果的な点:
必要な情報や助言に集中してくれる
無駄な会話を減らし、より効率的な対話が可能になる
2. コンテキストに基づく柔軟な対応
特定の役割を設定することで、そのシナリオに合わせた柔軟な対応が期待できるようになります。例えば、テクノロジーコンサルタントとしての役割では、技術的なアドバイスやトレンドを交えた実践的な助言をしてくれるようになり、クリエイティブライターの役割では、創造的な提案や文章表現になります。この柔軟性を活用することで、幅広い要望に、期待に応えてくれるようになります。
効果的な点:
コンテキスト(文脈、状況)に基づいて適切なアプローチが取れる
シーンごとに求められる回答のトーンや専門性が調整される
3. ユーザー体験のパーソナライズ化
役割を設定することで、ChatGPTの応答がユーザーの要望や期待に、より密接に対応してくれるようになります。例えば、キャリアコーチとしての役割を設定すると、ユーザーの目標に向けたアドバイスが提供され、自己成長に寄与する情報を得られます。このように、ユーザーごとのニーズに応じたパーソナライズ化が可能です。
効果的な点:
ユーザーの状況や目標に合ったサポートを提供
より個別の問題解決や目標達成に役立つ
つまり、役割を設定することによって、ChatGPTは膨大な学習データの中から、その役割に特化した知識と視点に焦点をあてて、ユーザにとってより価値のある回答をしてくれるようになります。また、焦点が明確になり、回答の質が向上し、ユーザが求めている情報を効率的に回答できるようになるため、特に複雑な課題解決やプロジェクトの進行などにおいて、ChatGPTを活用するとても有効な方法です。
役割を追加して回答を得る
早速プロンプトに追加して質問してみましょう
#あなたの役割は営業マネージャです
#明朝の朝礼テーマと内容を考えてください
かなり営業部署での朝礼内容としては使えそうな内容になってきました。ただ、30分近い内容を考えてきましたので、これではちょっと使えないですね。どんどん質問内容を修正していきましょう。
#あなたの役割は営業マネージャです
#明朝の朝礼テーマと内容を考えてください
#朝礼での持ち時間は3分としてください
3分の内容として構成が出力されてきました。実際に話してみると30秒分くらいかと思いますが、あとは自分自身が話したい内容、データなどを用意して肉付けすればひとまずよさそうですね。
このような感じで、やりとりを深めていくことで回答の質がかなり変わってくる感覚が掴めてきたかと思います。
プロンプトを修飾したり、言い換えてみる
次に大切なことは、プロンプトの文言を様々な形容詞や副詞などで修飾したり言い換えてみることです。慣れないうちは難しいかもしれませんが、ちょっとした表現でも構いません。
例えば、営業マネージャを「成績優秀な営業マネージャ」としたり、「鬼怖い営業マネージャ」(そんなひといらないですけど)とすることで、また大きく回答に変化が出てきます。
朝礼の内容も「ノルマを達成したときにメンバーを慰労する内容で」、「月末の追い込み期にメンバーを励ます内容で」などとすると、それに合わせて回答してくれます。一度、試してみましょう。
#あなたの役割はとても成績優秀な営業マネージャです
#明朝の朝礼テーマと内容を考えてください
#月末にノルマ追い込み期にメンバーを心から励ます内容としてください
#朝礼での持ち時間は3分としてください
メンバーに寄り添った発言内容で回答してきてくれましたね。
ついでに、「鬼怖いマネージャ」が「激詰め」するスタイルの内容を見てみましょう。
#あなたの役割はとても鬼怖い営業マネージャです
#明朝の朝礼テーマと内容を考えてください
#月末にノルマ追い込み期にメンバーを激詰めする内容としてください
#朝礼での持ち時間は3分としてください
「奮い立たせる」というよりは「震え上がる」内容かも知れませんね。。。ただ、勘のよい方は気付いたかもしれませんが、日々の面談や転職時の面接対策で、こういった表現をChatGPTにさせて何があっても焦らないように対策を練る、という意味でこういう使い方もありだと思います。
このように使うことで、朝礼のテーマや内容はいつも考えているから大丈夫という方であっても、伝え方の工夫を参考にしてみたり、表現のアレンジに利用してみたり活用方法はたくさんあります。
プロンプトは、慣れるにつれて自分の意図が伝わるように深く記述していくとよいです。ただ毎回イチから書き起こすのは大変なので、ある程度気に入った「型」ができてくると思いますので、それをNotionなどにメモしたり自分自身のプロンプトレパートリーを増やしていきましょう。
今回はいかがでしたでしょうか。ぜひいろいろ言葉遊びからでも構いませんので、気軽に使ってみてください。AIを肌感覚で掴むことができる一歩になると思います。
それでは、今回もご覧いただきありがとうございました。