VALIS二次小説 理想が欲しくて 裏世界編Main Story -009(Case of FEI)
うっそーんそれマジぃ?さっき3メートルくらいにまで伸びてたじゃん。絶対服引き千切れてるでしょ。なんで原型留めてんの?伸縮性に優れるとかいうレベルじゃねえだろ。俺の心配返せよ。めちゃくちゃ杞憂だったじゃん。 まあ良いや。視覚に頼っても大丈夫なら、思う存分やれる。
完全に目を開いて視界を確保する。 しばらくララと視線を交わし、2人にしかわからない合図と共に同時に走り出す。
分身
実体を持った分身を数体生み出し、本体とシャッフルするように撹乱する。
狙い通り、予想外の行動にララの意識は逸れるが、すぐに意識を切り替えて身長を変えて薙ぐようにローキックを繰り出す。――だが、
重力操作・加重
ララの目の前に居たのは全て分身体。背後に回り込んでいた本体によって、止めの一撃を放つ。
意識を失ったララの身体が倒れる。
「試合終了!勝者、フェイ!」
ニナが判定を下したことにより、“能力”を解除する。 一度大きく伸びをすると、ネフィが半ば突進するように、いつもより大声で詰問してきた。
「ねえちょっと聞きたいことあるんだけど!なんであたしと同じように分身できるの!?」
うわうるっさこいつ。声デカすぎだろ。そんなに叫ばなくても説明くらいするわ。
「先にララ起こしてからな」
気を失ったララの頬をむにむにと引っ張ったり、ぺちぺちと叩いて起こすと、改めてネフィの質問に答える。
「簡単に言うと、俺の“能力”が肉体操作だからだな。俺は肉体を自由に弄れるし、分身だってできる。生物だったらなんでもできるんだから、分身くらいできるだろ」 「答えになってないんだけど!?」 「俺だってちゃんと把握してる訳じゃねえんだよ。なんかできたからやってるだけだし」 「そんな無茶苦茶なぁ..........」
実際のところ、ネフィが分身の“力”を使っているのを見てなんとなく出来そうだと思ったら本当に出来ただけだ。ネフィが何をそんなにショックになってるのかは知らんが..........
そんなこんなで、ララが勝手にやり始めた模擬戦は俺の勝ちで幕を閉じた。