VALIS二次小説 理想が欲しくて 深脊界市編 MainStory -014(Case of FEI)
深脊界市初のショウが無事に終わり、VALISのメンバーが楽屋で休んでいる中、フェイは自分の為に宛がわれた研究室で先程捕縛した武装集団を調べていた。
(いやー、まさかそのパターンだとは思わないじゃん)
――何故、フェイは取調室で尋問しなかったのか。それは――
(なんでコイツらロボなの?)
――武装集団が人間ではなかったからだ。 合金製の各パーツに、球体の関節。 顔はマネキンのようなのっぺらぼうで、目も口も耳もない。
虎に交戦を命じた後、そのまま回収させたのだが、やけに重そうに引きずっていたから何かと思えばまさかの機械人形。確かに、この街には何処に行っても異様なほど無数の機械達が彷徨っているが、流石に襲撃してくるのも機械だとは思わなかった。
とはいえ、いくら何でもただの機械が意志を持って動いていたとは考えられない。その証拠に、捕縛してから1時間は経つというのに、まるでバッテリーが切れたかのようにピクリとも動かない。
おそらく、事前にプログラムされた通りに動いていたのだろう。なら、どこかにそのプログラムが保存されているはず。
早速作業に取り掛かろうとした時、ふとあるものを発見する。
(..........なんだこれ)
フェイの視線の先には、“S”という文字が刻まれていた。
(“S”.......?何かの頭文字か?或いは隠語かもな。どっちにしろ覚えておくか)