VALIS二次小説 理想が欲しくて 裏世界編Main Story -007(Case of FEI)
「..........で、調べはついたか?」 「勿論ですとも」
VALISの活動が休みであるこの日、フェイはソートと重要な話をしていた。
「先日、あなたを襲った人物の身元が判りました。名前は峰内強真。『放浪者』のようです」
放浪者。それは、現実世界から“何らかの理由”によって『こちらの世界』に流れついてしまった人達のことだ。
「あなたを襲った動機はわかりませんでしたが、彼は現実世界に還しました。これでVALISに危険はないでしょう」
『こちらの世界』と現実世界は行き来できる。そうでなければ、VALISは『こちらの世界』に来ることは出来なかったし、現実世界でのライブも出来なかった。 まあ、俺としてはどうでもいいが。
(ああ、そういえば) 「ソート、VALISのメンタルケアは俺がやる」 「...........何故でしょうか?」 「お前のやり方は危険すぎる。あれじゃ、下手すると簡単に崩壊するぞ」
ソートのやり方は危険だ。いつVALISが崩壊してもおかしくない。
「意味のない言葉をかけるつもりですか?」 「意味のない言葉じゃない。“あいつらが必要としてる言葉”だ。その時一番欲しい言葉をかけられるだけで、大抵の人は簡単に救われる。誰かを救うことを難しく考える必要はねえんだよ」
その言葉に、ソートは「...........好きにしてください」と言ってその場を去った。
†
「模擬戦?」 「そう。同じ身体が関係してる“力”を持つからってララが」
翌日、テントに向かうと開口一番ネフィからそんなことを言われた。
どうやら、俺の護衛としての実力を測りたいらしく、その相手として同じ身体を使う“力”を持つ自分がと言い出したらしい。 こちらとしては、つい先日実戦をしたばかりの為「え、今更?」といった感じだが、そんなことララが知る訳がない。
閑話休題
確か、ララの“力”は身体操作だったか。自分の肉体のサイズを変更するくらいしか知らないが、系統としては俺の“能力”と同じだ。
「時間は20時、場所は訓練場だって」
「楽しみにしてるから頑張ってねー」と言いながらネフィは練習に向かった。
20時って帰宅時間じゃないっけ?あいつ練習終わりにやるつもりか?流石に少しは休むだろうけど.........もしかして天然か?