VALIS二次小説 理想が欲しくて 深脊界市編Main Story -028(Case of FEI)
考える。ただひたすらに、考える。今のフェイにはそれしか出来ない。
自分が今までしてきたことはなんだったのか。
VALISと存流は自分のことをどう思っているのか。
ソートは初めから自分を消そうとしていたのか。
そもそも、何故自分はこんな目に遭っているのか。
自分もVALISと同じだ。一言で言うなら、現実世界が嫌で逃げてきた。ただそれだけなのだ。それなのに何故、自分だけがこんな目に遭っているんだ。
.............嗚呼、そうか。俺が普通じゃないからか。
そうだ、ソートが言ってたじゃないか。俺が普通じゃないから、だから排除するって。そう言ってたじゃないか。
結局はいつも通りだ。 普通に依存した『一般人』に、普通が気に食わない『逸般人』が迫害される。なんてことない、普通のことだ。
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いつも通り.........?これが?
ふ ざ け ん な よ 。
これの何が普通だ? 自分達と違うから排除する?どんな神経をしていればそんなことが出来るんだ?どうしてそれが当たり前だと言えるんだ?
どう考えてもおかしい。狂ってる。
『俺』は『俺』だ。それ以上でもそれ以下でもない。誰が何と言おうと、どこまでも『俺』でしかない。それだけなんだ。だったらそれで良いじゃないか。どうして誰も俺を認めてくれないんだ。受け入れてくれないんだ。
結局、これが現実なんだろ?
全ては否定で始まり、否定で終わる。
成功しない努力は踏みにじられる。
どれだけ想いを込めようが、伝わらなければゴミでしかない。
他人を信じるなんて考え無しの馬鹿がやることだ。
ああ、本当に気持ち悪い。虫酸が走るし反吐が出る。そんなものが「常識」なんてどうかしてる。こんな所に来てまで同じ経験をしたくなかった。
誰もが口を揃えてこう言う。「世の中は結果が全てだ」と。
それなら、こっちも自由に動いて良いはずだ。何故なら重要なのは「結果」であって、「側面」ではない。成果が出るなら、そこに至るまでの過程はどうでも良いのだ。『俺』は『俺』のやり方で好き勝手に暴れて、その結果ソートや公社隊を認めさせられるなら文句は言えないだろう。
さあ、反撃開始だ。