VALIS二次小説 理想が欲しくて 深脊界市編Main Story -031(Case of FEI)
(そう来るか.............)
これまで戦っていたプルノという“S”のメンバーが、まさか2ヶ月前にVALISと存流に深脊界市のPRライブを依頼した公社隊の片割れだったとは.............. 確かに“S”と公社隊は同じ組織だし、プルノは身元割れ防止の為に声を加工していたが、まさか同じ人に2日連続会い、加えて戦闘までしていたとは思わなかった。
(本当にコイツがプルノと同一人物なら、手の内は大体知られてる。でも今はあのデカイロボに乗ってない..............てことは、今ならすぐに倒せるか) 「あーそうだ、一応ソートさんから話を聞いてるのはきみも知ってるでしょ?だから―――
今すぐ死んで?」
瞬間、フェイの左腕が爆発した。
「ぎ、があああぁぁぁぁ!!!!!」
弾けた左腕が宙を舞い、血が洪水のように噴き出す。 筆舌に尽くしがたい激痛が全身を支配する。あまりの痛みに、もはやどこが痛いのか判らないのだ。それ程の激痛で失神しないのは、想定外の事態に理解が追い付いていないからだろうか。 何にせよ、未だ意識を保っていられたことは、フェイにとってプラスに働いた。
【左腕欠損 神経損傷 筋肉断裂】
【体内の血液の内26%が流失】
【出血性ショックを確認】
【著しい身体的ダメージにより、肉体再成を緊急発動】
【再構成開始―――完了】
フェイが激痛を自覚するとほぼ同時、偽造生命が自動的に発動、フェイの身体情報を観測し、瞬く間に再構成した。
自動再成。 自分がいつどんなダメージを負っても大丈夫なように、フェイが予め組んでいた自己再生スキル。これにより、フェイは五体満足の身体に復活した。
「っ痛..........テメェ........!!!」 「あれ?治っちゃった。まーでも、それくらいはできるよねぇ」
TypePが完全にこちらを殺すつもりでいることを理解し、戦闘を開始する。
洪水被害・水弾
数百発の水弾がTypePを襲う.........
「蒸発」
はずだった。 しかしどういう訳か、水弾はTypePに当たらずすぐに蒸発してしまった。
「なっ............それなら!」
神判蕾光
神々しいまでの光の雨を降らそうとする。しかし..........
「消灯」
掻き消えた。
(チッ、これも駄目かよ。.............それにしてもコイツ、さっきから何をやっている?腕を爆発させたり水を蒸発させたり、挙げ句の果てには光まで消しやがる。.............いや待て、コイツはさっき『わたしが担当してる所』と言った。この研究所が行っている研究内容と、コイツのやってることに繋がりがあるなら..........!!!) 「さて、そろそろ気づいたかな?実はねぇ、わたしの正式名称は“TypePHENOMENON”。あらゆる“現象”を操作できるんだ!」