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知っておきたい大規模成長投資補助金Vol.2 ~今後の公募可能性~

みなさん、こんばんは。前回は大規模成長投資補助金が新設された背景と概要についてお伝えしました。今回は公募終了となっている大規模成長投資補助金に関して今さら取り上げるのか、今後公募される見込みがあるのかについてお伝えいたします。


1.本年度の公募可能性

令和5年度補正予算では、『予算規模は3年総額3,000億円(令和5年度補正予算分は1,000億円)』と記載がありました。この理解の仕方について巷では様々な解釈があります。

1次公募採択先より共有いただいた交付申請関係書式を見ると、
例)A社採択案件(補助総額15億円)
  令和6年度支出予定額 補助金額1億円
  令和7年度支出予定額 補助金額2億円
  令和8年度支出予定額 補助金額12億円
と言った枠組みで交付申請を行うようになっています。
A社の例では総額15億円の補助金を3年間に渡って支給する、と解釈ができます。つまり、令和5年度補正予算による公募採択者の総補助金額は3,000億円という解釈になります。

また、『※1次公募における採択者の総補助金額(上限)は1,780億円』という記載を見ると、2次公募では残り1,220億円分の採択者を出すと思われますので、令和5年度補正予算による公募の可能性は極めて低い と思われます。

出典:https://www.meti.go.jp/information/publicoffer/kobo/2024/k240626001.html

2.今後の公募可能性

それでは、今後大規模成長投資補助金の公募可能性がないのでしょうか?
私見では、公募条件の変更・手直しはあるがほぼ確実に来年度もある と思っています。政策を決める国の立場で以下推察します。

  1. 経済産業省の立場①:中堅企業支援を掲げた初年度の目玉施策を1年のみで終わらせる ⇒中堅企業支援政策が失敗であったというレッテルを張られるためそれは避けたい

  2. 経済産業省の立場②:1次公募では総額約6,000億円の設備投資効果を生み出し、更に賃上げ効果も相当見込まれる、など政策効果が大きい

  3. 経済産業省の立場③:「本業の」成長投資に対する補助金であるため実現可能性が高く政策効果の確実性が高い(=事業再構築補助金の反省・振り返り)

などが考えられます。

令和7年度概算要求では、


と、20億円の予算計上があります。非常に少ないのでは?という声もありますが、経済産業省の主な補助金は「補正予算」で計上される傾向にあるので、令和6年度補正予算で来年春頃の公募に向けた予算が計上されると考えられます。

3.公募終了となっている大規模成長投資補助金に関して今さら取り上げるのか

ここまでご覧になられていれば推測できるかと思いますが、

「なぜ今さら取り上げるのか」
の問いに対して、
「来年春の公募に向けて、今から準備を行うことができるから」
にあります。

1次公募、2次公募では、既に投資計画のある企業がこの補助金を活用し採択となっているケースが非常に多いからです。
最低投資額10億円超の大規模な設備投資は、少なくても公募申請に耐えうる設備投資計画の準備に数か月かかります。また、増産・受注増の手ごたえを感じるだけの営業活動、投資回収のシナリオ検討なども綿密に行う必要があります。

したがって、来年春の公募に向けて今から準備を行い、補助金を活用して成長戦略実現を果たしていただきたいと、私は強く思っております。

4.まとめ

  • 本年度の公募可能性は極めて低い

  • 令和7年度概算要求もあり、かつ令和6年度補正予算計上の可能性は非常に高い

  • 来年春の公募開始に向けて準備を行う期間は十分にあり、実現可能性の高い投資計画を立てることで補助金活用の可能性を高められる

2次公募の採択結果発表は、おそらく来週末頃でしょうか。ご支援したクライアントの採否が気になりますが、週末3連休だけはそのことを一切忘れて、家族サービスに勤しみたいと思います。

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