総合内科専門医/第119問(内分泌)2019
総合内科専門医試験
2019年度予想
32歳の女性。動悸を自覚するようになったため受診した。3 か月前に第 2 子を出産した。妊娠前に受けた検査で抗甲状腺ペルオキシダーゼ〈TPO〉抗体強陽性であったため、妊娠期間中にも定期的に甲状腺ホルモン検査を受けていたが、これまでに異常を指摘されたことはなかった。体温37.3℃。脈拍120/分、整。血圧158/60mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。びまん性のやや硬い甲状腺腫を触れるが圧痛はない。
既往歴:特記すべきことはない。
尿所見:蛋白(−)、糖(±)、ケトン体(−)。
血液所見:赤血球420万、Hb 12.3g/dL、Ht 40%、白血球6,700、血小板21万。血液生化学所見:アルブミン4.0g/dL、AST 13U/L、ALT 15U/L、クレアチニン0.4mg/dL、血糖146mg/dL、HbA1c 5.4%(基準4.6〜6.2)、総コレステロール170mg/dL、トリグリセリド90mg/dL、Na 137mEq/L、K 4.3mEq/L、Cl 102mEq/L、FT4 4.8ng/dL(基準0.9〜1.7),FT3 9.6pg/mL(基準2.3〜4.3),TSH 0.01μIU/mL(基準0.5〜5)。
甲状腺超音波検査:内部がやや不均一な低エコーを認める.カラードプラで血流量の増加を認めない.
この患者の疾患でみられる所見を2つ選べ。
a. サイロキシン上昇
b. 頸部リンパ節腫脹
c. 前脛骨部粘液水腫
d. 甲状腺放射性ヨード摂取率低下
e. TSH受容体抗体(TRAb)陽性
< ここから解答・解説になります >
解答
a , d
産後無痛性甲状腺炎
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