第2回内科専門医/第219問(その他)/2022
第 2 回内科専門医試験
2022年度予想
コミュニケーションツールの一つである SBAR に基づいて、研修医Aと上級医Bが会話している。
研修医A:「①担当患者さんの状態について報告と相談をさせてください」
上級医B:「どうぞ」
研修医A:「②担当している患者さんが急変しているので一緒に診察して欲しいのですが。」
上級医B:「患者さんはどういう状態ですか」
研修医A:「③ 1 週間前に急性肺炎で入院になった患者さんです。トイレに行った際に、急な呼吸苦を訴えられており、酸素投与も 10L 要しておりショックバイタルです。レントゲン写真ではうっ血像認めず、④私は肺塞栓を考えています。⑤まずは造影CTを実施するべきと考えています。」
上級医B:「分かりました。今から私と一緒に患者さんの病状を確認しましょう」
SBARの「A」に相当するのは太字のうちどれか。1つ選べ。
a. ①
b. ②
c. ③
d. ④
e. ⑤
< ここから解答・解説になります >
解答
d
解説
a. 誤り。①は、SBARのどれにも当てはまらない。
b. 誤り。②は、Situation
c. 誤り。③は、Background
d. 正しい。④は、Assesment
e. 誤り。⑤は、Recommendation
SBAR(エスバー)は、迅速かつ適切なコミュニケーションを促進するための技法である。このコミュニケーションモデルは、当初、米軍によって特に原子力潜水艦のために開発された。次に航空業界で使用され、現在は医療において同様のモデルが採用され普及している。SBARの名前は、Situation、Background、Assessment、Recommendation の頭文字から成り立つ。具体的には以下の手順にて情報伝達される。
状況(Situation)「今何が起こっているか」
背景(Background) 「どのような事情がこの状況をもたらしたのか」
アセスメント(Assessment)「問題は何であるか」
提案(Recommendation)「問題の修正のためにどうしたらよいと思うか」
SBAR形式を取ることで従事者間の情報伝達が短く、整理され、予測可能になる。特に緊急事態が生じた場合(患者急変時、救急外来など)において他者に医療情報を伝達する際、このSBARを用いて話すと過不足なく情報を伝えやすい。研修医だけではなく、内科専門医にとっても必須のスキルであろう。
関連問題
<医師国家試験113E7>
コミュニケーションツールの一つであるSBAR(Situation, Background, Assessment, Recommendation)に基づいて、研修医が指導医に担当患者の病状を報告している。
研修医「担当の患者さんの状態について報告と相談をさせてください」
指導医「どうぞ」
研修医「78歳の女性で、①昨日大腿骨頸部骨折に対する手術を行い、維持輸液を継続しています。②本日明け方から息苦しさを訴えています」
指導医「患者さんの状態はどうですか」
研修医「③SpO2はルームエアーで92%、両側でcoarse cracklesを聴取し、心不全発症の可能性を疑います。④まずは酸素投与を開始すべきと考えます」
指導医「分かりました。⑤今から私と一緒に患者さんの病状を確認しましょう」SBARの「R」に相当するのは太字のうちどれか。
a. ①
b. ②
c. ③
d. ④
e. ⑤
解答
d
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