臨床の疑問に答える研究がしたいですね、、
今回は抗体医薬1報、アレルゲン免疫療法2報、食物アレルギー1報、薬物アレルギー・過敏症1報、気管支喘息7報、副鼻腔炎1報、蕁麻疹1報、その他・基礎研究9報です。
<抗体医薬>
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34038773/
メポリズマブの重症喘息に対するリアルワールドでの有効性検証:639名の患者を7つの併存疾患のサブグループごとに解析し、全グループで入院を要する増悪が6-8割減少。半数近くの患者が50%以上の経口ステロイド投与量減量を達成
Ann Allergy Asthma Immunol. 2021 Sep
<アレルゲン免疫療法>
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34533543/
アレルゲン免疫療法とコロナワクチン接種のタイミング:皮下免疫療法の場合、ワクチン接種の前後に1週間の間隔を置くことを推奨。舌下免疫療法や経口免疫療法の場合は、接種前日まで服用し、接種後2~7日の間隔を空けることを推奨。新たな免疫療法の開始は、2回目のワクチン接種日から1週間後まで延期することを推奨
Allergol Select. 2021 Aug 24
https://doi.org/10.15036/arerugi.70.955
スギ花粉症合併喘息にスギSLITを3年間上乗せした患者とそうでないと患者の後方視的解析: 抗ヒスタミン薬の使用だけでなく、吸入ステロイド量も減少した(大阪赤十字病院)
アレルギー70(8) 2021
<食物アレルギー>
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34543766/
ゴマとタヒーニ(ねりゴマの調味料)の検査について:血清ゴマ特異的IgEは臨床反応性を予測しなかった。タヒーニ負荷がゴマ経口負荷試験の偽陰性を避けるために有用(トルコ)
Ann Allergy Asthma Immunol. 2021 Sep 17
<薬物アレルギー・過敏症>
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34533570/
新型コロナワクチンへのアレルギー反応があった方の免疫学的精査結果のケースシリーズ:PEGに対する非IgE媒介性の免疫反応が原因である可能性がある(米国)
JAMA Netw Open. 2021 Sep 1
<気管支喘息>
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34558358/
喘息関連の救急(ER)受診をした患者としなかった患者の食事パターンを比較:喘息関連のER受診者は、そうでない人に比べて野菜摂取量が少なかったが多変量解析では、食事パターンとER受診の間の関連は消えた。食事が喘息に与える影響は単純ではなく、さらなる調査が必要
J Asthma. 2021 Sep 24
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34197676/
小児喘息に対して野菜と果物を多く摂取する食事介入では増悪の減少効果はなかったが、一部の気道炎症の改善や、便中微生物叢の変化が観察された。さらなる検討が必要(オーストラリア)
Clin Exp Allergy. 2021 Sep
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34526800/
雷雨喘息のレビュー:オーストラリアでは多年生のイネ科花粉、イギリスでは真菌に感作された人が、雷雨などにより喘息が増悪する現象。通常は上気道に留まって季節性アレルギー性鼻炎の原因となる大きな花粉粒子が、気象の変化後に破裂して下気道に到達可能となる。最近の気候変動により雷雨喘息が増加することが懸念される(オーストラリア)
J Inflamm Res. 2021 Sep 8
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33852572/
2016年11月21日のメルボルンでの雑草花粉シーズンでの雷雨喘息イベントの解析:花粉が高湿度条件で破裂すると肺の奥深くに非常に吸い込みやすいサイズのサブ花粉粒子が大量に放出される(オーストラリア)
PLoS One. 2021 Apr 14
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34536414/
気管支喘息患者では神経炎症や神経変性を示すいくつかのdMRI指標に広範かつ大きな差が見られ、喘息が神経損傷や認知機能障害の潜在的な危険因子である可能性がある(米国)
J Allergy Clin Immunol. 2021 Sep 15
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34536416/
喘息増悪の人種・民族ごとの違い:プエルトリコ人ではIgE上昇や好酸球が転帰の悪化と関連。メキシコ系アメリカ人ではアレルギー性喘息が転帰の悪化と関連。生物学的療法の適格性が人種/民族集団によって異なることが示唆される(米国)
J Allergy Clin Immunol. 2021 Sep 15
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34543667/
軽症喘息であっても増悪や症状コントロール不良であることは多い。軽症喘息は喘息の罹患率と死亡率に大きく寄与しており、今後の研究の焦点とすべき(米国)
Chest. 2021 Sep 17
<副鼻腔炎>
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34510788/
社会経済的地位が低いほど大気汚染への曝露量が多く、慢性鼻副鼻腔炎患者の疾患の重症度が高くなってステロイド治療の必要性が高まる(米国)
Int Forum Allergy Rhinol. 2021 Sep 12
<蕁麻疹>
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34536239/
蕁麻疹の国際ガイドラインの改訂:蕁麻疹の定義と分類、診断と治療法の紹介。蕁麻疹は膨疹、血管浮腫、またはその両方を呈する、頻度の高い肥満細胞主導型の疾患。急性蕁麻疹の生涯有病率は約20%。慢性蕁麻疹は生活の質やパフォーマンスを低下させる。
Allergy. 2021 Sep 18
<基礎研究・その他>
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34538424/
好酸球を標的とした治療法の現在および将来の開発への影響についてのレビュー
Mayo Clin Proc. 2021 Sep 15
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33593932/
学童を対象とした花粉・大気汚染と肺機能との関連解析:4つのクラスターが特定:①花粉なし・低大気汚染②イネ科花粉(クラスター2)③PM10(クラスター3)④シラカバ・プラタナス花粉。①と比較して②は肺機能が低下し、③はFeNOの値が高かった(フランス)
Thorax. 2021 Sep
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34506849/
樹状細胞やリンパ球を制御するThousand-And-One Kinase 3(TAOK3)の欠損や失活によりTh2活性化と自然免疫のILC2機能の両方が減弱し、ダニによるアレルギー性の喘息反応が減弱する(ベルギー)
J Allergy Clin Immunol. 2021 Sep 7
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34555532/
患者の医療上の意思決定を支援するために、ソーシャルメディアがヘルスケアへ与える影響にちて理解を深める必要がある(米国)
Ann Allergy Asthma Immunol. 2021 Sep 20
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34510013/
小胞体ストレスの亢進は、喘息における重篤な好酸球性および好中球性の炎症と関連しており、喘息の病態形成に重要な役割を果たしている可能性がある。(オーストラリア)
Thorax. 2021 Sep 11
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32540397/
非ステロイド性抗炎症薬増悪呼吸器疾患の単球/マクロファージでは遺伝子のメチル化により健常者のマクロファージと比較して、アシルカルニチン、炎症性アラキドン酸代謝物、サイトカイン、ケモカインのレベルが増加している(ドイツ)
J Allergy Clin Immunol. 2021 Feb
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34519063/
アレルギー疾患のバイオマーカーについての総説およびCOVID-19パンデミック時のアレルギー患者や喘息患者の管理に関する提言
Allergy. 2021 Sep 14
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34536413/
総IgEについて最大規模のGWASおよびHLA関連研究:欧州以外の祖先を持つ集団に関連するいくつかの既知のtIgEおよびアレルギー疾患の遺伝子座がみつかった(米国)
J Allergy Clin Immunol. 2021 Sep 15
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33941653/
MYO1Fはマスト細胞の脱顆粒に重要な役割を果たし、皮質のアクチンリングの動態や、分泌顆粒とミトコンドリアの分布に寄与している
J Immunol. 2021 May 15
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