見出し画像

国内MBAの選び方 ― 一橋・東京都立・横浜国立・筑波・早稲田から一橋MBAを選んだ理由

この記事では私自身が国内MBAの志望校選びに悩んだ経験とそこで得た勘所を共有し、みなさんが後悔しない選択をするためのヒントをお示しします。ニーズは千差万別なので、私の出した結論の部分ではなく、比較検討のアプローチを参考にしてください。


0. はじめに

将来のキャリアに不安のある若手社会人・マネジャに昇進して経営の知識を身に着けたいベテラン社会人・コロナで通勤時間がなくなり時間に余裕ができた社会人などMBAを志す方が増えていると聞きます。一方で魅力的なMBAプログラムが数多くあるので、どのように選んだら良いか悩まれる方も多いと思います。そのような方々に役立ててもらえたらうれしく思います。

1. 色々なMBAプログラムを知る

ひとくちにMBAと言っても国内・海外、フルタイム・パートタイムなどさまざまです。国内パートタイムに絞ってしまう前に、もう少し広く知っておくことで的確な意思決定ができます。私自身が比較検討した幅広い選択肢を一覧化したものが図1になります。この表側が意思決定の単位になっています。

表1. 国内外のMBAプログラムの比較

画像をクリックすると拡大して表示されます

結論から言うと私は#01の「パートタイム✕国内✕国公立✕日本語」のMBAプログラムから選ぶことにしました。具体的には一橋・筑波・横浜国立・東京都立が候補になりました。Prosの欄にあるとおり学費が安く知名度が高い点が決め手になりました。Consの欄にある入試倍率の高さは希望するプログラムで学ぶためにはやむを得ない点なので受け入れて対策を取る方向で考えました。

その点では次点グループの一つ#02の「パートタイム✕国内✕国公立✕英語」も本来同じなのですが、思い立ったタイミングでは公的な英語能力試験スコアが有効なものがなく出願が間に合わず、残念ながら見送りました。もっと早くからチェックできていたら、#01と横並びで比較できたと思います。

次点グループの2つ目#03の「パートタイム✕国内✕私立(大学系)」、とりわけ早稲田MBAは#01との差はほぼ学費のみですが、この点が私にはクリティカルでした。とはいえ全く払えないほどの差ではないので悩まれる方も多いようです。

最後の次点グループである#06の「パートタイム✕海外✕日本語サポートなし(リモートのみ)」は安い学位費で海外大学のMBAが取れる点は非常に魅力的に感じたのですが、#02と同じく手続きの問題で見送りました。

その他の選択肢に関して個別には触れませんが、置かれている状況や指向性によっては最も魅力的だという結論になる方は数多くいらっしゃると思います。興味を持たれたら、ぜひご自身の観点で比較していただければと思います。

2. 自分の価値観に従って選ぶ

ここまでの比較の結果、志望度が高かった国内パートタイムの国公立MBAプログラムに関してさらに詳しく比較していきます(表2)。

表2. 国内・国公立MBAプログラム比較表

画像をクリックすると拡大して表示されます
※教育訓練給付金の誤りをコメントでお知らせいただいたので修正しました (2024年5月2日)

こちらも結論から述べると一橋(経営管理)を第1志望としました。ついで第2志望を横浜国立(社会人専修)、第3志望を東京都立(経営学)としました。

各MBAプログラムを横に並べて、縦に評価観点を置いています。それぞれ1pt(ちょっと引っかかりを感じる)・2pt(ふつうに良い)・3pt(自分の希望にピッタリ)で点数化をしています。ここまでくると実際には優劣のつけがたい比較になっているので、この点数化を繰り返しながら自分自身の判断基準が明らかになっていく感じでした。

第1志望の一橋(経営管理)の#01 関心と指導方針のマッチ度は3ptとしました。この比較を通じて、理論と実践の反復が自分にとって必要そうだということがわかってきました。#02 第三者評価も3ptでした。ここはいずれも名前の知られた大学を母体にしているので本来は問題にならないくらいなのですが意思決定のために敢えて書き出してみると、一橋の評価が高いことがわかりました。最後に#03 費用ですが、ここは2ptとしました。いずれも国公立大学相当の学費なので最安の部類なのですが、教育訓練給付金などを勘案すると案外差があることがわかりました。

第2志望の横浜国立(社会人専修)は第1志望の一橋(経営管理)と同点でした。この2校は正直に言って最後までかなり悩みました。最終的には会社から学費の補助が受けられる関係で#03 費用の差は額面ほどではなかったことから、#02 第三者評価を優先することにして、横浜国立(社会人専修)を第2志望としました。

第3志望の東京都立(経営学)は、少々決め方がイレギュラーでした。残りの2候補を受けないことにしたことと受験日程が早かったことから受験を決めました。具体的には一橋(金融戦略)はスコア的には高いのですが、#01 関心と指導方針のマッチ度が低かったので受験を見送りました。また筑波(経営学学位)は私の受験年度は一橋(経営管理)と試験日が重なっていたために見送りました。これらの事情と、受験のための予算や対策の負担の関係から最大で3校くらいに出願を考えていたこと、さらに東京都立(経営学)の入試日程が早く第一志望の一橋(経営管理)の前に受験の機会が得られることから、第3志望として東京都立(経営学)の受験を決めました。

繰り返しになりますが表1・表2は私の主観評価をあくまでも参考として示しています。MBA受験は大学受験と比較して目的や制約の個人差が大きいので、万人に当てはまる優先順位をつけることは困難です。自分自身の主観的な基準を明確にして、比較検討と意思決定をしてください。

3. まとめ

この記事ではMBAプログラムを選ぶ方法を、国内に限らず幅広くプログラムを検討するところから自分自身の価値観を明確にして優先順位をつけるという順番で説明しました。少しでもお役に立てましたら「スキ」のクリックをしていただけるとうれしいです。

補足情報

国内MBAの受験対策についてはこちらの記事もぜひご覧ください。


いいなと思ったら応援しよう!