AT車の左足ブレーキについて
私がAT車を運転する場合、基本的に左足はブレーキペダルの上に乗せっぱなしである。
かかとを床につけて、ブレーキランプが点かない程度にのせている。
少なくとも住宅街や街中を出るまでは、ずっとそうしている。
理由は、怖いからである。0.1秒でも早くブレーキを踏むには、右足を踏み替えるよりもどう考えても効率的である。
街を抜け、道幅が広く、交通の流れが一定になった場合や高速道路では、左足はフットレストに置いて、右足でブレーキを踏むことが多い。
リラックスしてワインディングロードを流す時も左足はフットレストに置いて右足ブレーキを行うが、タイトベンドが続く道で、減速が忙しい時は左足ブレーキを多用するなど、けっこう使い分けている。
綺麗な姿勢でクルマを走らせるために、荷重コントロールの関係で左足ブレーキを使った方がリズムが取りやすいこともある。
峠道の場合は、ケースバイケースであろうか。
そもそも峠道を流す場合は、フットブレーキをなるべく使わないようにしている。エンジンブレーキだけで減速するような走りをしないと、すぐに速度オーバーとなってしまい、特に下り坂は意図的に速度を抑えるのは難しいからである。
2速固定で走れば、昨今のコンプライアンスには引っかかり難い上に、スポーティー風な運転を楽しめる。建前上、公道ではそれが限界である。
私が初めて左足ブレーキを試みたのは、3ペダルMTを運転している時であった。
AT車を運転する時のためにとやってみたら、ついついクラッチを踏む勢いでブレーキペダルを踏んでしまい、物凄い急ブレーキとなったてしまった。
これはいけないということで、意識を集中させてにソフトに踏む練習をしたら意外とすぐに慣れるものである。ただ右足同様のシビアなコントロールができるようになるまでは、それなりの時間がかかった。
当時MT車に慣れていると、AT車のエンジンブレーキは非常に効きが甘く感じて、とても怖いと感じたものだ。
最近のAT車はそれほどでもないが、昔のトルコン式AT車は、アクセルオフをすると上のギアに入ってしまい、まるで滑走するかのようにエンジンブレーキが効かなかったのだ。
街中では、その怖さを補完するために、私の左足はブレーキペダルの前に置きっぱなしにするようになった。
以後、AT車を運転する時は左足ブレーキがデフォルトになった。
左足ブレーキのメリット以下3点であると思っている。
(1)まず、アクセルとブレーキを間違うことがないという点。
〜よくニュースになる事故を防げるというわけである。
(2)縁石などの段差を乗り上げてバック駐車するとき。
〜結構な勢いでアクセルを踏んで、すぐに止めなくてはならないからである。
(3)そして、住宅街やカオスな街中を走行するとき。
〜何かあったら踏み替え時間無しに急ブレーキができるからである。
一般的には左足ブレーキはスポーツドライブ用のイメージがあるが、私はサーキット走行についてはどちらでも良いと思っている。私レベルの運転技術ではタイムに影響しないからだ。
どちらかと言えば、輸入車の右ハンドル仕様でブレーキが左側にオフセットしている場合は左足。そうでなければ右足という感じだろうか。
最後に、踏み間違え事故を防ぐ意味では、個人的には左足ブレーキを練習した方が良いと思うが、何しろ一般的なテクニックでないので、あまり人には薦めないことにしている。