最後の贅沢!?友人参観でレ・ミゼラブルを観てきた。
こんにちは。
ジェンダーレス母ちゃんの中村 炎です。
*
ミュージカル『レ・ミゼラブル』
を観てきました。
今日はその日記です。
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自己犠牲はしない
仕事と育児に追われて、
心が枯れかかっていた私は、
幸せな人生のために、
もう、自己犠牲はしないと決めた。
でも、現実はそうもいかなかった。
全ての資金の出処は、自分のお財布だからだ。
それを、
自分のために使うか、
子供のために使うか、
生活のために使うか、
娯楽のために使うかは、
私が選ばなければならない。
人生を豊かにするための必要経費!
と頭で分かってはいても、
シングルマザーという人生を選んだ自分には、贅沢は、これ以上してはいけない選択に思えた。
自己犠牲しないと決めてから、
映画館にはかなり足を運ぶようになった。
安いチケットでなら、自分の心のための贅沢を許せた。
だが、舞台鑑賞となると…
その10倍は、お金がかかる世界だった。
*
今回の贅沢の"言い訳"。
幼なじみが、
ミュージカル『レ・ミゼラブル』に
出演していると知ったのは、
幼い頃一緒にミュージカルを習っていた同士の、
グループLINE。3月のことだった。
私が別居をはじめて、少し落ち着いた頃。
幼い頃、同じ道を志した同士たちは、
次々に、チケットを予約していった。
せっかくそんな素晴らしい舞台に出るのだから、
行って当然だ。
チケット代は、お友達への御祝儀。
当たり前のように、予約サイトを開いた。
*
見栄を張って生きろ
チケット代は、
今の私には、思っていた以上に高かった。
学生時代の私なら、
一番安い席を買っていただろう。
学生時代には、いくつもの舞台を遠くから観たものだ。
でも、
社会に出て15年あまり、まさか、友人参観で、
一番安いチケットを買うわけにはいかない。
それじゃあ御祝儀にならない。
大切な幼なじみに
そんな恥ずかしい思いはさせたくなかったし、
私もそれを、恥ずかしいことだと思った。
なにより、近くで友人の活躍を観たかった。
(くれぐれも、一番安い席で観劇することが悪いという話ではありません。
友人なのに、安い席で済ませる、みたいな気持ちが恥ずかしい、友人なんだから、いい席を買ってあげたい、という話です。伝われ~。)
こんな時、頭に浮かぶ人がいる。
祖母だ。
さすが、私に" 炎 "という名前を付けたがった母を
育てた人。
天真爛漫で、芯の通った、素敵な人だった。
彼女は、とても見栄っ張りで、
亡くなったあとに残ったのは、
遺産どころか、多額の見栄だった。
それでも、そんな彼女を みんなは愛した。
彼女が、みんなを幸せにしてきたからだ。
いつも、迷った時には、彼女を思い出す。
借金してでも見栄を張り、
周りの人を幸せにしてきた姿を。
私の憧れ、自慢の祖母である。
結果 私は、
そんな祖母を頭に思い浮かべながら、
震える手で1等席を買った。
家族で5回も6回も外食できる額だが、
友人の晴れ姿を近くで観られるなら、
大好きなミュージカルが近くで観られるなら、
う…、うん、これは " 良い贅沢 " なんだ。
*
離婚のバタバタに追われて…
前日になるまで、なんだか他人事だった。
離婚でバタバタしていて、
優雅に舞台を観られるような雰囲気じゃなかったのだ。
前日に、慌ててチケットを引き取り、
着ていく服は、当日朝決めた。
なにしろ当日も、
離婚後の手続きのために市役所へ行ったり、
子供たちの保湿剤をもらいに小児科へ行ったりせねばならなかった。
何日も前からワクワクする余裕は、
残念ながら無かった。
*
どうせ見栄を張るのなら
せっかくだから、スーツで行くことにした。
別にただ観に行くだけなら、
いつものGパンTシャツでも良かったが、
久しぶりの観劇、せっかくの贅沢、
せっかくの友人の晴れ舞台だ。
だったら、
自分の好きな自分で、おでかけしたかった。
カッコイイ自分で、挑みたかった。
(ただの観客だけど。)
*
いざ、帝国劇場へ
シュッとした格好で街に出ると、
姿勢もピシッとする気がする。
誰に見られているわけでもないのに、
背筋が勝手に伸びるのだ。
すると、余計に気分が良くなる。
だらしない自分よりも、
好きな自分だからかもしれない。
(頭の中のイメージでは)颯爽と歩いて
劇場に着いた。
オケピやセットを観ただけで、
ワクワクドキドキが最高潮。
なんと、前から3列目の、真ん中の席だった。
こんなにいい席、
後にも先にも経験したことがなく、
なんだか緊張で、いつも以上に手汗をかいていた。
*
レ・ミゼラブル
舞台は本当に素晴らしかった。
最後にレミゼを観たのは、
15年前くらいだったと思う。
島田歌穂さんがまたエポニーヌを演られるとのことで
観に行った、それっきり。
あの頃とは自分の成長具合も違うからだろうか、
全ての人に感情移入してしまった。
そしてレミゼと言えばやはり、素晴らしい楽曲たち。
一曲一曲に目頭が熱くなった。
最近の若者は、目鼻立ちがハッキリしている。
(周知の事実)
あまりにもマリウスがマリウスで、
アンジョルラスがアンジョルラスで、
エポニーヌがエポニーヌだった。
よくもこんな、顔までいい人を見つけ出してきたな。
と、変な感心をしてしまった。
特に、ジャン・バルジャンとジャベールのお2人。
お歌が素晴らしいのは私が言うまでもないのだが、
特に震えたのは、
舞台の上の3時間で、本当に何十年も歳をとったように見えたことだ。
人の人生を生きる3時間。
どれほどエネルギーを使えば、
あんな素晴らしい演技ができるのだろう。
とんでもないことだと思う。
全てのCASTが本当に素敵で、
久しぶりの生の舞台に刺激を受けっぱなしだった。
普段はオペラで活躍している友人も、
何度も何度も着替えて、それぞれに違う人の人生を、
生ききっていた。
私はやはり、ミュージカルというエンターテインメントショーの団体競技が好きなんだなぁとしみじみ思った。
*
エンターテインメントを止めない
私も今、エンターテインメント業界の端くれで暮らしている。
昨年から、コロナで大打撃を受け、
収入も激減しているが、
レミゼという、素晴らしい打ち上げ花火を観て、
エンターテインメントの灯火を消してなるものかと、
強く強く思った。
貧乏シングル暮らしで、
次いつ舞台を観に行けるかは分からないけど、
なんとか、エンターテインメントの火を消さないように、自分に出来ることを頑張ると誓った。
レ・ミゼラブル。
素晴らしい舞台でした。
贅沢して良かった~!!!
自己投資最高~!!!!!
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