1165_スンッ
「あれ、そこまでやる必要はないよ」
「いや、係長、ちゃんとそうやれって言ってましたよね」
「いや、俺そんなこと言ってないよ。ちゃんと確認して」
はあ?
あ、ダメだ、こいつ。
「わかりました」スンッ。
とりあえず、もうこいつと議論してもしょうがない。何も始まらない。もうなにも考えんとこ。何も考えない、疑問を起こさない、心を無にして、感情を殺しておけば。そうすれば。
…って、もう、あかん。限界や、もうホンマキレたろうかな。マジギレして、ガチギレしてやろか
「それで、さっきの話はさ、まあね」
「あ、はい」
何を素直に返事しとんねん。アホらしい。スンとして、真面目に上司に従って仕事してるだけの自分がアホらしい。どれだけ、ここにいる俺という人間に価値があるのかわからない。
だって、俺がここにいてもいなくても、まったくこの組織の体質は変わらないし、結局、世の中の誰にも貢献することなんてできない、間違いなく。
だってひたすら不祥事の隠蔽や言い訳しかしてないんだから。マジ終わってるって、マジギレしてやろうか。
まあいいや、これで間違いなく踏ん切りがつくよ。本当にしょうもなくて、最後を飾るにはふさわしいクソっぷり。ブラック企業ないしDV彼氏に最後まで殴られても、会心の三下り半を突きつけてやるんだ。
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