1226_やりきった感
「すごいね、佐藤さんがこの案件を片付けてくれたから、みんなすごい助かるよ」
「いや、正直、僕、この案件ここまでうまくいくとは思ってなかったですけど、最終的にちゃんと形になってよかったです」
「これ系の案件受けるのはじめてだったから、結構大変だったんじゃない?」
「そうですね、結構手探りの部分もあって。自分の中でもいろいろ試行錯誤して、その分、成長することができたなって。本当いい経験になりました」
「そうなんだ」
「なんかこう、本当に自分にとってもターニングポイントになるような仕事だったなって。なんか、感慨深いです。ホッとしてるのはあるんですけど、同時にこの案件、終わっちゃうの、なんか寂しさもありますね」
「わかる気がするな。なんか、こう手放したくない、っていうの。自分がしっかり抱えて離さなかった案件って、コミットしてやってた分、終わったあとのやり切った感すごいよな」
「そうなんです。喪失感とか、そこまではいかないんですけど、自分の子供が巣立っていっちゃったみたいな。あ、子どもどころか、結婚もしてないんですけどね、僕は」
「はは、本当にいい仕事したわけだ」
「そうなんです。ただ単に僕が経験が浅くて、世界が狭いだけなのかもしれないんですけど、僕にとっては、ってことです」
「それはみんなそうだよ、子供から大人に限らず。はじめてやること、経験したことないことをやりきったあとは大体そんな気持ちになる」
「はい」
「どんな年齢になっても、改めてそれを味わえるように、働くことに対して、いつでもそんな心持ちでいれたら、いいよな」
「そうですよね」