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「ええっと、今夜は結局、なにとなにを持って行くんだっけ？このワイン？」
「もう、違うわよ、それはこの前お姉さんとこからもらったものでしょ。じゃなくて、お互いの出身地の日本酒の地酒を持ってこうってことになったじゃない。だから、これとこれね、わかった？」
「OK、あと、なに着てけばいい？こういう機会あんまりないからさ」
「とりあえず、シャツとパンツで清潔感のある服装よ。一応カジュアルでいいとは聞いてるけどね、スーツとかは違うと思うし。でもTシャツ短パンとかダメだから、あとあちらの家に上がるんだから、素足もダメよ」
「まあね、そこはね。こんな風に会長の家にちょっとしたお呼ばれなんて、なかなかないことだからね。あちらに粗相のないようにしないと…。そもそも会長さんってフランス人なんでしょ？日本語喋れるの？」
「奥さんは日本人だからね、ある程度は。すごい綺麗な人で」
「へえ。まあ、僕なんて会長の家の物見遊山になっちゃうけどね。とりあえずは、おとなしくニコニコしておきますよ」
「そうそう、それが一番大事だからね。私たちなんか下っ端なんだから。お客さん気分じゃなく、少しは気を利かせてね、わかった？」
「はいはい、しかと心得ましてございます」
「とりあえず、遅刻は絶対にしないでね」
「了解」