増刷とは?
みなさん、こんにちは。現代書林企画部のAです。
今回は「増刷(ぞうさつ)」について話していきたいと思います。
●増刷とは何か
本をよく読む方は増刷という言葉を聞いたことがあると思います。
増刷は次のように説明されています。
「追加して印刷すること。ましずり」(『新明解国語辞典 第五版』)
「一定の部数を印刷した後に、さらに印刷すること。ましずり。」(『岩波国語辞典 第三版』)
「ましずり」。聞き慣れない日本語かと思います。
本をより売るために追加して印刷するということですね。
増刷すると、本の最後のページである奥付に「202◆年■月▲日 初版第2刷」などと追記します。
本を手に取った時、この記載を見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。
何十年も前に刊行されたものでも、今でも売れ続けているベストセラーがあります。
中には100刷以上になっているものもあります。増刷していることは多くの人に読まれているかを示す目安といえます。
ちなみに、弊社で最も多く増刷した本の刷数は「38刷」でした。
初版発行から20年以上売れ続けているロングセラーです。
●増刷の流れ
本はどのような経緯を経て増刷されるのでしょうか?
増刷までの流れについてお話しします。
本が売れていくと、販売用在庫が少なくなってきます。
同時に書店からの注文が増えてきていて、今後もその本が売れる見込みが高い。このままでは在庫数が足りなくなってしまう……。
このようなタイミングの時に、出版社は「増刷をするかどうか」「増刷するとして何部印刷するか」を検討していきます。
増刷が決定したら編集者は著者に増刷することを伝えます。
もし細かい訂正箇所があれば、修正して印刷をします。
場 合によっては、「◎万部突破!」という言葉を帯に追加し、帯を作り直すこともあります。
●増刷は素晴らしいこと
出版社は「これくらい売れるだろう」と予測し、初版部数を設定します。
その予測を上回り、初版部数が完売し、増刷を行う。
初めて本を出版する著者にとって、これは本当にすごいことなのです。
「増刷が決定しました!」と著者に連絡する時は気持ちが弾みます。
増刷の喜びを著者と分かち合えることは、担当者として本当に嬉しいです。
今回は増刷についてお伝えしてきました。
多くの本が増刷に至るよう、日々、本づくりや販売の工夫を続けています。
現代書林企画部 A