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ドリル寺

鳥取のライブハウス『PASTEL』で出会ったバンド『ドリル寺』について紹介しよう。

田嶋謙太郎(ギターボーカル)、MIKKO(ベース)、カンジ(ドラム)のスリーピースバンドである。田嶋とカンジは元々家が近所の幼馴染で幼稚園からの付き合いである。中学時代に文化祭で他のクラスメイトとバンドを結成しエルレガーデンやグリーンデイのコピーを披露した。そこから先輩のツテでライブハウスで活動し、いくつかオリジナル曲も発表した。中三に上がり進路を考える時期に手応えを感じメンバーは一人除いて同じ高校に入りバンド活動を続ける。だが勉強や部活、恋愛などの青春ムーブメントにうつつを抜かしバンドメンバーのモチベーションはバラバラになりそのまま解散。田嶋とカンジは新しいバンドを組もうとメンバーを募集し、当時美大学生とフリーターの四人でバンド結成。「ドリル寺」はこうして産声をあげた、、、という事はなくヒステリックに具体性無くアートだとかなんとか喚き散らす美大生、常に気怠そうな態度でライブハウスで女性の尻を追っかける事しか脳の無いフリーターに嫌気をさした田嶋とカンジは半年もせずバンドを解散。その後二人は大学に入り田嶋は一度バンドから離れ就職する。カンジは卒業後もバンドを続けそこでMIKKOに出会う。カンジとMIKKOはバンドを組むがあまり手応えは感じず、残念ながら解散。カンジはそこで音楽を辞めるつもりだったがMIKKOの説得で次で最後と新しいバンドメンバーを探すことになった。カンジは最後のバンドという事で当時社会人の田嶋に声を掛ける。田嶋は快く了承し一度スタジオに入るとその時、電撃が走った。様々なバンドを経験したカンジは田嶋とバンドを組んでいた時と比べかなりの腕前になっていたが、数年音楽から離れたはずの社会人を経験した田嶋は詩人としての才能も開花しキャッチーな中にも毒のある歌詞の世界観、超絶技巧とは言えないが何か人の心をつかむ独特な音、田嶋から発されるセンスの塊にカンジとMIKKOの音が混ざり合い初めての音出しとは思えないアンサンブルを奏でた。これはいける。三人はそう思ったとか無いとか。

三人はバンド合宿という事でgwに山奥の宿で猛練習していたとこバンド名を決める話になったが中々いい名前が挙がらない。するとMIKKOの足に棘が刺さり、引っこ抜こうと悪戦苦闘の末ようやく抜けたがそこから血が止まらなくなり仕方なくその穴を塞ぐ形で再び棘を刺したのだ。田嶋はこのMIKKOの奇行を見逃さずぽつりと呟いた。

「ドリル寺」

こうしてバンド「ドリル寺」は生まれ現在も活動している。代表曲「ポメラニアン・ガール」はライブでやると歓声が上がり今日もどこかのライブハウスを沸かせているだろう。

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