現地採用がサミティベート病院で出産(帝王切開)
皆さんこんにちは、私は、タイのバンコクで現地採用で働いているちずると申します。
この記事では、駐在員御用達のサミティベート病院で、お給料も少ない私が子どもを出産した経験についてお話しします。さらに、その時に書いていた日記から、皆さんに役立つ情報を織り交ぜていきますので、どうぞお付き合いください。
私の生活環境
まずは、出産に至るまでの私の状況について少しだけお話させてください。
私は現地採用としてバンコクのコールセンターで5年ほど働いている30代で、ビジネスビザで滞在しています。
お給料は月50,000バーツでのスタートでしたが、毎年昇給があるのと、残業した分はしっかりもらえるので、5年働いた現在は80,000バーツまで上がってきました。
もちろん駐在員さんとは異なり、家賃補助や手厚い保険、車の支給などはありませんが、毎年必ず昇給していくのと、税負担が少ないので日本に比べて生活はしやすいと思います。
そして夫ですが、もともと日本で働いていましたが、私のビジネスビザに付帯する家族ビザでタイにおりますので、今のところ仕事はしていません。
夫1人が数年生きていく分の貯金はあったようですが、昨今の円安と物価高でじわじわ貯蓄を減らしてしまい、そろそろ働き始めるとは言っておりますが、5年も働いていませんのですぐに社会復帰は難しそうです。
家事などはやってくれるのでストレスはありませんが、現状、我が家の家計は全て私のお給料で賄っている状態です。
なぜサミティベート病院を選んだか?
これはズバリ、家から近いことと日本語が通じるからです。
我が家はサミティベートから徒歩5分ほどの立地ですが、不動産屋さんに載っていないようなローカルなアパートを飛び込みで見つけまして、家賃は13,000バーツで60㎡なので、現地採用らしい低コストな生活を送っております。
もちろん、サミティベートが高いということは知っていましたが、「トンロー近辺の他の病院と比べるとそこまで違いはないかな」と、思っていましたので決めた経緯があります。(ただ、あとから色々な料金がかかって生活が大変になるのですが、それは後ほど・・・)
もちろんお値段が安い病院も色々探しまして、ローカルのバンコククリスティアン病院に決めようとも思っていました。
ここは友人がコロナ前にトータル4万バーツほどで出産できた病院で、設備も整っていますが、問題はやはり言語で、ある程度のタイ語がわからないと難しそうだったので断念した経緯があります。
妊娠からサミティベートへ入院までの経緯
ここからは、わたしが妊娠から出産まで、毎日つけていた日記から皆さんのお役に立てそうなところを抜粋して紹介していきます。
合わせて病院での検査にかかった費用なども詳しく書いておきますね。
妊娠の気づきは体のだるさ
わたしが妊娠に気づいたのは仕事中です。連日残業が続いていたので疲れかと思っていたのですが、胸の張りとだるさがとれず、もしやと思って市販の妊娠検査薬を使ったら陽性反応が出たので、サミティベート病院で再度検査をしました。
先生は優しい感じのDr.アンヤーリーという女性さんで、あとから知ったのですがリスクの高い出産に強い先生とのことでした。
初回の検査内容ですが、経腟エコーで妊娠を確認できまして、6週目とのことでした。
子宮近くで1cm程度の出血がありましたが、比較的よくある症状らしく、出血止めの薬をもらい、激しい運動や、自転車&バイクタクシーでの移動を控えれば良いという感じでした。
また、妊娠中は胃の機能が弱くなるために辛い食べ物、食中毒を起こしやすい生鮮食品、流産や死産を避けるためにカフェイン・お酒は控えるように指導されました。
あとは、赤ちゃんがきちんと育つように葉酸サプリも処方されました。
このあたりの費用は会社からや国からの補助はなく全部実費です。
初回の検診でこの金額となると、日本に帰って出産したほうが良いのではと不安になった記憶があります。
つわりの始まり:妊娠7週目から8週目
妊娠初期ではつわりが始まります。
普段会社で食べていたカオマンガイやパッタイなどが食べられなくなり、主食はフジスーパーの冷凍うどんや、Makroの冷凍ポテトフライに変わりました。
あと困ったのがお水やお茶が飲めなくなり、味のついたBoostのスムージーなどしか受け付けなくなった時期がありました。
我が家でスムージーは贅沢品でして、月に1回くらいしかデリバリーしていなかったのですが、この時期ばかりはほぼ毎日飲んでいました。
子宮近くの出血の悪化:妊娠9週目
妊娠が分かってから初めて病院を受診した時に子宮近くで出血がありましたが、経過観察のために出血の状況を見てもらうと、以前よりも出血の箇所が増えていました。
先生は出血止めの薬をしてくれましたが、この時期は無理な運動もしておらず、なぜ出血が止まらないのか正直不安でした。
NIPT(出生前診断)を行う:妊娠10週目
私はかねてより、NIPT(出生前診断)と呼ばれる、母体の血液から赤ちゃんの染色体異常を調べる検査を希望していました。この検査により、赤ちゃんがダウン症などの病気を持っているかどうかが分かります。
また、同時に性別も分かる検査でしたので、早めに赤ちゃんの性別を知りたい方は先生に性別判断も依頼しておきましょう。
NIPT(出生前診断)の種類について
NIPTですが、検査を行う項目数によって料金が大きく異なります。
サミティベートに通院している日本人の妊婦さんは、どれかしらのNIPTを受けている方が多い印象です。
検査はサミティベートで血液を採取し、それを外部の機関に送付して調べてもらう方式なのですが、下記の7種類があります。
ダウン症(21番)、エドワーズ症候群(18番)、パトウ症候群(13番)の3種類の染色体のみを検査するもの:アジア製(金額:1万バーツ台)
13・18・21番の3種類の染色体のみを検査するもの:アメリカ製(金額:2万バーツ台)
全種類の染色体を検査するもの:アジア製(金額:2万バーツ台)
全種類の染色体を検査するもの:アメリカ製(金額:3万バーツ台)
全種類の染色体と4種類の病気を検査するもの:アジア製(金額:2万バーツ台)
全種類の染色体と4種類の病気を検査するもの:アメリカ製(金額:4万バーツ台)
6に加え、その他の病気を検査するもの:アメリカ製(金額:5万バーツ台)
安くない金額なので夫と相談しまして、「全種類の染色体と4種類の病気を検査するもの」のアジア製2万バーツにしました。
アジアというのは台湾での検査でしたが、先生に聞いても全く問題ないとのこと。ちなみに結果は異常なしでした。
体重を増やすように指導される:妊娠15~19週目
妊婦さんの中には妊娠16週目頃から胎動を感じる人もいるようですが、私はその頃になっても胎動が感じられず、赤ちゃんが無事育っているのか不安になっていました。
そんな時、横になっているとお腹に電気が軽く走る感覚がありました。その後も同じような感覚があったため、初めての胎動に感動しました。
それと同時期に、収まりかけていたつわりがぶり返し、体重が妊娠前よりも2kgマイナスとなりました。そのため、1ヶ月後の妊婦健診時には1.5kg増やすことが目標と言われました。
また、この時に母子手帳をもらいましたが、もっと早めに欲しい方は先生に相談してみるのも良いかと思います。
体重の急増による先生の反応:妊娠20週目
前回の検診後からポテトフライとマッサマンカレーをひたすら食べていました。すると体重が無事に3kgも増えました。
1ヶ月で3kgは増えすぎかなと思いましたが、先生には特に何も言われずでした。タイは日本ほど体重管理に厳しくないようです。
安定期に飛行機に乗っても大丈夫?:妊娠22週目
22週ともなるとつわりはなく、体調も安定します。
そこで出産前の思い出にと、1週間ほど海外旅行に行きました。事前に先生にも相談しましたが、なにも問題もないということで送り出してくれました。
ただし出発当日、チェックインカウンターで妊娠している旨を伝えると、妊娠22週頃の飛行機搭乗には診断書の提示は不要にもかかわらず、提出を求められました。(航空会社はスクートでした)
妊娠週数を説明し、診断書の提出は免れましたが、念のために持参しておくと良いでしょう。
※ちなみに妊娠26週目でも日本への一時帰国のためにエアアジアに乗りました。妊娠27週以内であれば診断書なしでも搭乗が可能となっていましたが、ここでも診断書の提出を求められました。
胎児の成長の遅れ:妊娠24週目
この日の検診ですが、先生から赤ちゃんの成長が平均よりもだいぶ遅れていると指摘されました。そこで食事の見直し、特にタンパク質を積極的に摂取するよう指示されました。
その時から私が購入を始めたのは、フードパンダやコンビニで買えるmeijiのプロテインドリンクです。(チョコ味が美味しいですが、糖分が気になる人は白のミルク味が無難)
1つだいたい40バーツ前後で手に入りまして、1日1本飲むように心がけたら、2ヶ月後に今度は先生から、「急に成長しすぎぃ!」と言われたので、効果はあったようです。
※後から知ったのですが、フードパンダなどで購入したほうが安く変えます。
3種混合ワクチンを打つ理由:妊娠28週目
HIV感染やB型肝炎抗体の有無を調べるために血液検査を行いました。また、3種混合ワクチン(百日せき・ジフテリア・破傷風)を接種しました。
妊婦にワクチンを打つのは、主に赤ちゃんを守るためであり、母体が3種混合ワクチンを接種すると、母体内で百日咳に対する抗体が生成されます。
これらの抗体は胎盤を通じて赤ちゃんに移行し、出生後の数ヶ月間、赤ちゃんを百日咳から守る免疫を提供してくれます。
生まれてからあまり日数の経っていない赤ちゃんは免疫が未熟であり、もし感染してしまうと重症化するリスクが高まるため、この時期にワクチンを接種することは重要だそうです。
ちなみにMMRという、麻疹(はしか)、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、風疹の3つの病気を予防するための混合ワクチンもありますが、こちらは妊婦さんは接種できませんので、妊娠前に御夫婦でスネークファーム(接種費用が安い)などで打っておくことをおすすめします。予約無しで当日飛び込みでOKです。
羊水量を増やすには?:妊娠28週目
この時の検診では、羊水量が通常より少ないと診断されました。次から次へと問題が起こるものですね。
羊水が少ないと、赤ちゃんが正常に育たないリスクがあるので注意が必要です。私は羊水を増やすために水を積極的に摂取するよう指導されました。
それからはお水1日2リットルを心がけましたら、検診では注意を受けなくなりました。でも毎日プロテインドリンク2本+お水2リットルのノルマは正直きつかったです。
サミティベート主催の後期母親教室に参加する:妊娠33週目
妊娠32週目以降の方を対象とするサミティベート病院主催の後期母親教室に参加しました。父親も参加可能でしたが、平日主催の影響からか、ほとんどの参加者は母親のみでした。
教室の内容としては、前半に出産の流れや出産費用について説明があり、後半には出産を行う部屋を見学させてもらいました。内容はすべて日本語で、色々な疑問に答えてくれます。
また、この頃から赤ちゃんの成長が著しくなるため、妊婦健診が1ヶ月おきから2週間おきになります。この頃の赤ちゃんは1週間で400gほど増えていってもおかしくないようです。
ちなみにこの集まりに参加しているお母さんたちは、みんな出産日が近い人ばかりです。ここで仲良くなっておけば、同時期に同じ悩みを打ち明けあえるかけがえのない友人達になる可能性が高いです。積極的に声をかけて仲良くなることをおすすめします。
妊娠35週目の異常出血!
トイレに行くと、塊とともにまとまった出血があり、思いっきり不安になりました。
正直なところ、検診の料金がここまでにかなりかかっているので、病院に行かずにやり過ごしたかったのですが、正産期に入っていなかったため、万が一を考えて病院を受診しました。
出血の原因を調べるためには感染症検査、子宮口の開き具合の確認、NSTが必要とのことで、「ああ・・これは10000バーツコースだわ・・」と覚悟を決めつつ検査をしてもらいました。
ちなみにNST(ノンステレステスト)とは赤ちゃんの心拍数とその反応によって赤ちゃんの状態を調べるテストのことです。
検査の結果、どこにも異常は見られませんでしたが、出血が止まるまでは安静にすることを指示されました。翌日のNSTも異常がなかったため、止血剤としてウトロゲスタンを処方され、様子を見るよう言われました。
原因が分からないのは正直不安でしたが、その後悪化することなく、1週間以内には出血が収まりました。
サミティベート病院の出産費用
ここまでで、一切補助のない現地採用の私には厳しい金額が飛んでおりますが、この後、一番大きな出費となるサミティベート病院の出産パッケージを紹介しておきますね。
※出産予定日の2~3週間前にはパッケージを先生に伝えておく必要があります。
上記の出産パッケージは、妊娠36週未満の出産や、高血圧などの母体に出産時のリスクがある場合は利用することができません。また、自然分娩から帝王切開へ切り替わった場合や無痛分娩を希望する場合には以下のように金額が変更されます。
ちなみに私は2の自然分娩プログラム170,000バーツ(入院期間120時間)に申し込みましたが、急遽、帝王切開に切り替わったのでお値段が237,000バーツになり、さらに促進剤を打つ時に使った個室代金っぽいのが5,000バーツ追加でかかり、合計242,000バーツかかりました。
病院には144時間滞在できたので安心感はありましたが、パッケージに組み込まれている美容マッサージとかは特に必要なかったですし、3日目には自分で歩いてシャワーも浴びれるようになるので、もし2回目の出産があれば、迷いなく帝王切開(96時間:129,000バーツ)でいきます。
NSTで陣痛が来ているかの確認:妊娠38週目
38週目の正産期に入り、妊婦健診は1週間ごとに行われるようになりました。私はNST(ノンストレステスト)をメインに検査を行いましたが、担当医によっては陣痛が始まるまでNSTを行わない場合もあるようです。
予定日前最後の妊婦検診:妊娠39週目
39週目ですので、おそらく最後になるであろうNST(ノンストレステスト)の結果、陣痛は始まっておらず、子宮口も開いていない、赤ちゃんも下に下がってきていないと言われました。
しかし、胎盤の石灰化が進んでいることがわかったため、予定日までに促進剤を投与し、効果がなければ帝王切開での出産を勧められます。(ここで結構なショックを受けて泣いてしまいました)
そのため、翌日に予促進剤を投与してもらうことをお願いしたところ、入院の準備をして病院に来るように指示されました。
促進剤を使用して出産をする場合の注意
日本では、促進剤に効果がなければ翌日も再度トライすることができますが、タイでは帝王切開も一般に浸透しているため、早朝から促進剤を投与して効果が見られない場合、夕方には帝王切開に切り替えられることが多いです。(特にサミティベートは帝王切開になるパターンが多いです)
まあ、頑として帝王切開を拒否することも可能でして、私も翌日にトライしたいという気持ちがありました。
しかし、促進剤をいれたことが原因なのか、私の体調が問題なのか、心電図の数値に赤ちゃんの心拍が弱っていく様子が表示され、私の場合は赤ちゃんが危ないということで急遽帝王切開になった経緯があります。
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
この先は有料記事になりまして、内容としては促進剤注入からの急遽帝王切開に切り替わった当日の詳しい経緯。
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他には現地採用さん向けに子どものビザ取得の流れや、出産後にサミティベート以外で安く赤ちゃんのワクチンが打てる病院のお話が続きます。
皆さんの参考になれば幸いです。
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