桜花賞 走法分析
こんにちは、げんです。
いよいよクラシック開幕ということで、久しぶりに全馬の走法分析を書いていきたいと思います。個人的にはリバティアイランドが抜けていますが、相手は混戦で意外とオッズ確保できるのではないかと思っているので楽しみです。
まずは阪神マイルで狙いたい走法と特徴から。阪神マイルは阪神外回りで行われるため、一般的にはストライドが大きくしなやかに伸びるタイプが有利であり、芝質やゴール前の坂の存在から府中に比べると前肢のパワーも欲しいところ。
また、馬群が固まったり、ラスト3Fの上がりが求められることも多いため、末脚の持続性はもちろんのこと、ギアチェンジ性能についても求められる総合力が必要なコース。
これらを踏まえ、以下全頭診断に入りたいと思います。
エミュー
ストライドと回転のバランスがよく、前肢を折り曲げて叩きつける中山向きの走法。それでも首や全身の連動性がしなやかであり、後肢を高く引きつけて踏み込むような形なのでパワー一辺倒ではなく、スピードも兼ね備えているタイプ。前走で重賞を勝ち切っているように、世代においては能力を高く評価できるが、適性的に阪神マイルは向きそうではなく着内は少し厳しいように感じる。
キタウイング
ストライドの伸びや回転力とのバランスが良く、後肢で良い推進力を生み出せているが、前肢の捌きに硬さが残る走法。特に右前肢の出が悪いので左右で上がり方が異なり、フォームのバランスが悪くなっており、トップスピードに問題があるタイプ。捌きが硬いということが四肢の強度として働いているため、ベストは中山であり、阪神外回りとなると適性的にも厳しい印象。
コナコースト
姿勢が起きていてかっちりとしており、キタサンブラック産駒らしくやや前肢の捌きが硬めでこじんまりとした走法。ピッチ優位なフットワークではあるが、キレるような脚よりもじっくりと加速していく持続的な末脚が特徴的であり、ゆっくりと加速区間が取れれば終いではストライドがしっかりと伸びてくるタイプ。
前走はスローの前有利な中で追い込んできたのは評価したいところだが、世代上位と比べると地味で物足りない印象。さらにラストの瞬発力、トップスピードが問われる想定ともずれるため、個人的には印は回しづらく、今後のタフ馬場や道悪条件で買いたいところ。
コンクシェル
ピッチ優位で前肢が伸び切っていて硬い捌きをしており、強度を活かして行く中山向きの走法。前走出遅れから追い込んできたのは偉いが、ここでは流石に足りないように思う。
シングザットソング
前肢の捌きは若干硬めながらも、強度が高くて程よくしなりが効いており、フットワークの伸縮性も良い。エルフィンSや追い切りを見る限りストライドもしなやかに伸びており、ちょうどいい角度で小刻みに使う首の動きを見ても分かるように回転力とのバランスも整っていて1400,1600mがベスト。
また、後肢のバネ感や収縮の早さが優れており、トップスピードやギアチェンジ性能は上位のものがあるように感じる。今まではこのような持ち味がありながも、ゲートが安定せずもったいない競馬が続いていたが、前走でついに改善されたか。本番でも同様に好位から進められるようならば、人気もしないだろうので相手として考えたい。
シンリョクカ
まずは阪神JF時の見解から。
上記の通り、前走では後肢の素晴らしいバネ感を評価しつつも、良化はまだ先との判断だったが、結果は地力だけで2着と能力を証明した形。
今回の追い切りを見ると前肢の連動性などが大きく前進して来た印象は特にないが、本質的には瞬発力に優れたタイプでありながら、前走タイトな流れからでも終いで長く脚を使えたことは評価しておきたい。
ジューンオレンジ
全体的な連動性がまとまっており、形については特に難点の無い整った走法をしているが、ワンペースな回転とストライド量から分かる通りほとんどキレがない馬。持続力は評価出来るものだとは思うが、出遅れ癖や脚質的にも後ろになってしまうことから、ここでは流石に物足りない。
トーセンローリエ
ストライドがスラっと伸び、全身の連動性も良好で非常に綺麗な走法。特に首の使い方がとても綺麗で、それにともなって前肢の捌きに硬さがなく安定している。後肢はバネ感満載というよりはしっかりと深く踏み込んで一完歩での推進力を得るという形であり、大跳びでややワンペース気味の回転をしている。このことからも分かるようにトップスピードに関しては特筆すべきものはなさそう。
ただ、ギアチェンジ性能に関しては身体の使い方が優れていることで誤魔化せそうな部分がありそう。本質的にはスピード能力の高さよりも持続力が優れたタイプであり、阪神マイルとなると少し足りない気もするが、先行押し切りが出来る脚質なのでTBの恩恵を最大限受けれるなら紐で一考したい。
ドゥーラ
以下は阪神JF時の評価
これらに加え、フットワークがより柔らかくなっていてスピードも感じられるようになっていたが、結果は出遅れが響いての6着。個人的には世代戦のマイルなら対応可能なスピードはあるが、大跳びでややゆったり気味の回転であり、加速区間を十分取りたいような走法を見るとベストは2000m。
脚質的にも後方からになりがちであり、ギアチェンジ性能は徐々に良化中とはいえ本質的には持続的な脚が強みだと思っているため、ここよりかはオークスで期待したい。
ドゥアイズ
身体の使い方や前肢の捌きが素直で難点がなく、全体的にまとまった走法。跳びが高めでワンペース気味な回転力であることなどから勝ち切れない競馬が続いているが、それでも強い相手に惜しい競馬ができているのは脚力が優れている証拠。
また、今まではフットワークに硬さが残ったパワー質のフットワークであり、距離も伸びた方が良いという評価だったが、前走と今回の追い切りからは、この硬さが取れてしなやかなストライドになって来た印象。稍重とはいえ府中の直線で詰まったところから再度伸びて来ていたし、操縦性にも優れているため今回のメンバーなら高評価しておきたい。
ハーパー
姿勢がかっちりと起きており、前肢が伸び切っていて強度が高いのが特徴的な走法。こういった特徴を持つ馬は若駒戦において優位に立ちやすいのだが、本馬も例に漏れず世代重賞を勝利している。また、これら上記の特徴に加え、しっかりと硬いだけでなく全身の連動性が整っていてるのも評価しておきたいポイント。
跳びに関しては大跳びの部類でややワンペース気味だが、前走のようなラストの持続力が問われる展開になると非常に対応しやすい。今回で中団からのラスト3Fでのスピード勝負に付き合ってしまったら厳しいかもしれないが、前目にポジションを取って自身の強みを最大限活かせるような立ち回りができれば足りるのではないか。
ブトンドール
四肢を伸縮させるタイプではあるが、前肢の捌きが硬くストライドが伸び切らないピッチ優位な走法。距離適性的にも1200mベスト、1400mでギリギリくらいで流石にここでは足りない。
ペリファーニア
エフフォーリアの半妹であることから、前肢の捌きは折り曲げ気味にしっかりと地面を捉えるようなパワフルなタイプ。とはいえ、硬すぎる感じさせず、しっかりとしなやかさも兼ね備えているためスピード能力も十分なもの。
また、雄大なストライドと跳びをしていたエフフォーリアと比較すると、跳びの高さやフットワークはややコンパクトにまとまっており、力感も強いため距離適性はマイルベストで伸びても2000mまでという印象。
上記からも分かる通り、本馬はピッチが効いていて力感の強い前肢の掻き込みがあるため、一瞬の加速力が持ち味。そう考えると、前走でスローの展開を好位から立ち回ってラストでコナコーストに差されたのは物足りない。もちろん出負けから掛かって位置を取りに行き、4角では喉が鳴っていたというのも大きな要因だとは思う。ただ、そこを本番で一発回答し、なおかつ能力足りるかと考えると、個人的には合成オッズを邪魔しないほどのオッズは欲しいところ。
ムーンプローブ
以前までは背中の使い方と前捌きが硬く、首も不安定で左右の手前差もあるという問題点の多い走法だったが、前走では大きく改善された様子。それによって前走では大跳び持続を活かして2着に食い込めた形。ただ、トップスピードには問題があり、前走はシングザットソング以外が低レベルであったため、マイルG1で総合力が求められるとなるとここまでは手が回らない。道悪条件となれば一考したい。
モズメイメイ
新馬戦ではなんとか起こせていたが、2戦目からは首が低く、それによって前肢が出しにくい形になっていてややガニ股気味の硬さがある捌きだが、身体が柔らかいのか背中や他の部位の使い方が上手く、紙一重のところで全体の連動性を保てていてストライドの伸びは良好。トップスピードに関しては首の問題でそこまで高くはないが、後肢の脚力と前目から押し切ることで戦えている形。
前々走では着差以上の圧勝、前走では重賞勝利と世代戦上位の能力はあると思うが、どちらもスローの展開で恵まれたのは否めない。今回は内前が有利となりそうな馬場であり、同様にドスローになれば着内を期待できるが、ラスト3Fでのトップスピードが求められるようであれば少し足らないか。
ライトクオンタム
後肢の踏み込みの深さとバネ感が良く、素質の高さは評価出来るが、首が低めで不安定。それによって前肢の出が悪く、連動性もバラバラになりがちとイマイチ高評価しきれない走法。このままの走法では後肢によって一瞬のスピードが生み出せたとしても、その後の持続が続かない形となってしまっており、阪神のラストの坂で失速してしまう印象。
跳びがちょうどよく抑えられていてピッチも効くのでマイルベストではあるが、追い切り見ても大きな進展はなく、現状ではまだ中京や府中の方が向きそう。今回は人気を想定されるし、オッズを取るためにも本馬はしっかりと消したい。
ラヴェル
以下は阪神JF時の見解
阪神JFでは暮れのタフな馬場での持続力に期待していたが、結果は出遅れで終了。走法見解についても変わって来たところはなく、トップスピードなどよりは末脚の持続力が持ち味。今回やれるとしたら上手くゲート出て先行からの押し切りが出来れば理想的だが、流石にそこまで求めるのは厳しいか。距離も伸びた方が間違いなく良いのでオークスを見据えるとここで買う必要はないように感じる。
リバティアイランド
以下は阪神JF時の見解
上記の通り、本当に美しくて素晴らしい走法をしており、走法採点ではダントツの一位。前走では手前や連動性、タフ馬場であれこれしようとしたが、結果的には早い流れにも対応し、能力が違いすぎて圧勝。さらに上記で指摘した加速時の問題も前走や今回の追い切りを見る限り解決済みであり、今の綺麗な馬場の方が前走より向くことを考えると個人的には逆らえない。今年のメンバーレベルであれば、ここはしっかりと勝ち切ってもらいたいところ。
走法評価一覧
※走法評価は走法:適性:距離=7:2:1くらいで評価してます
予想
印
◎リバティアイランド
以下、○以降の印を記載しております。
○ドゥアイズ
▲シングザットソング
△シンリョクカ
△ハーパー
見解
阪神の馬場は想定通り内有利となりそう。
リバティアイランドは内枠で詰まるリスクは高くなってしまったが、その分脚は溜めれるし、ギアチェンジ性能とトップスピード、持続力どれを取っても一線級なので逆らわずに本命。
次に内有利な馬場を考えると、相手本線にはドゥアイズを選択したい。本馬はトップスピードこそ抜けて高くはないが、全体的に難点のない好走法をしており、先行力や馬群を捌けるなど安定感の高いタイプ。以前はじっくりとスピードに乗せていかないと行けないような走法だったが、それでも阪神JFとクイーンCで馬群を捌きながら伸びてきているのは評価しておきたい。また、個別見解にも記載した通り、追い切りで前肢の捌きがスムーズに良化しており、これによってギアチェンジ性能の向上も期待できる。大外ぶん回しのトップスピード比べとなったら厳しいだろうが、今回は内枠からTBにしたがって競馬ができそうということもあって有力視。
3番手にはシングザットソング。本当はもう少し内目が欲しかったが、テンでのピッチが良く、前走でゲートも改善してきたということでポジションは取れそう。現時点でオッズも貰えるし、穴としてならここを狙いたい。
シンリョクカは追い切り見る限り大きな上積みや走法良化がそうであり、前走は恵まれる競馬がであり、それでいてドゥアイズとクビ差。ただ、後肢の素晴らしいバネ感や素質を評価して印は回しておきたい。もう少し内目枠だったら一つ評価をあげたかったが紐までに。
ハーパーは事前予想で○候補であり、内目枠を引けたが、少し人気しすぎ。走法的にも捌いて一気に加速というよりは、前走府中のようにじっくりとスピードに乗せていく方が良い。馬単オッズでも1桁台になってしまっているので保険程度まで。
買い目
枠連◎-○ 馬単◎-○▲△
ドゥアイズが前走パドックよりも前肢の捌きが軽く、デキもめちゃくちゃいいのでリバティアイランド差し遅れで抑えてないと後悔しそうなので、枠連も買います。馬単11.3倍、枠連10.2倍なのでそこまで差はないかと。
ご購入及び、ここまでご覧いただいた皆さま、大変感謝しております。いつもありがとうございます。