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「ひげを剃る。そして女子高生を拾う。」を見て「タクシードライバー」を思い出したって話
現在、放送している「ひげを剃る。そして女子高生を拾う。」というアニメを見ている。
タイトルからして、「まさかJKを拾うって話じゃないよなぁ? なんかの例えか?」と思って見てみたのだが、まさかの本当に家出したJKを家に住まわせるという話だったので戦慄した。
ちょっともう、面白いとかどうとかじゃなく、最後まで見なければならない、そう感じている。
見ていて唐突に思い出したのが、スコセッシ監督による映画「タクシードライバー」だ。
名作なのでご覧になった方も多いとは思うが、40年前の映画ともなると未見の方もおられるだろう。
超ざっくり言うと、社会に不満を持つロバート・デ・ニーロ演じるトラヴィスという男が、14歳の売春婦(ジョディ・フォスター)を助ける。という話だ。
家出少女を救うとこだけが似ていて、あとは別物であるが、なぜかこれが頭に浮かんできたのだ。
ちなみに俺はこの映画、とても勘違いされている作品だと思っている。
前半はトラヴィスという男がいかにイカれているかが描かれている。そして命がけで少女を救けるわけだが、そこでようやく目が醒め、日常へと帰っていく。
「俺達が命を張ってもせいぜい家出少女を一人救けるのが関の山。だけど、それで良いじゃねぇか。だって俺たちゃただのタクシードライバーだろ?」
そういう映画だと思っているのだ。
だが、監督も計算外だった(たぶん)のが、ロバート・デ・ニーロがかっこよすぎたことだ。なんとトラヴィスに憧れる若者が続出してしまったのである。
トラヴィスなんてのはなんの力もないくせになぜか俺は他人と違うとか思い込んでいる勘違い野郎だ。その行動は意味不明。高嶺の花の女をデートに誘うことに成功したというのにポルノ映画に連れて行って逃げられたり、何ごとか起こそうと企み、武器を購入し体を鍛える。それはまだわかるけど、鏡に向かって「You talkin' to me?」(俺に用か?)と話しかける。
こんなん、デ・ニーロがやってるからかっこいいだけだからな? 自分がやってるとこ想像してみ? もう、恥ずかしくて布団を頭からかぶって足バタバタさせちまうわ。
しまいにゃ自分の腕をガスコンロで炙ったりして。それを見た俺は「何やってんだコイツwww」と笑ってしまった。
とにかくトラヴィスはヤベー奴なんだけど、彼に憧れ、モヒカンにしてM-65を着込む奴がマジで出現したのだ。アホか。
それがそんなファッションの話なら別に構わん。だが行動までマネされたら……笑ってはいられない話だ。
さて、件の「ひげひろ」だが、最後には日常へと帰るのだろうか? それを見届けなければならない(原作は未読)。
JKを家に帰してめでたしめでたしで終わるのか? それとも二人は結婚して幸せにくらしましたとさ、で終わるのか?
いやどっちにしろ、この田中って主人公はヤベー奴だけどな!
何が気持ち悪いって、田中の周囲の人間すら、この行為に対して肯定的なのだ。どいつもこいつも「まぁちょっと犯罪スレスレだけど田中は良いやつだし手も出してないからセーフセーフ」みたいな感じなのだ。
いやアウトだから!
ま、俺が許せるとしたら、田中が逮捕され、起訴されるかされないかはまぁどっちでも良いとして、諸問題がクリアになってから二人がくっつく、ていうエンドかな。
トラヴィスと違って田中のファッションは至って普通だし、家出JKがそこらにいるわけじゃないからマネしようにもできないのがせめてもの救いではあるが……。
ともかく、ヤベー犯罪者の部屋からこの作品が出てきたりしないことを祈る。そんなことになったらマスコミさん大喜びだぞ。俺は良いやつだし常識人だから大丈夫だけど、お前らはこんなん見て変な気おこすなよ!
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