This is 水戸ホーリーホック
こんにちは、セタゲンゴです。
また新しい週がスタートしました。
今週は先週よりも自然と少し斜め上を向ける自分がいます。
それはやはり、昨日の試合から元気をもらったからに他なりません。
ですので今回は、そんなホーム試合の振り返りから。
第10節 徳島ヴォルティス戦
昨日はホームで徳島ヴォルティスさんとの試合でした。
結果は1-1の同点。
チームは10試合終わって獲得勝ち点9で、22チーム中20位という順位。
それだけ見れば厳しい状況ですし、批判もあることは承知していますが。
それでも胸を張れるのは…
そりゃ、昨日の試合が劇的だったからです。
前半に退場者を出し、長い時間数的不利になりながら闘い抜き。
終盤に失点するも、ロスタイムの土肥航大選手のラストミニッツゴールで劇的な同点タイムアップ。
まさにスタジアム全体で掴み取った勝ち点1が、今週のホーリーホックファミリーを元気にしてくれたのでした。
憲伸の退場
この日の前半のハイライトは、中央大学から新加入のルーキー高岸憲伸選手。
前節に途中交代でJ2リーグ初出場を果たし、今節はそれが評価されてスタメン入り。
サポーターにも一気に愛されるキャラクターとなった高岸選手。
ところが前半に危険なタックルで退場処分。
このプレーやジャッジへのコメントは控えますが、それも含めてサッカー。
ここから1人少ない闘いは、まさに我慢比べというべきものでした。
10人全員が必死に体を張って徳島の猛攻に耐えていて、なんとか一発のチャンスがきてくれと思っていましたが。
そのころの舞台裏の話。
退場になってしまった高岸選手は、呆然としてスタンド下に戻ってきました。
ショックとチームへの申し訳なさでいっぱいの気持ちだったと思います。
私もうまく声が掛けられないくらい落ち込んでいました。
チームスタッフに付き添われてロッカールームへ戻り、シャワーを浴びてからはPCの前でDAZNで試合の様子を見ていました。
そして終盤の徳島の得点、、、絶句。
でもピッチには諦めない選手たちの姿。
「まだある!諦めるな!!」って声がベンチから飛んでいました。
激的な同点弾
秋葉監督の代名詞「This is football !!」と言わんばかりの幕切れ。
最後まで諦めなかったチームが掴み取った、土肥選手の同点ゴール。
それは途中交代で投入された安藤瑞季選手の体を張ったポストプレーからの、土肥選手の豪快な左足でした。
久々の出場となった安藤選手は、投入されてからずっと、187㎝のブラジル人DFカカ選手と激しいバトルを繰り広げていましたが、パワーで全く引けを取らない強い気持ちを見せてくれていて。
土肥選手の正確無比のシュートも見事ながら、あのシーンで正確なポストプレーを見せた安藤選手もアッパレ!です。
そして忘れちゃいけないのは、スーパーセーブ連発だった山口瑠伊選手。
実は決勝ゴールを生んだロングキックも山口選手だったわけで。
それまで数的不利の中走り続けた選手たちがいて、途中から入った2人が結果を出したという。
まさにチームでもぎ取った勝ち点1と言えると思います。
タイムアップと同時に涙目の高岸選手に、
「サポーターのみんな期待してるから絶対プレーで恩返しだな!」
と伝えると、
「有難いです!頑張ります!」
と目を潤ませながら答えた高岸選手。
そんな彼は、試合終了後に小島社長と抱き合った瞬間、顔を手で覆いながら大号泣。
それくらい強い気持ちでピッチに立っていたからこそ、申し訳ない気持ちでいっぱいだったし、チームが頑張ってくれたことがとにかく嬉しかったんでしょう。
高岸選手はこの1日で物凄い多くの感情を経験したんじゃないかなと思います。
サッカー選手は若くしてお金を稼ぐ社会人になりますが、多くの方々の期待を背負ってプレーします。
だからこそときには厳しい声にもさらされるし、大きなプレッシャーの中でプレーもしなくてはなりません。
そういう環境で仕事するから大きな責任感が身につくし、もちろん世間知らずのことも多々ありますが、だからこそ同年代の若者と比べてもしっかりとした考えができるようになったりします。
きっとこの経験は、高岸選手を大きく成長させてくれるに違いありません。
ホーリーホックの選手たち
正直言いますが、開幕戦のときの大崎航詩選手にしても、今回の高岸選手にしても。
こんなに真っ直ぐ気持ちを表現してくれて、こんなに強い気持ちでピッチに立つ選手たち、なかなかいないと思います。
他の強豪クラブで、1回の勝敗でここまで悔しがる選手がどれだけいるでしょう。
もちろん泣けばいいという話ではなく、それだけ1試合1試合に気持ちを込めている、という話。
ちなみにファンサポーターのツイートを見て知りましたが。
ハーフタイムに入ったときに大崎選手がスタンドに歩み寄り、レッドカード後に主審や相手選手に対してヤジを飛ばしていたことに対し、
「前向きに声をかけてほしい」
と言いに行ったという事実を知りました。
この一言でバックスタンドの雰囲気が変わったそうです。
私もサッカーに長く携わる人間の1人ですが、この行動は決して簡単なことではありませんし、それを行動に移した彼の人間力の高さには脱帽です。
とにかく、選手たちはそれだけ大きな責任を感じてピッチに立ってるということです。
部活動の延長ではないですし、お金を稼ぐプロだからこそ、プレーと結果が伴ってなんぼなのはわかっています。
それを生業にしているからこそ、どちらも問われなくてはなりません。
でも実は結果と同等に大切なものがあり、それは人の感情を揺さぶるような”人間力”なんだと思います。
昨日の試合をスタジアムで観戦した方々は、きっとまた来ようと思っていただけたのではないでしょうか。
もちろん、あんな劇的なゴールはそうそう生まれませんが、でも選手たちは悔し涙を流すくらい毎試合必死に闘いますし、そんな姿を皆さんにお見せし続けることをお約束します。
まさにそれが、「This is 水戸ホーリーホック」です。
フロントの役目
昨日は選手たちから本当に大きなパワーをもらいました。
我々フロントはそんな選手たちが気持ちよく闘える舞台を整えること、そしてそこに来場してくれるファンサポーターの皆様に、色々なサービスやおもてなしをすることがミッションです。
その積み重ねがきっと、強いホーリーホックファミリーの絆を生んでくれます。
昨日は来場者数2300人ほどでしたが、その皆さんが次の試合にもう1人ずつ仲間やご家族を連れてきてくれれば、またその次にその4600人が1人ずつ連れてきてくれれば…
そうすればケーズデンキスタジアム水戸はあっという間に超満員になっちゃいますよね。
まあ、そんなに簡単にいけば苦労はしないのですが...苦笑
でも私は、1万人超満員になることを本気で目指しています。
水戸ホーリーホックのホームタウン(水戸市、ひたちなか市、笠間市、那珂市、小美玉市、東海村、茨城町、城里町、大洗町)には合計で70万人を超える人たちが住んでいらっしゃいますから。
そこから1万人を呼び込むことができなくてどうする、と思っています。
私がいたドイツ・デュッセルドルフは62万人の街でしたが、1部のときはもちろん、2部リーグ所属でも何度も54000人を満員にしていました。
シャルケは25万人の街ですが16万人のクラブ会員がいて、6万人のスタジアムがいつも超満員でした。
だから水戸ホーリーホックのスタジアムが1万人埋まらないという理由はないと思っています。
埋まらないのは私たちの努力不足以外ありません。だから頑張ります。
2019年のJ2リーグで観客動員トップ5はどこも平均9000人越えしています。
そのときの水戸ホーリーホックも平均6000人越えを果たしていますが、37%が招待チケットだったそう。
だからこそ、少しでも多くのファンサポーターの方にチケットを買ってでも来たいと思ってもらえるような試合運営を、試合展開を、これからしっかり作り上げていかなくてはと強く思っています。
最後に
昨日の試合は、諦めないことの大事さやチームのために一人一人が一生懸命働く/闘うことの大切さを教えてくれるものでした。
その中で決して忘れてはならないことは、ベンチ入りしていても出場できなかった選手いることや、ベンチ外になって悔しい思いをしていた選手もいる、ということ。
場外では試合前に新里涼選手、黒石貴哉選手、三國スティビアエブス選手がサイン会に参加してくれていました。
誰もがピッチに立ちたいと思いながらも、そうやってクラブのため、チームのため、そしてファンサポーターの皆さんのために、日頃の感謝を込めて、しっかりと対応してくれたことに心から感謝です。
本当なら悔しくてしょうがないと思いますが、でもそういう一つ一つの行動が、来場してくれたファンをまたスタジアムに導いてくれるはずです。
チームはまだまだ楽観視できる順位にはいません。
しかし、ここから上がっていくと信じていますし、昨日のような闘いができるのですから心配はしていません。
悲観もせず、楽観もせず。
また次の試合に向けてしっかりフロントもしっかりと準備していきますので、是非また、ケーズデンキスタジアム水戸にお越しください。
できれば #プラスワン もお願いします!
それではまた、今週末も“このチーム全員”がスタジアムでお待ちしています。
頑張るときはいつも今
瀬田元吾
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