セタトーク振り返り
こんにちは、セタゲンゴです。
水戸ホーリーホックの2023シーズンが終了し、1ヶ月半近くが経過しました。
クラブからは来季に向けて契約延長や契約満了、移籍発表などが少しずつ出てきています。
この業界で生きている以上、全く同じチームで来年も戦う、ということはありません。
そういう意味でもチームの選手たちは一期一会だと改めて思いますし、成績こそ振るわないシーズンにはなりましたが、それでも二度とない2023シーズンをホーリーホックの選手としてプレーしてくれた選手たちに感謝します。
良い訳
今年の水戸は獲得勝ち点47点、22クラブ中17位。
この結果に満足している人はいないと思います。
結果が全ての世界ですから、この結果には何もいうことはできませんし、何がうまくいかなかった原因なのかは現場で様々な検証を行っています。
定量的なこと、定性的なこと、様々な要因にしっかりと向き合い、来季の改善に繋げていきます。
西村GMとの会話でも、改めて反省をしたこと、今後の方向性など、色々な会話をしています。
とにかくこの仕事をしている以上、結果が出なければ批判はされるもの。
こればっかりはしょうがない。
言い訳はできないし、でもだからこそ同時に、それ以上の価値ってものも追求していかなくちゃいけないと常日頃から思ってます。
私の解釈ではありますが、それは「言い訳」ではなく「良い訳」です。
なぜ、水戸ホーリーホックなの?
なぜ、好きなの?
なぜ、応援するの?
そんなたくさんの「なぜ」に対する“良い”答えです。
勝つことが全てで応援しているのであれば、CLで優勝するチーム、W杯で優勝するチームを応援した方が、勝利して良い気分になれる確率は高いです。
それでも水戸ホーリーホックを応援してくださる人たちがたくさんいます。
そこには、CL優勝やW杯優勝に勝る「なぜ?」の答えがあって、その答えが皆さんにとって、最も大事な価値観なんだと思っています。
私たちクラブ側は、そんな皆さんの想いに応えられるよう、日々過ごしていく必要があると、私は考えています。
アウェイバスツアー
そんな2023シーズンですが、私はこの1年を通じて、アウェイバスツアーに8回乗車させていただきました。
アウェイバスツアーへの参加は去年も数回していたのですが、今年はある取り組みに挑戦していました。
それは毎回、こちらでテーマを決めて、車内でプレゼンする、というもの。
去年から乗車させていただいていた中で、どのような属性が多いのかを皆さんと会話しながら把握し、なぜ皆さんがバスツアーに参加してくれているのかを考えてきました。
もちろん皆さん純粋に、アウェイでも水戸ホーリーホックを応援したい、と思ってくれて参加してくれているのですが。
中には長距離の運転が心配な方、これを県外に行く旅行として生き甲斐のように楽しみにされている方、自分へのご褒美のように参加されている方、このアウェイバスツアーでできたコミュニティ/友達関係を大切にされている方、などなど。
想像ではなく、会話によって色々な事実が見えてきたりしました。
スタジアムにお越しの大勢のファンサポーターは“集団”ですが、それはやはり“個”の集合体です。
1人1人にご来場される意味や理由があり、ストーリーがあると思っています。
だからこそ、アウェイまでバスツアーに参加して来てくださる方々に対して何ができるのか、それを考えてのトライをすることにしました。
それがクラブの裏側や、皆さんには見えにくいきめ細やかな取り組みをプレゼンするという通称 #セタトーク です。
元々は社長小島が時々乗車した際に、ここだけのオフレコトークですよ、と言って色々な話をしていたのですが。
それが非常に需要があったり、皆さんの意外な楽しみになっていたことがわかったので、それを形にしたということです。
なおもちろんですが、ご家族やご友人で乗り合いなどでアウェイまでお越しいただける多くのファンサポーターの方々がいることもよく理解しています。
バスツアーでの話を聞いてみたいけど、子供もいると全員の乗車代を考えると難しいんだよね、と言ってくださる方も1人や2人ではありません。
そんな方々からも需要があるようであれば、#セタトーク を、いつかどこかでスピンオフでやることも全くやぶさかではないと思っています。
セタトーク趣旨
私は皆さんがクラブのことを大好きで、一生懸命応援してくださっていることをよく理解しています。
「負けると1週間が憂鬱だよ」と言われると、申し訳ないという思いとともに、こういう方々をもっともっと増やしていかねば、と思うのです。
そんな皆さんにクラブに対して持って欲しくない感情は、不信感です。
自分が応援する大好きなクラブが信じられなくなったら、そりゃテンションも下がりますよね。
恋愛だってなんだってそうだと思います。
だからこの #セタトーク のテーマは、皆さんにあまり見えていないであろう裏側の話。
私の立場でお話しできるギリギリのラインですが、皆さんにも知っていただけると、いろんな誤解や見えなかったがための不信感は減るのではと。
もちろんこの辺の話は隠しているわけではないですし、試合の日にスタジアム周りで聞かれれば話してきたことでもあります。
ただ口頭で話すのと資料を作ってそれを見てもらうのでは、理解度も違ってくるとおもっていますので、その辺は毎回丁寧に資料作りをさせていただいてました。
ちなみに最初はドラフト会議の裏側の話を、余す所なくお伝えしました。
どんな背景で始めた取り組みか、そこまでにはどんなストーリーがあったのか、当日の裏側で行われていた嵐のような業務などなど。
また別のツアーでは、クラブの成長戦略のお話。
どんなことを強みと考えて日々営業しているのかなんて話は、皆さんにも関心を持って聞いていただけたかなと思っています。
「育成の水戸」を数字で示した回は、皆さんにも色々と腹落ちしていただけた数字が多かったのではと。
嬉しいことに、バスツアー参加者からは毎回好評だったと感じています。
これを始めたことで、これがバスツアーの新しい楽しみとおっしゃってくださる方も出てきて、それはとても大きなやり甲斐でした。
資料を作るのは正直毎回結構時間をかけて考えてやってましたので、なかなか工数がかかっていたのですが、自分でやると決めた以上、最後までやり切りましたが、非常に有意義な時間だったと感じています。
来年以降は、毎回乗れるとは限りませんし、毎回私がやるとも限りませんが、色々なスタッフが自分の業務の話をしたりするのも面白いと思ってます。
強制はしませんが、そうやって水戸ホーリーホックのスタッフはファンサポーターとの距離を自分たちから詰めていく姿勢を持っていたいなと。
バスツアーのみの特権にはなってしまいますが、今後も楽しみにしていただければ幸いです。
茨城交通の鈴木さん
余談ですが、茨城交通の鈴木さんにはとてもお世話になりました。
この企画も一緒に考えて、毎回楽しい掛け合いをしながらアウェイの試合に行ったのはとても良い思い出です。
今年の秋に退職されてしまったので、添乗員としてはもうご一緒することはなくなってしまったのですが。
引き続き水戸ホーリーホックのサポーターとしてケーズスタには来てくださっているので、いつかアウェイバスツアーの参加者として乗ってくれるんじゃないかなと期待しています。
鈴木さん、有難う御座いました。
さいごに
今年はドイツのハノーファー、ベトナムのソンラムゲアンと、それぞれ業務提携をする年になりました。
ハノーファーには松田隼風選手を送り出し、可能性を高めてくれています。
そして年末にはアカデミーの新しい拠点整備に向けたプロジェクトを発表させていただきました。
「育成の水戸」を抽象的な言葉にしないためにも、私たちは一歩ずつ歩みを進めていきます。
それは全て「新しい原風景をこの街に」という想いのもとです。
もちろん目の前の結果だって求めていきます。
自分たちの力全てをかけて、戦っていきます。
でもこのクラブは来年も再来年も、5年後も10年後ももっと先も存在していけなくてはいけないし、そのためにやらなくちゃいけないことがあることは、忘れちゃいけないと思っています。
皆さんにはそんな水戸ホーリーホックを信じて、この先も応援していただければ幸いです。
2023年も有難う御座いました。
皆さま、良い年をお迎えください。
頑張るときはいつも今
瀬田元吾