プロサッカークラブとして。

こんにちは、セタゲンゴです。

今日は水戸ホーリーホックの人間として、大宮アルディージャ関係各位の皆様、大宮アルディージャのスポンサー企業の皆様、そして日頃より水戸ホーリーホックを支援・応援して下さっている皆様、水戸ホーリーホックのスポンサー企業の皆様、さらにはサッカーに関わる全ての皆様に対して、謝罪をさせてください。


Jリーグ第20節、アウェイ大宮アルディージャ戦で弊クラブ所属の木下康介が、スポンサー看板を蹴るという行為をしてしまいました。

一瞬の出来事だったため、認識された方は少なかったかもしれません。

事実として破損があったことでクラブ間でも話し合うことにはなりましたし、マッチコミッショナーからJリーグへ報告されることになったのですが、破損したかどうかではなく、この行為をしてしまったこと自体を重く受け止め、クラブとしてもこの数日間、真剣に話し合いを行ってきました。

何よりもプロサッカー選手が何に支えられているのかをしっかりと理解させ切れていなかったという意味でも、クラブの教育不行き届きだったと真摯に受け止めております。大変申し訳ありませんでした。

多くの皆様を不快にさせてしまう事象であったと認識していますし、生じてはならない事件だったと重く受け止めています。


私たち水戸ホーリーホックは、人材教育に力を入れているクラブです。

その取り組みが近年は評価してだけるようになってきたと感じていました。

一方でこういった事象が起こってしまったことで、自分たちの選手教育という部分がまだまだ十分ではなかったと痛感しましたし、もっともっと徹底していかなくてはならないと強く思い知らされました。


今回の件に関して、木下にはJリーグから1試合の出場停止という処分が下りましたが、クラブからも独自の追加処分としてもう1試合の出場停止という判断をし、加えて独自の研修プログラムを用意しました。

具体的には日頃のフロント業務に帯同させ、自分がどういう人たちに支えられてピッチに立てているのか、多くの方々がどういう想いで応援してくれているのかを知る機会を提供することになります。

この研修プログラムを通じて、彼が成長する機会をクラブ全体で提供していくことで、全員が自分事に捉える必要がありますし、誰もが責任を持って対応してまいります。


木下は18歳で海を渡り、ストライカーとしていくつものクラブを渡り歩いてきたからこそ、ピッチの上で結果を出すことに必死に向き合う生き方をしてきた選手です。

外国人選手として扱われ続けてきたからこそ、ピッチの上での結果がすべてという価値観が彼の中にあったのは事実です。

また27歳という年齢は今の水戸ホーリーホックの中では3番目に年上というポジションであり、加えて190㎝という大柄だからこそ、なかなか周りを寄せ付けない雰囲気を持っていて、少し勘違いされていたりする部分はあったかもしれません。


今木下は各部署のスタッフに帯同し、現場の日常の仕事を研修という形で経験しています。

研修プログラムを受ける彼からは、本当に反省している姿勢が感じられますし、何よりもそれを言葉にして私たちにも伝えてくれています。

全スタッフが参加する全体会議にも出席し、各部署が今何をしているのかの発表を聞いたうえで、全員の前で発言させましたが、そこで彼の正直な気持ちを聞くことができたりしています。


決して彼を擁護するわけではないですし、彼のやったことは許されることではありません。

でも失敗しない人はいませんし、大事なことはそこから何を学び、成長できるかだと思っています。

私たちクラブ側は彼を甘やかすことなく、包み隠さずクラブの仕事を見せてあげることが重要ですし、それをみんな理解して関わるスタッフがいろいろな話をしてくれています。

これはフロントスタッフにとってもいい機会であり、選手と改めていろいろと話す機会になることで、一緒に同じ看板を背負って仕事している仲間という意識を強く持つきっかけにもなっていくはずと思っています。

そういう意味でも今回の事件はクラブ全体で受け止めて、改めてクラブ全体が成長していくきっかけにしていきます。


「皆さんがこんなにいろいろな仕事をしてくれているということを知り、これだけ一生懸命取り組んでくれている皆さんに対して、なんということをしてしまったのかと、自分の行為を恥ずかしく思っています」

これは全体会議に出席した木下のコメントです。

とりあえずこう言っておけばいいだろう、ではなく、心から思ったことを口にしてくれてると感じました。

でもそれは、これからの彼の言動でしか証明できません。

私たちフロントは、木下がそれを証明していけるようサポートしていきますし、何よりもそれを皆様に見せてまいります。


こういう事件が起きてしまった以上、賛否両論があることは承知していますが、それでも「選手教育」が私たち水戸ホーリーホックの最大の強みです。

だからこそ、間違いを犯した選手に全力で向き合い、一緒に成長してまいります。

これはクラブとしての覚悟であり、私自身もその覚悟を持って日々を過ごしていく所存です。


私たちプロサッカークラブは、地域の皆様に夢や感動をお届けすることが最大のミッションであり、存在意義です。

それを改めて胸に刻み、日々に業務にあたってまいりますので、引き続きよろしくお願い致します。


頑張るときはいつも今

瀬田元吾

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