アグレッシブなクラブ。
皆さんこんにちは、セタゲンゴです。
レノファ山口戦は激しい点の獲り合いになりましたが、このシーソーゲームを曽根田譲選手のラストミニッツゴールで制しました。
お陰で最高の気分で新しい週を迎えられています。
2試合連続でのロスタイムでの得点。
ここには3つの要素が隠されていると私個人は思っています。
あの時間帯まで走り切る走力/総力を持っていること
リードされても追いつかれても最後まで諦めない強いメンタルを持っていること
どの選手がピッチに立っても全く遜色がないくらいのパフォーマンスが見せられるという層の厚さが備わっていること
簡単なようで、当たり前のようで、実はとても難しいこと。
当たり前を当たり前にやることって、意外と難しいじゃないですか。まさに、アレです。
とにかくお客様をタイムアップの笛まで帰らせない、これはエンタメとして究極の追求ですし、それを体現してくれている選手たちには脱帽です。
今回の課題
そんな劇的勝利の余韻は大切に噛み締めつつ、立場上触れなくちゃいけないこと。
4月23日(土)16:00キックオフで開催された、J2リーグ第11節 水戸ホーリーホックvsレノファ山口戦(ケーズデンキスタジアム水戸)には、1975人の方々がご来場くださいました。
スタジアムに足を運んで下さった皆様には心から感謝申し上げます。
その上で、今シーズンはじめての2000人を割るという現状は、運営を行なっている側としてはとても悩ましいところです。
ひたちなかのネモフィラが見ごろ?
鹿島アントラーズの試合があった?
県内で学校行事があった?
土曜日開催は働いている方々は来れない?
やはり観戦リスクは避けたい?
要因はいくらでも考えられるのですが、そこじゃないのです。矢印は自分達に向けなければいけません。
要はそういうことがあっても足を運んで下さったファンサポーターの方々が1975人いたわけですし、そこには子供たちの姿もあったわけですから。
「〜もあるけど水戸ホーリーホックの試合観戦は譲れない」という方々の絶対数をもっともっと増やしていかないといけないということ。
改めて、ご来場いただいた方々には心から感謝いたします。
きっと、ほんとは行きたかったよ!って方々もいらっしゃったと思っていますし、そういう方々はDAZNでご視聴いただいたのでは、と思っています。
こちらも本当に有難う御座います。
選手たちは文句なしのパフォーマンスを披露してくれました。
ピッチの結果も、劇的な内容も、ファンサポーターをスタジアムに引き込むに十分です。
安心して勝てれば、という意見があることもわかりますが、相手だって必死ですし、そう思い通りはいきません。
むしろここ2試合のような苦しい展開でも、最後まで諦めないことの大切さを示してくれたという事象は、ある意味では教育的要素もあるんじゃないかなと思ったり。
それは子供たちに対して、そして大人の方々にとっても、日頃から何か諦めてませんか?って問いかけにもなるんじゃないかなと、この試合を見ていて感じました。
語らずして行動で示す
人間が一番カッコいいいと思うやり方ですよね。
少なくとも私は、選手たちをそういう目で見ていましたし、そういうチームのために働けていることを誇りに思っています。
終礼での言葉
試合後の終礼で、社長の小島が全員に向けて伝えたことがあります。
・改めて1人1人が細部にこだわろう
・コロナを言い訳にするのはもうやめよう
おっしゃる通り。
私たちはアフターコロナに向けて、とにかく信じて仕掛け続けることをやめません。
昨日の試合の唯一の“負け“は、私自身と思っています。
誰が、どこの部署が、じゃなく、私自身。
選手たちからもスタンドが寂しい、という声が出てるとのこと。それが申し訳ないし情けない。
そんな中、そういう状況で行動してくれる選手たち。
こんなことを自主的にやってくれるって、普通のことじゃないですよ。
日本中のJリーグの関係者に聞いてみたい、そんな行動する選手いますか?と。
しかもホーリーホックでは、こういうことができる選手が1人や2人じゃないのです。
水戸ホーリーホックファミリーの皆さま、これは間違いなく胸を張れることです。これは断言いたします。
改めて選手たちには感謝。
今は集客については苦しいこともありますが、必ず取り返します。
毎試合の集客は短期目標としての仕掛け、長い目で見たときの水戸ホーリーホックファミリーの増加という中期目標のための仕掛け、そして大きくなったファミリーを受け止める大きな器になっていくための長期目標と、そのための壮大な計画…
ちゃんと整理しています。
ちゃんと考えていますし、なるほど、あれはそういうことかってことを、少しだけ紹介したいと思います。
ホームタウンPR大使
ご存知の方もいるかもですが、改めて今年から始めた取り組みをご紹介します。
この取り組みが他のどこのJリーグクラブよりも手がこんでいて本気かってことを知っていただければ。
水戸ホーリーホックには9つのホームタウン(水戸市、ひたちなか市、笠間市、那珂市、小美玉市、茨城町、城里町、大洗町、東海村)があり、そこには70万人を超える方々が暮らしています。
だからファンサポーターが70万人いる、ということではありません。
むしろ、水戸ホーリーホックなんて知らないよ?とか、え、うちの市町村がホームタウンなの?なんて方々も少なくないはず。
でもなかなかクラブはここに手をつけることができていませんでした。
確かに毎シーズン、各「市町村の日」というものを設定し、表敬訪問やホーム試合で盛り上げることはやってきました。
でも本当の意味でファンサポーターになってもらう、知ってもらうための歩み寄りってできていたのかな。
「水戸(ホーリーホック)のこと応援してください」
って無意識で言ってませんでしたか?
そもそもみんな9市町村全て言えますか?
それぞれの土地に足運んだことありますか?
そういうところだな、と。
今年も16人の新加入があったわけで、選手の名前を覚えるのって大変なんです。
私だって全員覚えるのが大変なのに、それをどうしたら覚えてもらえるのか。
結論、私たちが出した答えは、まずは各市町村のPR大使たちを覚えてくれればいい!ってことです。
それぞれの市町村の担当を決めて、その選手たちを応援してもらおうってことです。
ということで各市町村のPR大使を決めたわけですが、決め方にもこだわりました。
正直言いますが、9市町村あれば、やはり温度差もあります。
そりゃそうです、これは私たちのこれまでの接し方の問題。矢印は自分。
じゃあどうやって巻き込むのか。
各市町村へ、既存の選手はもちろん、新加入選手については丁寧に紹介をし、じっくりと選手たちを知っていただいた上で、自分たちの市町村を誰にPRしてほしいか、候補を5人挙げていただきました。
これが俗に言う、「水戸ホーリーホックPR大使ドラフト会議」です。
5人挙げなくちゃいけないから、それなりに選手をよく見ていただいたと思いますし、希望選手が選ばれるためには人気選手をあえて外したり?なんて戦略的思考も生まれたわけ。
その結果、本間幸司選手に4票入ったかと思えば、新加入の木下康介選手(ひたちなか市)、高井和馬選手(那珂市)、梅田魁斗選手(小美玉市)、茂木秀選手(大洗町)が1位指名を受けたりしたのです。
これは決してクラブ側が推した選手たちではありません。
各市町村の方々が考えて選んでくれた結果だったのです。
ちなみに選手たちには、どこの市町村の担当になるのかのドキドキ週間を提供しました。
各市町村の観光課からPR動画を提供していただき、クラブのSNSで1つずつ発信。
それを選手たちもそれぞれが見て、「へーこんな綺麗なところあるんだ」「面白そう、行ってみたい」なんて会話をしながら、ドラフト会議となったのでした。
ちなみにドラフト会議は全選手が参加し、各市町村の担当者たちもZoomで参加。
生配信をしながらの会議は大盛り上がりでしたが、それもこれもこの企画の趣旨を理解し、積極的に参加してくれた選手や監督コーチングスタッフのおかげです。
PR大使効果
そんな風にして決まっていったPR大使たちですが、最初の効果はDAZNの放送に現れました。
木下選手がゴールを決めれば「木下選手はひたちなか市のPR大使です」、高井選手がゴールを決めれば「那珂市の皆さんおめでとうございます」、茂木秀選手が好セーブをすれば「茂木は大洗町のPR大使」なんて実況の方が触れまくりで。
早速PR活動できちゃってる選手たち。
中にはオフを使って施設訪問なんかしちゃう選手も。
そして冒頭紹介したホーム試合のGRASS ROOTS FARMブースで、自分の担当の市町村から出品となっていた食材の店頭販売に協力しちゃったり。
色々なところに意識改革が見て取れるようになってきています。
表敬訪問
そんな中、今日4/25(月)にはひたちなか市への表敬訪問を実施します。
5/8の試合が「ひたちなか市の日」になっているので、それに先駆けての訪問です。
そしてこの訪問はただの定型行事では終えません。
なんと表敬訪問後に即席サイン会を実施しちゃいます。
この「ひたちなか市の日」は、ひたちなか市に在住・在学・在勤の全ての方々が優待チケットご購入対象。
通常価格から50-75%。
まさに破格提供。
「ひたちなか市の日」ですから、この日にはさらに小学生向け企画も用意してます(後日発表予定)。
とにかく、表敬訪問からのサイン会なんてなかなか尖った企画ですが、私たちにできることを全力でってことです。
もちろん、ひたちなか市に在住・在学・在勤じゃない方々も、サイン会にお越しいただくことは問題ございません。
是非選手たちに激励の声を掛けに来てくださいね。
まとめ
こういうことの積み重ねがそれぞれの土地に新しいファンサポーターを作っていくと信じています。
生の選手はやはりカッコいいですし、オーラもありますよ。
ピッチの内外の姿を見ることで応援したくなると思います。
私たちは無料招待券を配ることはしませんが、できる限りの施策で皆さんに歩み寄りたいと考えています。
とにかくアグレッシブに仕掛け続けていきます。
私個人としては、水戸ホーリーホックを自分の家族の運動会のように思ってくださる方々を増やしていきたいのです。
自分の子供が徒競走を走ると思ったら、騎馬戦に参加すると思ったら、玉入れをすると思ったら、リレーを走ると思ったら…
結果はともあれ、全力応援ですよね。アレですアレ(もちろん私たちは勝利を目指しますが!)。
そういう皆さんが足を運んでくださるようになれば、いつかスタジアムは満員になり、チケットを買いたくても買えない世界ができてくると信じています。
Jリーグクラブが地元にあることの幸せを、是非皆さんも体験していただきたいです。
今回はPR大使企画を改めて取り上げて紹介しましたが、これからもどんな仕掛けをしているのか、紹介していきます。
例えばホーリーくん関係で、近日中にリリースありそうですしね。
パートナー企業の皆様をより強い絆で繋いでいくための施策なんかも考えてますし、皆さんに少しでも私たちの想いを届けていければ幸いです。
それでは、今週は水曜日にアウェイV長崎戦、そして週末はホームで甲府戦ですので。
皆さん応援よろしくお願いします‼️
頑張るときはいつも今
瀬田元吾