失う前に気づくことの大切さ
こんにちは、セタゲンゴです。
前節、モンテディオ山形戦。
選手たちは勇猛果敢に戦ってくれました。
何度も何度も山形ゴールに迫りました。
それでも出ない結果。
6試合勝ち星なしという現実。
選手たちもファンサポーターの皆さんも、全く同じ感情をシェアしていると思います。
それでも最後まで信じることの価値を、応援することの価値を、選手たちがピッチで証明してくれますので、ちゃんと見届けてください。
運命のクライマックスへ
いよいよ残すところも今シーズンあと2試合。
昇格も降格もない中での試合とはなりますが、サッカーの神様のいたずらと言うべきか、何と言うべきか。
このタイミングで栃木SCさんとザスパ群馬さんという、北関東クラブ同士の対戦となります。
前期は悔しいことにどちらも敗戦。
この時点で3クラブで繰り広げている「北関東ダービー」において、自力での優勝は潰えてしまうかに思われました。
しかし、栃木さんと群馬さんが続けて引き分けたことで、2連勝すると優勝できるというチャンスが巡ってきました。
クラブとしてはシーズンのクライマックスでこういう盛り上がりが作れることは嬉しいですし、ここはプライドをかけた戦いに勝利したいところ。
先日発表された「47都道府県魅力度ランキング」では栃木県(40位)、群馬県(44位)、茨城県(46位)。
ちなみに茨城県はビリ脱出ですが、私はもっともっと魅力があるところだと思っています。
で、今シーズン42節終了時点での順位は水戸ホーリーホック(14位:勝ち点48)、栃木SC(15位:勝ち点48)、ザスパ群馬(20位:勝ち点39)と、こちらも大接戦です。
北関東ということで仲間意識もあるし、負けられないライバル心もありますし、とにかくこの北関東ダービーは意地の張り合いになります。
余談ですが、私は大学卒業後、群馬FCホリコシというクラブで2年プレーさせていただいた過去があり、当時ザスパさんとは凌ぎを削った思い出があります。
まずは今週の栃木SC戦、アウェイですが、カンセキスタジアムを青く染めて、ファンサポーターの皆さんと一緒に、選手たちの後押しをしたいと思います。
有終の美に向けて
先日、ベテランの金久保順選手が、今シーズンいっぱいでプロサッカー選手のキャリアに終止符を打つことを発表しました。
本人の言葉にもありましたが、怪我と戦った現役人生だったと。
でも彼がピッチに立った時の輝きは本物だったと思います。
私はドイツに長く暮らしていたので、彼が活躍していたその現役時代のほとんどを見てはいません。
でも水戸ホーリーホックのユニフォームを着てプレーした数試合を見ただけで、彼がどのような能力を持った選手かはすぐに分かりましたし、だからこそこの若いチームの中では重要な存在だなと思っていました。
ポーカーフェイスで近づきにくい雰囲気を持っている一面もありますが、会話すると本当に物腰やらかく、色々なことを考えているクレバーな金久保選手。
ある研修を一緒に受けたことがありますが、
「こういう研修はすごく興味があるので、できるだけ受けるようにしてます。30代になってこういう存在の重要性に気づけたし、とても勉強になります。20代の選手たちがこういう機会にちゃんと参加しているのを見て、みんな立派だなぁって思ってますよ」
と優しい目で話していたことを思い出します。
金久保選手はちゃんと周りを見ているし、自分の影響力や存在のことも理解しているのです。
プレーオフの可能性がなくなったところで今季限りの引退を発表したのは、このタイミングで発表することで少しでもこの現状を打破し、もう一度チームやクラブ、ファンサポーターに刺激を与えるきっかけになれればと思ってのことでした。
選手が引退するというのは一大決心なんです。
でもそんな時でもチームメートやクラブのこと、そしてファンサポーターのことを考えてくれていたことに、本当に感謝です。
この発表をしたタイミング、金久保選手は怪我で離脱中でした。
先日アツマーレで仕事をしていたとき、横で練習する選手たちを見ましたが、最後にもう一回自らに鞭を打つべく、必死にリハビリに励む金久保選手の姿がありました。
きっとこの北関東ダービーのどちらかでピッチに戻ってきてくれると信じています。
そのときは皆さん、割れんばかりの盛大な拍手と声援で彼を後押ししてあげてください。
水戸駅改札前に金久保順選手の大きなパネルを設置させていただきました。
サッカー選手として最後の舞台。
サッカー選手として最後の勇姿を、多くの人に見にきてほしいと思ってます。
是非皆さん、応援よろしくお願いします。
監督として最高の去り方
そしてもう1人、今シーズンいっぱいで水戸ホーリーホックを離れることを発表したのが、秋葉忠宏監督。
私はこの1シーズンだけのお付き合いでしたが、最初から人間味溢れる対応をしてくださってましたし、それは終始変わりませんでした。
常に周りを巻き込むパワーのある方ですし、秋葉監督にチャンスをもらって大きく成長できた選手は数多いのではないでしょうか。
秋葉さんはこれからも指導者としてもっともっと大きく成長していくでしょうし、そしてきっといつかまた、水戸ホーリーホックに戻ってきてくれるはず。
そのときはクラブもトップディビジョンで戦えているように。
クラブも秋葉さんに負けないくらい成長して、またの再会となれば最高ですね。
いや、そうしましょう。
ちなみに今回の退任は決して解任ではありません。
双方合意の上、こういう道を選択したということになります。
監督という職業は、往々にして就任した時点で解任からのカウントダウンだ、と言われるもの。
実際、多くの監督が、どれだけ結果を出したとしても、それを出し続けない限り、いつかは解任という結末を迎えます。
稀に引き抜かれるようなケースもありますが、遺恨を残すことも少なくないのがこの世界。
そんな中、今回の秋葉監督の退任はある意味、理想的な去り方だと言えるのかもしれません。
選手はまた変わっていくでしょうし、当然新しい監督のもとで新しいチームづくりをしていくことにはなります。
でも“アキバイズム”は、水戸ホーリーホックの中に脈々と引き継がれていくものと確信しています。
水戸ホーリーホックは多くの選手が出ていくことを良く取り沙汰されますが、長い目で見れば、いつか多くの選手が戻ってきてくれる可能性があるということ。
そしてそれは監督も一緒です。
日本中(海外にも)に水戸ホーリーホックのDNAを持った方達が毎年散っていくのです。
こんなにワクワクすることはないし、そう考えれば、このクラブは既に日本サッカーの発展に少なくない貢献をしているとも言えるかもしれませんよね。
いずれにしても残り2試合、秋葉監督と最高のエンディングを迎えられることを願うばかりです。
カンセキスタジアムでハッピーバースデー歌えたら最高ですね。
最後に
今年はW杯があるため、異例の早さでシーズンが終了します。
つまりあと2試合が終わると、来シーズンの開幕までしばらく水戸ホーリーホックの試合は見られなくなります。
失って気づくものの大切さ、に失う前に気づいていただきたい。
水戸ホーリーホックの試合がある日常、この価値を是非今改めて噛み締めていただきたいなと。
引退する金久保選手も、指揮官秋葉監督も、またそれ以外にも移籍する選手はいるでしょうし、このチーム、このメンバー、このシーズンは今しかありませんので。
残り2試合、栃木と群馬を相手に戦えるなんて幸せなことです。
是非一緒に茨城を代表して、全力で戦っていただければ幸いです。
信じるところから始まります。
きっといいことがあるはず。
だから最後まで信じて一緒に進んでいきましょう。
今回も長文を読んでいただき有難うございました。
頑張るときはいつも今
瀬田元吾
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