ピンチをチャンスに
こんにちは、セタゲンゴです。
本来であれば今週末はホームで大分トリニータとの試合のはずでした。
しかしエントリー可能な人数が、規定の13名以上を充足できないこととなり、2022明治安田生命J1・J2・J3リーグ戦試合実施要項に定めるエントリー要件を満たせないため、Jリーグ規約第62条に基づき、チェアマンにより試合の中止が決定いたしました。
この試合のために様々な方々が多岐に渡る準備を進めてくれていました。
この決定が遅れたことで、大分から飛行機などで水戸に向かってしまっていた方々も多くいたと聞いています。
コロナの感染状況による最終的な決断なので誰も悪くないですし、受け入れるしかないのですが、それでも多くの方々にご迷惑をおかけしてしまったことが大変心苦しいです。
本当に申し訳ありませんでした。
恩を忘れない
最終的に試合の中止を発表したのが当日の9:50頃だったため、すでに少なくない人数の大分サポが水戸を目指してくれていたと思います。
土曜日のナイトゲームということもあって、水戸市内での後泊を予定していた方も多かったと思います。
当日キャンセルは払い戻しが難しいでしょうし、多くの方が切り替えて茨城観光にシフトチェンジしてくれていたようです。
実は今シーズンの開幕戦、アウェイで行われる予定であった大分トリニータ戦が、前日の夕方中止になる決定が下されました。
つまり図らずも今回と逆のような事態が起こっていたことになります。
この時大分のサポーターの方々が、既に現地入りした水戸サポーターのためにSNSを通じて様々な観光地やレストラン情報などを提供してくれました。
水戸サポもこのときのことを非常によく覚えており、今こそその恩を返すべきと言わんばかりに、SNS上で様々な情報を発信してくれていました。
皆さんが瞬時に同じ感覚を持ち、すぐに行動に移してくれること、それがとても嬉しかったです。
皆様にご迷惑をかけしてしまったにもかかわらず、正直批判的な反応がとても少なかったことにも感謝しています。
私は中止のリリースが出た直後からスタジアムでファンサポーターの対応に当たっていましたが、皆さんご理解を示してくださり、改めて頭が下がる思いでした。
大分からいらっしゃった団体もいましたが、
「お互い様ですよね。せっかくなのでスタジアムだけでも見て帰ろうと思って来ました。この後は茨城観光を楽しみます」
と言ってくださった大分サポの皆様に心が救われた気分でした。
改めてご理解ありがとうございました。
コロナ禍というイレギュラーな状況で、図らずも生まれた大分と水戸のご縁。
きっとこの先も、お互いのファンサポーターの記憶の中に残っていく出来事だったのではと、個人的には思っています。
圧倒的ニータン
ご存知の方もいるかと思いますが、大分トリニータのマスコットである“ニータン”は、Jリーグの中でも非常に人気があるマスコットの1人。
Jリーグマスコット総選挙でも常に上位入りしており、今年も4位に輝いていました。
クラブ自体もニータンの価値をしっかりと認識しており、かなり戦略的にブランディングをしているそう。
そして特に今話題になっているのは“圧倒的ニータン”の存在。
クラウドファンディングの返礼品として作られたそうですが、大きさにして80cm、シリアルナンバー付きで5万円という価格。
それでも重版が2度もかかった!?ほど人気で、今ではホーム試合だけではなく、アウェイ試合会場にも連れてくる方がいて、あちこちで話題になってるとのこと。
実は今週の試合に向けても持ってくることを検討されていたサポーターの方から、事前にクラブに問い合わせがありました。
そこでクラブ内でも協議した結果をリリース↓
とさせていただいておりました。
実際、クラブスタッフも本物の”圧倒的ニータン“が本当に来るのか興味を持っていたんです。
そんな中での試合中止決定…
仕方がない状況だったとはいえ、申し訳ないなぁと思っていました。
ピンチをチャンスに
試合当日の朝、Jリーグと大分トリニータさんとの三者協議の結果、中止が決定、その後すぐに水戸ホーリーホックの中ではオンラインで緊急全体会議が開かれました。
結果についてはしょうがない、とにかく当日中止となったことでの対応をしっかり行うこと
これを最優先事項として関係する方々への連絡、そして現地での対応のタスクを確認し、全員が行動を開始しました。
繰り返しとなりますが、本当に苦情は皆無で、逆に多くの方々に励ましの言葉をいただきました。
「早く陽性者が回復されますように。来週を楽しみにしています」
ほんとに多くの方々にこういった類の声をかけていただきました。
とても救われる思いだったとともに、改めて申し訳ないなという思いもありました。
わずかでも今できることはないか、ピンチをチャンスに変えられないか…
そこでどれぐらいの方が来てくれるかは全く未知数でしたが、水戸駅に併設するMYMビル内にあるファンショップを臨時オープンしようと決めました。
大分サポの方々も顔出しに来てくれるかもしれない
アウェイまで応援に行くサポーターの中には相手クラブのマスコットの人形をお土産に買って帰える方も少なくないのです。
そういった方々の為にも、ファンショップを訪れる機会を作れればと思いました。
あ、圧倒的ニータンも行き場を失ってるのでは…
そこでホーリーくんを稼働させてはどうか、という意見がスタッフから上がりまして。
スタジアム対応する者、電話対応する者、ファンショップ対応する者と忙しなく当日の臨機応変なミッションでしたが、皆さんのご理解のお陰でトラブルも皆無だったので、ファンイベントもやってみよう、と。
早速ホーリーくんと交流できる撮影会を企画し、テーブルやら椅子やらセッティング。
どれだけ来るかなぁと心配はありましたが、それよりもそういう場所を用意することが大事。
この辺は柔軟性が売りの水戸ホーリーホック。
みんな理解と行動が早い早い。
そしてあっという間にリリース。
平和な世界
最初はパラパラという感じでしたが、徐々に大分サポの方々の姿が増えてきて。
「圧倒的ニータンも見かけましたよ」
という目撃情報が出始めると、いよいよその来店に期待が膨らむ臨時店舗のオジサンたち。
ホーリーくんも到着し、写真撮影などに応じて非常に和やかな雰囲気なファン交流イベントを行なっているところに…
ついにやってきました圧倒的ニータン!
ここからはこの子たちを撮影する撮影会がスタート。
するとまもなく、二体目の”圧倒的“が到着。
もはや会場は拍手で迎え入れるくらい和やか。
大小たくさんのニータンとホーリーくんも入り、撮影会第二弾がスタート。
見ていて今日が試合であったことを忘れてしまいそうになるくらい、一つのイベントとして成立していたことにホッとしました。
「試合が中止になって行き場を失っていたので、逆にこんな機会を作ってもらえて、大分から連れてきた甲斐がありましたし、報われた思いです」
と逆に感謝されてしまったくらい。
こちらこそ喜んでもらえてよかったです。
決して多くはなかったですが、水戸サポも集まってくださり、とにかく平和な世界が出来上がっていてほっこりする時間でもありました。
さいごに
普段は試合の日は相手クラブのサポーターの方々と触れ合うことはあまりありませんし、まして話し込むことは皆無です。
しかし今回、こんなイベントを通じてゆっくりみなさんと会話させていただきました。
試合があれば応援するチームが違うために、“敵同士”の関係にはなりますが、そうじゃなければ本来はみんなサッカー観戦大好きな人たちという意味では仲間です。
海外でのホーム&アウェーの意味合いは、お互いフェアにアドバンテージ持ちあって戦おうぜ、ってことですが、Jリーグの場合、あちこちに点在する同じ趣味の仲間をおもてなししあう機会なんだなぁということを、改めて強く感じました。
中には何を甘いこと言ってるんだ、っと思う方もいるかも知れませんが、そういう視点は海外で十分経験してきていますから、そんなことは百も承知の上で書いています。
むしろこれがJリーグが、日本が世界に誇る「おもてなし」の精神なんだなと勉強させてもらっています。
私はヨーロッパをよく知っていますので、そういう意味では“圧倒的ホーム感”は作り上げていきたいと思っています。
一方で”圧倒的アットホーム感“も作っていきたい。
正確には維持していきたい、と思っています。
二頭を追うものは一頭も得ず、と言いますが、良いとこ取りした一頭を追いかける、そんな視点でこれからもクラブ運営に従事していきます。
今回は試合中止決定ののちにあったサイドストーリーを紹介させていただきました。
ありがたいことにこのNoteは水戸サポの方々も結構読んでくださっていますし、監督コーチ陣も見てくれています。
だからこそ、中止になった裏側を知っていただく機会になったようであれば幸いです。
そしてこれが、また来週からピッチで戦うチームにとってのモチベーションアップに1%でも貢献できれば本望です。
最後になりますが、改めて多くの皆様のご理解とご協力のもと、毎試合行えているんだと痛感しています。
安心安全な環境で、また皆様に試合観戦を楽しんでいただけるよう最大限の努力をしてまいりますので、来週の大宮アルディージャ戦をお楽しみにしていただければ幸いです。
ちなみに来週はまた、声出しができる試合になりますので!
どうかどうか、現地で選手たちを応援していただけますよう、よろしくお願い致します!
それでは良い週末を。
頑張るときはいつも今
瀬田元吾
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