八咫烏は空を飛ぶ③招き猫を背中に背負う
前回、前々回までのお話はこちら
③招き猫を背中に背負う
ミニミニ白龍を授かった次の日の朝、
私はまた同じ神社に行った。
お礼をしなくてはならないのと
また何かお話が出来るのではと思ったからだ。
昨日と同じように
鳥居をくぐり階段を上がり
ご神殿の前でお財布から55円を取り出し
賽銭箱入れて、二礼二拍手をした。
手を合わせて目を閉じる。
「昨日は白龍をありがとうございました。」
そう心の中で唱えると
「招き猫を背中の真ん中に持て」
神様の声が聞こえる。
え?背中?真ん中?
なんのことー?もっと教えてください!
でも、それっきり神様の声は聞こえなくなり
私は賽銭箱を目の前に途方にくれてしまった。
そもそも「招き猫を背中の真ん中に持て」
という文言が意味不明だ。
あの陶器の招き猫を背負えってか?
それとも、招き猫型のリュックを背負う?
招き猫、背中、招き猫、背中…
ぶつぶつと念仏のように唱えていると
ふと、知り合いが着ている招き猫のTシャツを
思い出した。
確かネット販売しかしてないって言ってたな。
慌てて携帯を取り出し、店の名前で検索をかけると
見覚えのある招き猫のTシャツが目に留まった。
招き猫が数体、前面にプリントされている。
背中側はどうだ?たのむ、背中にあってくれ!
サイト内の写真をスライドしていくと
なんと、最後の写真にちょうど首の下辺りのど真ん中に招き猫がプリントされているではないか!
キターー!!!これだー!
私は値段も見ずに
購入ボタンをポチッと押した。
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