“グリッドレイアウト”をマスターして、チラシを作ってみよう!
こんにちは。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
徳島県吉野川市のデザイン事務所 きらきら工房です。
デザインについてのアレコレを、ビギナーさんにも分かりやすく解説したコラムを書いていますので、良かったら最後まで楽しんでいってくださいね。
- お知らせ -
毎月1回投稿してきたコラムですが、今回の更新をもって一旦おやすみさせていただきます。再開は未定ですが、また何か発信したくなったときにはひょっこり戻ってまいりますので、その時にはまた楽しんでいただけましたら幸いです!
それでは、今年最後のコラム、どうぞお楽しみください!
早いもので、今年ももう残り1か月となりました。
仕事納めに向けて、皆さん忙しくされているのではないでしょうか。
私も、毎年ご依頼いただいているバレンタインチラシの写真構成を考えたり、年明けすぐに納品予定のロゴマークのアイデア出しをしてみたり、だんだんと年末感が増してきました…!
このコラムを読んでくれている方にも、来年のイベント企画を考えたり、そのチラシデザインを考えたりしている方がきっといらっしゃると思います。
「凝ったデザインのチラシを作りたいけど、自分はデザイナーじゃないし時間もあんまりないし…」なんて、悩んでいませんか?
悩んでしまう気持ち、とってもよく分かります…!目に留まるチラシを作りたい、集客に繋げたい、という気持ちでがんばっているのに、上司から「あんまり時間ないから“ちゃちゃっと”“簡単なの”でいいよ」なんて言われた日には……。(この気持ち、言葉にできませんよね…笑)
おっと、いろいろ思い出して熱くなってしまいましたが…チラシ作りって、意外と時間がかかってしまいますよね。そんな時、試してほしいのが“グリッドレイアウト”を使ったチラシ作りです!
いろんなチラシに応用できるので、レイアウトを時短して、デザインに多めに時間をかけられるようになりますよ!
“グリッドレイアウト”ってなに?
“グリッド”とは、格子や方眼など、直線が縦横に規則正しく並んだもののこと。カメラや写真が好きな方の中には、写真を撮るときの補助線として「グリッド線」を表示させることもあると思いますので、言葉に馴染みがある方もいらっしゃると思います。
“グリッドレイアウト”はどんなものなのかというと、方眼紙の上でパズルのように伝えたい要素を組み合わせていく、みたいなイメージです。
格子状に四角で区切られた紙面の上で構成を考えることで、伝えたいことを整然と並べることができたり、読みやすい誌面を作ることができたりするのが、グリッドレイアウトの良いところなんです!
実際にグリッドレイアウトがよく使われている媒体は、新聞やニュースサイトです。タイトル、本文、写真がそれぞれ四角く区切られた枠の中におさまっていますよね。
グリッドレイアウトをマスターすると、チラシ作りがぐっとラクに、しかも上手にできるようになりますよ!!
それではさっそく、グリッドレイアウトを使ったチラシの作り方を見ていきましょう!
お題:「カッパをさがしています」
実用的なお題も分かりやすいけれど、せっかくならちょっと楽しくなれるお題が良いかな、とお風呂で考え付いたのが「カッパ探しのチラシ」です!笑
ひとつフォーマットを作ってしまえば、いろんなチラシに応用できますので、まずはこのお題で作ってみましょう。
記載する内容は↓のとおり。
【タイトル】
カッパをさがしています
【掲載したい内容】
・さがしている理由(家庭菜園で育てた自慢のキュウリをカッパに食べてほしい)
・カッパのイラスト
・連絡先
以上です。
あまり盛り込みすぎないように、簡潔な構成にしていきたいと思います!
1:視線の動きに合わせた配置を考える
以前投稿したコラムでも書いたことがあるのですが、チラシを作るときには、人の視線の動きに応じて伝えたい内容を配置する「視線誘導」を行うと効果的です。
人が紙面から情報を得るとき、見る順番というのがある程度決まっていると言われてます。
雑誌やチラシのような横書きの紙面は、左上→右上→左下→右下。
新聞のような縦書きの紙面は、右上→右下→左上→左下。
それぞれZやNのような形で視線が動くので、Z型とかN型と言われます。
今回は横書きの紙面なのでZ型に、一番重要な情報から順番に四角で区切って場所を確保します。
2:確保した場所に情報を配置する
四角く区切った場所に、情報を配置していきます。
まずは何も考えず、ざっくり置いていきましょう。
ここまでやってみると、何だかチラシの全体像が見えてきた気がしませんか?
3:要素の大きさを調整する・フォントを決める
次は、紙面のなかで要素のバランスを調整しつつ、文字のフォントを決めます。
要素の大きさは、重要度の高いものほど大きく、重要度の低いものは小さくしましょう。特に、タイトルとメインビジュアル(メインの写真やイラスト)は、他の要素と比べてかなり大きめに配置することで、「このチラシには何が書いてあるのか」を見る人が一目で分かるようにすることができます。
そして、重要かつ難しいのが、文字のフォント選び。
「っぽいフォント」を選ぶのが、チラシ作りのポイントとも言えます。
今回つくるチラシは、遊び度が高く、くすっと笑えるようなものにしたいので、タイトルに丸みを帯びた柔らかいフォント「いろはモチ」、本文は「Zen丸ゴシック」を使ってみました。
【使用したフォント】
無料フォント:いろはモチ | フリーフォントのMODI工場https://modi.jpn.org/font_iroha-mochi.php
無料フォント:Zen丸ゴシック | Google Fonts
https://fonts.google.com/specimen/Zen+Maru+Gothic
4:“あしらい”を加えながら全体を整える
それでは、最後の仕上げをしていきましょう!
カッパのイラストに使われている色を参考に、使う色をグリーンにしてみました。同じ緑でも、濃さを変えて使うことで全体に統一感を持たせることができます。
使う色は、2~3色にとどめるのがベストです。あまりカラフルにいろんな色を使ってしまうと、全体がごちゃついてまとまりのない印象を与えてしまうことに…。3色以内なら、色合わせも比較的やりやすくシンプルにまとめることができますよ!
5:完成!
さて、最初に作ったグリッドレイアウトの設計図とできあがったチラシを並べて見てみましょう。
設計図どおりに要素を配置して作ったことで、要素をどこに置くか悩む時間が短縮されて、しかも分かりやすいチラシを作ることができました!
別の情報に変えてみる
最初につくったグリッドレイアウトの設計図は、別のチラシを作るときにも応用できます。
例えば、「冬季限定 カレーうどん」の店内掲示用チラシ。
②イラスト の部分を写真に、③探している理由 を説明文に、④連絡先 をその他の情報に置き換えてみると、こんなふうになります。
いかがでしょう!「カッパをさがしています」のチラシとはガラッと変わったように見えますが、元の設計図は同じ形です。
こんな風に、パターンを決めておくと、いろんなものに応用することができるんです。
続いて、「今月のおすすめ図書」のチラシ。
これも、最初につくったグリッドレイアウトの設計図を元に、チラシに入れたい内容を入れやすい形の設計図に変更してみました。
一番上がタイトル、真ん中が「一番おすすめの本」についての内容、一番下がその他の本についての内容、という構成です。
Z型の視線誘導を意識するだけで、自然と重要な情報を配置する場所を決めることができますよ!
…全くの余談ですが、このカレーうどんと本の写真は、Adobe Expressで生成AIさん(?)に作ってもらった画像なんです…!
技術の進歩すごい…
もはや怖い…!でも便利…!
まとめ
グリッドレイアウトを使ったチラシづくり、いかがでしたでしょうか。
情報をどこに配置するかを最初に決めてしまえば、あとはその配置に沿ってデザインしていくことで、伝わりやすいチラシを時短しながら作ることができるので、ぜひマスターしてくださいね!
レイアウトを考える時は、紙とペンを使って考えるのが手軽でおすすめです。慣れない間は、実際の制作サイズ(A4など)を確認しながら進めると感覚を掴みやすくなります。もちろん、画面上で作る方がやりやすいという方は画面上でレイアウトを組み立ててもOKですよ!
デザインをはじめたばかりの時は、どこにどの情報を配置すればいいのか悩んでしまうものです。
そんな時は、視線誘導や「デザインの四大原則」のことを思い出したり、他のチラシはどんなふうに要素を配置しているかを調べたりしながらレイアウトを決めていると、いつの間にか伝わりやすく読みやすいレイアウトを組み立てることができるようになります!
今回のコラムの他にも、デザインのお助け記事をまとめています。
私のコラムを参考に、デザインを楽しんでいただけたらとても嬉しいです!
noteでの投稿は一旦おやすみとなりますが、Instagramではときどき実績をご紹介しつつ生息していますので、ぜひフォローして生存確認してください!笑
それでは、お読みいただきありがとうございました!
徳島県吉野川市のデザイン事務所 きらきら工房
モノがあふれるこの時代、「らしさ」を後押しできるのは「デザイン」かもしれません。
デザインで、あなたの未来に“きらめき”をプラスしてみませんか?
お問い合わせはこちらから、どうぞお気軽に。
あなたの近くで、あなたの“キモチ”をカタチにしたい…
そんな思いでデザインするのが、きらきら工房です。