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”LGBTQ+2020調査”から見える実態と課題について再度考えてみる。

〜初めに〜

 近年LGBTQ+の方々へのいじめや差別といった社会的問題の報道がマスメディアに取り上げられたこともあり2015年にNHKがLGBT当事者2600人を対象としたアンケート調査を実施しています。また電通では2012、2015、2018、2020年と過去4回にわたってアンケート調査を行なっています。       GEMPではLGBTQ+の方々がより自由な自己表現のできる世界を目指していることもあり、このアンケート調査からLGBTQ+の方々が抱える悩みや社会的な問題点についていくつかのテーマにそって再度考えていきたいと思います。

〜最初に考えるテーマはLGBTQ+に関する認知度について〜

 2020年に電通が行なった大規模調査ではLGBTという言葉の認知度について、2015年調査の37.6%から、2018年調査では68.5%と大幅上昇、2020年調査では80.1%とさらに11.6pt上昇しています。
その一方、LGBT以外の性の多様性については、約8割の人が言葉自体も聞いたことがないと回答。LGBTの他にも多様なセクシュアリティの存在についての認知はまだ進んでいないことがわかります。

https://www.dentsu.co.jp/news/release/2021/0408-010364.html 電通HPより一部抜粋


 電通が行なったこれらの結果からLGBTに関する認知度は年々増加傾向に見られますがQ+といった性の多様性についてはあまり知られていないのが実情のようです。また認知度が増加しているのにも関わらず依然としてLGBTQ+の方々へ向けた差別やいじめ、偏見が減らないのはどうしてなのか。それは次のアンケート調査からも読み取れます。

https://www.dentsu.co.jp/news/release/2021/0408-010364.html 電通HPより抜粋

上記の結果から見て取れるように学校教育においてLGBTQ+をはじめとする性の多様性について教えるべき、またはできれば教えるべきと回答した人が88.7%と大多数を占めるのに対し、実際に教わったことがあると答えたのは20代の24.5%を最高とし年代が層が上がるにつれパーセンテージは減少しています。これらは時代背景を鑑みれば当たり前のことかもしれないですが今後学校教育においてもLGBTQ+に対する認知度と正しい理解の普及が必須と言えます。

次に教育の観点以外にもLGBTQ+の方々への偏見や差別が無くならない理由としてLGBTQ+に対するストレート層のクラスター分析から読み取っていきます。

https://www.dentsu.co.jp/news/release/2021/0408-010364.html 電通HPより抜粋

クラスター分析から最もストレート層に多いのは知識ある他人事層が34.1%、次にアクティブサポーター層の29.4%となっています。また誤解流され層、敬遠回避層、批判アンチ層は全体の27.3%。GEMPではLGBTQ+の方々への差別や偏見をなくしていくためにはこれに知識ある他人事層を含めた50.3%の方々にどのように認知・理解してもらうかが重要だと考えます。ストレートの方全てがアクティブサポーター層になるのは難しいかもしれませんが、正しい知識や理解を得ることで、知識ある他人事層、誤解流され層が天然フレンドリー層以上へと移行すれば、敬遠回避層、批判アンチ層がマイノリティーと言われる立場になり少しでもそういった差別や偏見が減少するのではないかと考えます。

GEMPが思い描く未来にも書いた通り今後はLGBTQ+の方々が安心して自己表現できる環境を作るだけでなく世界へ向けた発信を少しづつ行なっていくことでストレートの方々へもLGBTQ+についてもっと知ってもらいLGBTQ+の方々を取り巻く環境がその方々の理解者となれる世界を目指していきたいと思います。

参考文献

電通、「LGBTQ+調査2020」を実施

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