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ナウシカ歌舞伎後編をみたよ
ナウシカ歌舞伎後編をNHK BSプレミアムで見たのでその感想を書きます。
昨年2月のディレイビューイングにて前編は見たのですが、その後のコロナ禍によって後編は見られず、約一年越しに後編を見られました!NHKさんありがとう.....
前編の感想はTwitterのツリーで呟いているのでご興味あればぜひ↓
●ナウシカ歌舞伎メモ
— 菜都 (@Na_ttou710) February 14, 2020
・クシャナ殿下がまじでお美しいし、他の女形と違って切れ長の目(切開ラインがすごい)を化粧で演出されていて、当たり前だけど化粧にもめちゃくちゃこだわっている.....眉毛も細くて形が綺麗....表情も、お声も!!!クシャナ様だった
※なにぶん歌舞伎初心者なので、見当違いだったり意味を間違えて使っている単語があるかもしれません、ご容赦ください。
全体的な感想
まず、メディアを変えて再解釈を行うと、原作だけでは思いつかなかった感想が色々と湧き上がってくるなあと改めて感じました。
例えば。
原作の、ナウシカが蟲使いに「自分はあなたたちと同等だ」と言うシーンのカットによって、蟲使いたちに従ってもらうような場面が残ったことや、ラフな喋り口調ではなく丁寧語や歌舞伎独自の古い言い回しが多くなっていたこと。
それによって、ナウシカの姫らしさというか、”上の位に立つ者”という印象が強くなったように感じたんですよね。
それに関連して、ナウシカって、姫様だからああやって民や他の国の人たちをも説得させられるようになったんだろうなと思い至ったり。
慈悲深くて、どんな人のことも尊重するけれど、相手をうまく従わせられるような資質は、姫様だから培われたもののようにも思います。一人の少女という表現が多くされているけど、本当の平民の少女だったらこういう話にはならないよなあと。
こんなふうに色々思いを馳せることが増え、原作を読み返したくなりましたね。
話変わって、前編でも抱いた感想ですが、ナウシカの世界が日本風に置き換えらているの改めて面白いな。
上人様がおわす建物に米と塩?盛った皿はあるし、土鬼の博士たちは武士というか神主?っぽいし(原作の坊主頭に布じゃないんだ)、ヒドラの庭の番人がナウシカ母の姿をしている時は虫垂れぎぬ姿(布が垂れ下がった笠のことらしいです、初めて知った)だし、なんか日本の色んな時代の装束が合ったような気がした。違ったらすみません。
トルメキアの第一皇子・第二皇子・第三皇子は南蛮っぽさ?というか(私のイメージの中の)トルコとかイスラム圏の服装に似てるなと感じた。そこはほぼ原作通りの帽子を見て思ったからですが、トルメキアって名前だからかしら...
直球表現
上の話をしてたら衣装の話をもっとしたくなりました。のでします。
前編は映画館で見たので細部はあまり見れなかったけど、今回はテレビ放送なので衣装の細部まで細かく見れたのがよかったなあ。
布の模様とか、蟲使いは裸足なんだな~(足で床を鳴らす舞的なものをしてたから?)、クシャナ様がナムリスに求婚されたときの衣装に青いスパンコールがたくさん付いてたな~とか。
あともう一個!ナウシカが王蟲と一緒になろうとしたときに白装束になって!!うわ!!死装束か!?そりゃ本人としては死のうとしていたようなもんだしな.....そっか.....死か..........と個人的に衝撃でした。
原作何回も読んでるけど、メディアを変えて再解釈することで、原作ではオブラートに包んでいた表現が直球になるんだな...と改めて実感しましたね。
・子王蟲のイマジナリー精霊でなぜ子役を出したのか理由考えてたんだけど、
— 菜都 (@Na_ttou710) February 14, 2020
○踊りのシーン入れるため(歌舞伎独自のやつ?)
○ナウシカとの触れ合いをより表現するため(原作の王蟲単体と触れ合ってるシーンでもよいのだけど、もっと"触れ合って寄り添ってる感"をわかりやすく表現するため?)
それと同じようなものとして、〇〇の精(イマジナリー精霊)もそうなんだろうな。より直球な表現なのだろうな~と感じます。
今回は、墓の主の精やオーマの精がでてきましたが、朱と白の連獅子(これも名前初めて知りました)になって戦うシーン、そしてオーマの精が死に際にナウシカと言葉を交わす姿が、なんとなく「魂の触れ合い」という感じがして、違う生物・兵器との触れ合いを同じ人間同士に置き換えて、直球の表現にすることでより触れ合いをわかりやすくしてるのかも...?と自分なりに解釈しました。
あの連獅子に時間を割き、唄や舞で表現したことで、怒り、泣き、眠り、眩しいと叫ぶことが人間なんだと、すごく実感したので、伝えたいことが一番伝わる表現だったんだなと思っています。
(ところで他のスーパー歌舞伎などは同じように〇〇の精が出てるのかな?)
演出・大道具小道具
前編での演出が個人的に衝撃的すぎて、
(①舞台いっぱいに滝のように水が降ってくる本水
②王蟲が殻を伸縮させながら動く映像
③メーヴェで実際に飛ぶ姿 など)
今回は演出面ではそれほど印象的!というものは少なかったのだけど、ナウシカが王蟲と一緒になろうとしていたシーンの小道具はびっくりしたな。
最初、左のアンモナイト的な丸い盾?をナウシカが持っていて何かよくわからなかったんだけど、実は3つに分かれるもので、3つ繋げて腐海の植物っぽいやつになった時はすっごく感動しちゃった。
ああいう小道具、普通の舞台でもたくさん見たいですね~
脚本
後編は所々削られてましたね。まあ尺的にしょうがないかな~と思うのですが、個人的に削られて悲しかったのが、
・虚無姿のミラルパがナウシカと共に森の中に入り、やがて成仏するシーン
・最後にセルムとナウシカが、王蟲と墓所の血が一緒だったことは内緒にしておきましょうと言うシーン
ですね....1つ目は割と好きなシーンなので....
2つ目は結構重要なところでは?と思うが....まあしょうがないか....
あと、第一皇子と第二皇子が最初しか出てこなかったので、話の筋的にどうなったの?となりましたね。
原作通り、ヒドラの庭で登場させた方が辻褄的合わせ的に必要じゃないかな~...
(原作ではヒドラの庭にあの後ずっといることになるんだろうか?新たな疑問が生まれてきてしまった...)
その他、見ながら思ったこと
・最初の、ヴ王やミラルパなど名だたる人たちを一人ひとり道化が紹介して名乗った後、全員で「「「風の谷のナウシカ」」」と名前を呼ぶ展開、よく2.5舞台でも見る少年漫画っぽいアツイ展開だなと思って嬉しくなっちゃいました。
・墓の主に乗り移られた道化が汗かいてるの、ナウシカたちが従わないことに苛立ってるみたいでいいね
・墓所の文字が一年ごとに追加されるの、コンピュータなのか?と初めて思い至った。
・オーマのことを、「裁定者」と自称も他称もしなかったの驚いた。
・墓所の血が王蟲の血より更に青いのがわかりやすくてよかった。光沢感も生まれてるしね。
・他の歌舞伎でプロローグ、エピローグって使うのかな カタカナですわね
疑問
歌舞伎素人なので、見ながらこれはなんでなんだろう...と思うことがあったので載せておきます。
有識者の方、教えてくだせえ~
①なんで連獅子は髪の毛をつかんでいるの?
髪の毛振り回す毛振りでは持つのわかるけど、普段歩いたりセリフ言うときも持ってたような...やっぱ不安定なのかな
②衣の色は歌舞伎的に意味があるのだろうか。
位とか心情、場面によって切り替わる~とか...?
ナウシカがヒドラの庭にいた時は金色?クリーム色?になってたのが気になりました。
以上!
クシャナ様が圧倒的””””美””””だったこととかまだ言いたいことはありますが!このへんで!
読んで頂いてありがとうございました!